MotoGP™2018年シーズンも中盤に差し掛かるにつれて、来シーズンの情報が少しずつ入り、その全貌が明らかになってきています。MotoGPクラスでは有力選手がチーム移籍を発表したり、サテライトチームのマシンチェンジなどの他に、大きなトピックとして電動バイクで争われる新クラスMoto-eが始動します。そんな、MotoGP™2019年シーズンについての変更や見どころなどをご紹介します!
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2019年シーズンのMotoGP™はどうなる?
MotoGP™は今シーズンも毎戦面白いレースを展開し、観戦している我々を楽しませてくれています。
元々は、スペインやイタリアなどヨーロッパで人気の高いモータースポーツですが、近年は東南アジアでの人気も高まり、今シーズンから初めてタイラウンドも開催。
そんな人気急上昇中のMotoGP™では、2019年シーズンから新しい試みとして電動バイクで争われるMoto-eクラスの開催が決定しています。
また、Moto2クラスのエンジンサプライヤーの変更も!!
そして、2018年シーズン中盤にもかかわらず、2019年シーズンに向けて発表された有力ライダーのチーム移籍で大きな話題を呼んでいます。
ペドロサ引退。通算296レースをホンダで走りきる!
スペイン人ライダーのダニ・ペドロサは、第9戦ドイツGPのプレスカンファレンスで会見を開き、2018年シーズンを最後に引退することを発表しました。
また、MotoGP™を運営する『ドルナスポーツ』はペドロサをMotoGP™ライダー殿堂入りにするとし、最終戦バレンシアGPで授賞式を行うことも同時に発表。
ペドロサは125ccクラスと250ccクラスでシリーズチャンピオンを獲得し、2006年にMotoGPクラスへステップアップを果たしてから現在までに31勝を記録。
他にもペドロサはMotoGP™で通算54勝しており、これは歴代史上7位の記録です。
また、153度の表彰台を獲得し、こちらは史上3位に!!
今年、ペドロサはレプソル・ホンダで13年目のシーズンを迎え、現在33歳。
まだまだ現役続行可能な年齢ですが、今回レプソルホンダを離れると同時に引退を決断。
125cc時代から通算296回レースをホンダのマシンで走りぬき、歴代ホンダワークスライダーの中で偉大な存在になることは明らかです。
ロレンソがレプソルホンダ入り、ザルコはKTMへの移籍が決定
現在ドゥカティチームに所属しているホルヘ・ロレンソはペドロサの席が空いたレプソルホンダに移籍することが決定しました。
2017年にヤマハファクトリーチームからドゥカティチームへ移籍して以降、本来の調子を出せないままでしたが、今シーズン第6戦イタリアGPでドゥカティ移籍後初の勝利を挙げ、さらに第7戦カタルーニャGPでも優勝。
ロレンソとドゥカティデスモセディチGP18の組み合わせでようやく歯車がかみ合い始めたところでしたが、わずか2年でドゥカティチームを去ることに。
また、ロレンソが加入するレプソルホンダは、二人の世界チャンピオンライダーを有することになり、2019年シーズンは万全の体制を確立しました。
ドゥカティチームはロレンソが抜けたところに、現在プラマック・レーシングのダニロ・ペトルッチを加入させることを発表しています。
また、プラマック・レーシングはペトルッチの代わりにVR46チーム出身の若手ライダー、フランセスコ・バグナイアと2020年までの契約を結びました。
テック3チームがKTM・RC16にマシンチェンジ、ザルコはKTMチームへ移籍
南フランスに拠点を置くMotoGP™のサテライトチーム、テック3は、2018年シーズンをもってヤマハとの契約が終了し、2019年以降はYZR-M1の供給が受けられなくなることで、MotoGPクラスへの残留が危ぶまれていました。
しかし、テック3はKTMと契約を結び2019年以降はKTM製のMotoGPマシン KTM・RC16でMotoGPクラスへの参戦継続を発表。
また、マレーシア人として初のGPライダーとなるハフィス・シャーリンとの契約を更新し、シャーリンは今シーズンから引き続き2019年もテック3のライダーとしてKTM・RC16を駆ることになりました。
