全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦する加賀山 就臣選手は、チーム運営や若手ライダーの育成など、レーシングライダー以外にもさまざまな活動をしています。彼は、BSB(英国スーパーバイク選手権)やWSBK(ワールドスーパーバイク)など国際レースでも好成績をおさめた、日本のトップライダーの1人であり、レースプロデューサーでもあります。そんな加賀山 就臣氏についてご紹介します。
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“加賀山就臣”とは?
加賀山就臣(かがやま ゆきお)は、神奈川県横浜市出身のレーシングライダー兼チームオーナー、そしてレースを監修するゼネラルマネジャーです。
以前はスズキワークスチームのライダーとして全日本ロードレース選手権のGP250クラス、スーパーバイククラスに参戦。
また、日本人初となるBSB(英国スーパーバイク選手権)へのフル参戦を果たし、他にもWSBK(スーパーバイク世界選手権)、MotoGP、ARRC(アジアロードレース選手権)など海外レースでも活躍を見せてきました。
Team Kagayamaを発足
2011年からは自らのレーシングチーム『Team Kagayama』を立上げ、全日本ロードレース選手権に参戦。
他にもARRC・SS600クラスやRFMEスペイン選手権のスーパースポーツ1000クラスへのスポット参戦も行ってきました。
また、現在もチームオーナーであり現役のライダーとしても全日本ロードレース選手権JSB1000クラスや鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦しています。
加賀山就臣のレース戦歴
全日本ロードレース選手権
シーズン | クラス | マシン | チーム | シリーズランキング |
---|---|---|---|---|
1995年 | スーパーバイク | スズキGSX-R750 | – | 11位 |
1996年 | GP250 | スズキRGV-ɤ250 | – | 10位 |
1997年 | GP250 | スズキRGV-ɤ250 | – | 13位 |
1998年 | GP250 | スズキRGV-ɤ250 | – | 13位 |
1999年 | スーパーバイク | スズキGSX-R750 | Team Suzuki | 16位 |
2000年 | スーパーバイク | スズキGSX-R750 | Team Suzuki | 7位 |
2001年 | スーパーバイク | スズキGSX-R750 | Team Suzuki | 4位 |
2002年 | プロト | スズキGSV-R | Team Suzuki | -位 |
2011年 | JSB1000 | スズキGSX-R1000 | Team Kagayama | 4位 |
2012年 | JSB1000 | スズキGSX-R1000 | Team Kagayama | 8位 |
2013年 | JSB1000 | スズキGSX-R1000 | Team Kagayama | 10位 |
2014年 | JSB1000 | スズキGSX-R1000 | Team Kagayama | 5位 |
2015年 | JSB1000 | スズキGSX-R1000 | Team Kagayama | 12位 |
2016年 | JSB1000 | スズキGSX-R1000 | Team Kagayama | 8位 |
WSBK(ワールドスーパーバイク選手権)
シーズン | クラス | マシン | チーム | シリーズランキング |
---|---|---|---|---|
2005年 | スーパーバイク | スズキGSX-R1000 | Alstare Suzuki Corona Extra | 5位 |
2006年 | スーパーバイク | スズキGSX-R1000 | Alstare Suzuki Corona Extra | 7位 |
2007年 | スーパーバイク | スズキGSX-R1000 | Alstare Suzuki Corona Extra | 13位 |
2008年 | スーパーバイク | スズキGSX-R1000 | Team Suzuki Alstare | 11位 |
2009年 | スーパーバイク | スズキGSX-R1000 | Team Suzuki Alstare | 12位 |
BSB(英国スーパーバイク選手権)
シーズン | クラス | マシン | チーム | シリーズランキング |
---|---|---|---|---|
2003年 | スーパーバイク | スズキGSX-R1000 | Rizla Suzuki Crescent | 7位 |
2004年 | スーパーバイク | スズキGSX-R1000 | Rizla Suzuki Crescent | 3位 |
2010年 | スーパーバイク | スズキGSX-R1000 | Worx Crescent Racing | 15位 |
鈴鹿8時間耐久レース
シーズン | マシン | ペアライダー | チーム | 順位 |