一方、テック3のエースライダー、ヨハン・ザルコはテック3を離れ、レッドブル・KTM・ファクトリーレーシングに移籍します。
そのため、KTM・ファクトリーレーシングの2019年シーズンのライダー体制は、ポル・エスパルガロとザルコの2人になりました。
そしてテック3は、ザルコの代わりにレッドブルKTM AjoからMoto2クラスに参戦しているミゲル・オリベイラを加入させることを発表しています。
SIC-エンジェル・ニエト・チームのもとにヤマハYZR-M1が供給
MotoGPクラスに参戦するエンジェル・ニエト・チームはヤマハとの契約を結び、2019年以降はYZR-M1の供給をうけることを発表。
さらに、セパン・インターナショナル・サーキット(SIC)と手を組み、2019年からは新チーム『SIC-エンジェル・ニエト・チーム』として参戦することになりました。
SICは自社のレーシングチーム『SICレーシング』を持っており、現在はMoto3クラス、Moto2クラスに参戦しています。
豊富な資金と経験豊富なスタッフやメカニックが揃っており、エンジェル・ニエト・チームとしては力強いパートナーとなるでしょう。
ライダーに誰が採用されるのかは今のところ不明ですが、2019年シーズンの注目チームのひとつです。
電動バイクの最高峰!MotoGP™に新クラスMoto-eがスタート
MotoGP™は1989年に80ccクラスレースを終了してから3クラス体制が長く続いていましたが、2019年シーズンは新カテゴリーが誕生し4クラスのレースが行われる予定です。
新カテゴリーは電動バイクを使用した『Moto-e』クラスであり、こちらは『FIM Enel MotoE World Cup(MotoE ワールドカップ)』という新しいシリーズ戦となります。
いわゆる電気自動車の最高峰レース『フォーミュラE』のバイクバージョンといえるレース。
イタリアの大手電力事業 エネルギー会社『Enel(エネル)』がシリーズタイトルスポンサーに就任し、今後、エネルは電力モビリティ部門『エネルX』を通じ、Moto-eに充電技術や充電設備などを提供する予定です。
Moto-eは、イタリアの電動バイクメーカー、エネルジカ・モーターのスーパースポーツモデル『エネルジカ・エゴ』のレース仕様車のワンメイクで争われます。
エネジカル・エゴは3秒で時速100キロまで加速し、最高速度は240キロ。
市販の公道走行可能なモデルでは一度のフル充電で160キロの走行が可能であり、30分の充電時間で約80%まで充電可能です。
現在、11チーム18台のバイクが出走を発表しており、テック3、LCR、マークVDS、プラマック、エビンティア、アンヘル・ニエト、グレシーニといった有力チームに2台ずつ供給される事に加え、Moto2とMoto3に参戦中の4チームが各1台ずつを走らせる予定です。
開催スケジュールの正式発表はまだありませんが、ヨーロッパ圏でMotoGP™が開催される際にMoto-eクラスが行われ、全5戦を行う予定です。
また、他のクラス同様、金曜日:フリー走行、土曜日:予選、日曜日:決勝レースで行われ、決勝レースは10周が予定されています。
Moto2マシンのエンジンがトライアンフ製へ変更
Moto2クラスのマシンは、現在ホンダが供給するCBR600RRをベースとしたエンジンで統一されています。
しかしホンダは2018年シーズンの終了をもってエンジンの供給を終え、2019年シーズンからはトライアンフがエンジンサプライヤーに!!
エンジンはデイトナ675やスピードトリプルのものとなり、ホンダCBR600RRの600cc並列4気筒エンジンが、トライアンフの675cc並列3気筒エンジンとなり、気筒数が減った分、排気量はアップはされ、今までとは異なるエンジンサウンドのMoto2マシンが楽しめるようになるでしょう。
まとめ
このように、2019年シーズンのMotoGP™は変革期といるシリーズ。
まだ明らかになっていないところは多く、今後も来シーズンに関して新しいニュースが続々発表されるため、今シーズンのレース結果だけでなく、来シーズンの動向が気になるところ。
来シーズンのMotoGP™は、いったいどんなシリーズになるのでしょうか!今から楽しみです。
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