---|---|---|---|---|
2000年 | スズキGSX-R750 | 梁明 | Team Suzuki | 22位 |
2001年 | スズキGSX-R750 | 梁明、渡辺篤 | Team Suzuki | 3位 |
2002年 | スズキGSX-R750 | 梁明 | Team Suzuki | リタイア |
2003年 | スズキGSX-R1000 | 渡辺篤 | ヨシムラ Suzuki | リタイア |
2004年 | スズキGSX-R1000 | 渡辺篤 | ヨシムラ Suzuki | 2位 |
2005年 | スズキGSX-R1000 | 渡辺篤 | ヨシムラ Suzuki | 10位 |
2007年 | スズキGSX-R1000 | 秋吉耕佑 | ヨシムラ Suzuki | 優勝 |
2008年 | スズキGSX-R1000 | 秋吉耕佑 | ヨシムラ Suzuki | 4位 |
2010年 | スズキGSX-R1000 | 酒井大作、青木宣篤 | ヨシムラ Suzuki | 6位 |
2011年 | スズキGSX-R1000 | ジョッシュ・ウォーターズ、青木宣篤 | ヨシムラ Suzuki | 2位 |
2012年 | スズキGSX-R1000 | ヴィンセント・フィリップ、アンソニー・デルハレ | S.E.R.T | 15位 |
2013年 | スズキGSX-R1000 | ケビン・シュワンツ、芳賀紀行 | Team KAGAYAMA | 3位 |
2014年 | スズキGSX-R1000 | ドミニク・エガーター、芳賀紀行 | TeamKAGAYAMA | 3位 |
2015年 | スズキGSX-R1000 | 清成龍一、芳賀紀行 | Team KAGAYAMA | 3位 |
2016年 | スズキGSX-R1000 | 清成龍一、浦本修充 | Team KAGAYAMA | 6位 |
2017年 | スズキGSX-R1000 | ハフィス シャーリン、浦本修充 | Team KAGAYAMA | 17位 |
鉄人 加賀山就臣!これまでの軌跡
加賀山選手は15歳からバイクレース活動を開始し、18歳でスズキワークス入りを果たします。
レースを始めてから、わずか3年でワークス入りするとは相当な努力とセンスがあった事でしょう。
そして、スズキから全日本ロードレース選手権に参戦する傍らで、マシン開発ライダーとして開発の現場でもバイクに乗り続け、スズキMotoGPマシン・GSX-RRが登場する前のプロトタイプ『GSV-R』の開発では、全日本ロードレース選手権プロトクラスやMotoGPスポット参戦などで開発に従事していました。
しかし一方で、ケガに泣かされることも多く、選手生命が危ぶまれる大怪我をしたことも多数ありましたが、そんな困難も乗り越え、44歳になる今年も現役として走り続ける彼を、人は『鉄人』と呼びます!
約20年間もの間、スズキのマシンで走り続け、スズキに大きな功績を残したライダーの1人です。
加賀山選手が若手育成のためにスズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)を立上げ
加賀山選手は、若手ライダー育成のために『スズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)』を企画・運営・監修していました。
SACはFIMアジアロードレース選手権 (ARRC)の中で行われた、スズキGSX-R150のワンメイクレースで、参加ライダーはアジア諸国を中心に若手ライダーが集結。
最初の2015年は17名が参加し、2016年は20名、2017年は16名が参戦。
そんな参戦ライダーの国籍は、日本、オーストラリア、インド、シンガポール、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、スリランカと幅広く、国際色豊かなレースプログラムとなっていて、それぞれが将来MotoGPライダーになるために、切磋琢磨してレースに臨む姿が見られました。
また、加賀山選手以外にも、ライダーコーチに元MotoGPライダーの八代俊二氏が就任し、若手ライダーのライディングテクニック向上に大きな貢献を果たします。
しかしSACは惜しまれつつも2018年に休止となりましたが、SACから巣立ったライダー達は、この経験から学んだことを活かし、さらに上を目指してバイクレース界で活躍して行く事でしょう。
まとめ
加賀山選手は、今年も全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにフル参戦と、鈴鹿8時間耐久レースへの出場も示唆しています。
また、Team Kagayamaの若手、浦本 修充(ウラモト ナオミチ)選手はCEV RFMEスペイン選手権スーパーストック1000クラスにフル参戦。
自らチームを立ち上げ、日本のみならず海外でも活動する加賀山選手は最強のプライベータ―といえるのではないでしょうか。
今年も加賀山選手をはじめとするTeam Kagayamaの活躍から、目が離せません。
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