MotoGP™2018シーズンが開幕し、各メーカー2018年仕様の新型マシンを投入してきました。ワークスチームの今季新型マシンは昨年モデルの問題点を改善し、さらに速くするために新しいパーツを投入しています。注目は空力を利用しマシンを安定させるブリスターカウル。またカウル以外でも何が変わったのか気になるところです。

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2018年最速MotoGPマシンの鍵を握るのは『ブリスターカウル』

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各メーカーのMotoGPマシンは、MotoGP2017年シーズン途中から今までに無い、いびつな形状になっていきました。
きっかけはドゥカティが2016年シーズンからカウルにウィングを取り付けたことで、空力面でマシンの安定性を狙ったウィングを装着することで、ドゥカティのMotoGPマシン(デスモセディチ)にダウンフォースを生み出しトラクション向上に成功。
しかし、ウィングは安全面でリスクがあるとし使用禁止となります。
そこで、投入されたのが『ブリスターカウル』です。
ブリスターカウルはエアロ効果を狙った形状のカウルで、サイドカウルまたはアッパーカウルに大きく口を開けた部分を設定。
2輪車は4輪車よりも圧倒的に空気抵抗が少ないものの、直線で時速350km以上まで出るMotoGPマシンでは加速や減速でマシンの安定性が失われる為、それを解決するためにマシン前方にフィンのようなものをつけ、レーシングカーのウィングに似た役目を果たすように考案されました。
そんなブリスターカウルは各メーカーで形状が異なっており、2017年シーズンに導入されてから2018年シーズン開幕まで何度も形状が変更され、現在も試行錯誤の段階だと思われます。
ホンダRC213Vはシーズン途中で大型ブリスターカウル投入か
2018年モデル

出典:https://motogp.hondaracingcorporation.com/rc213v-2018/

出典:https://motogp.hondaracingcorporation.com/rc213v-2017/

マルケス車両 / 出典:https://motogp.hondaracingcorporation.com/rc213v-2018/

ペドロサ車両 / 出典:https://motogp.hondaracingcorporation.com/rc213v-2018/
2017年モデル

出典:https://motogp.hondaracingcorporation.com/rc213v-2017/

出典:https://motogp.hondaracingcorporation.com/rc213v-2017/

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ホンダ新型RC213Vの変更点

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2018年新型RC213Vは、ブリスターカウルの装着とマフラーの形状が変更されています。
新型RC213Vが正式発表されたとき、ブリスターカウルの形状はマルク・マルケス選手とダニ・ペドロサ選手で違っており、ライダーによってブリスターカウルの感触は異なるようです。
開幕戦には上画像と同じカウル形状で出場していましたが、開幕前の公式テストでは大型の開口部のあるカウルが取り付けられており、今後のレースでのブリスターカウルの進化に注目が集まります。
物議を呼んだウィング装着?タイトル奪還に燃えるヤマハYZR-M1
2018年モデル

© 2018 YAMAHA MOTOR RACING SRL

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2017年モデル

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ヤマハ新型YZR-M1の変更点

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2018年モデルの新型YZR-M1は、2017年モデルと比べて大きな変更点は見当たりません。
スポンサー『モビスター』のロゴのカラーリングが白に変更されたのみで、中身がどのように変更されているのか気になるところ。
開幕戦カタールGPではカウルにフェアリングを装備していましたが、それがドゥカティで禁止されたウイングレットと同じだという議論が交わされました。
また、ドゥカティのドヴィツィオーゾ選手は、ウイングレットの禁止が安全上の理由ではなく空力パーツで進んでいたドゥカティにダメージを与えるものだったとの意見を述べています。
そんなブリスターカウルやウイングレットの開発では、各メーカーで一悶着ありそうです。
上位3メーカーに負けられないスズキGSX-RR
2018年モデル

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2017年モデル

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スズキ新型GSX-RRの変更点

出典:http://www1.suzuki.co.jp/motor/sports/race/2018/motogp_report_rd01_2.php
スズキは2017年シーズン終盤からブリスターカウルを投入。
2018年新型GSX-RRの発表ではアッパーカウル形状を変更し、ハンドル部分が隠れるようなワイド形になりました。
そして開幕戦カタールGPでもブリスターカウルを装着しており、今後のマシン改良で上位3メーカーに食い込めるか期待したいところです。
ブリスターカウルの開発で一歩先を行くドゥカティ・デスモセディチGP
2018年モデル

出典:https://www.ducati.com/ww/en/editorial/ducati-team-motogp-2018-bike

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2017年モデル

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ドゥカティ新型デスモセディチの変更点

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どのメーカーよりも早くから空力パーツの開発に取り組んでいたドゥカティの2018年新型デスモセディチは昨年版と比較すれば大きく外観が異なります。
公式発表で公開した新型デスモセディチGPは比較的大きいブリスターカウルを装備しており、アンダーカウルの前方は2017年モデルよりえぐれたような形状に変化。
そして、マフラーの排気口の位置も若干変更されています。
ドゥカティは、毎回見ている我々を驚かせるマシンを世に送り出してくれるので、今シーズンもどんな改良を加えてくるのか楽しみです。
変更点に謎が多いKTM・RC16
2018年モデル

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2017年モデル

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KTM新型RC16の変更点

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KTM新型RC16は、アッパーカウルにエッジを効かせたデザインに変更されました。
しかし、KTMは2017年シーズンを終了してもマシンについて多くは語らず、今季の新型RC16はどう変更されたのかは謎に包まれたまま。
開幕戦前のテストでは、ドュカティ、ホンダのような大型のブリスターカウルを試すシーンが見られており、ブリスターカウルを実践の場でいつ投入するのかが楽しみです。
ひしひしと上位を狙うアプリリアは2018年型RS-GPで大幅変更を実施
2018年モデル

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2017年モデル

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アプリリア新型RS-GPの変更点

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アプリリアは、2018年新型RS-GPで多くの部分を改良したことを明らかにしています。
搭載されるV型4気筒エンジンはスリムになり、フレームは重心位置を変更。
カーボン製スイングアームについてはシーズン途中で新型に変更することを示唆し、いくつか新しいパーツを用意して2018年シーズンに挑みます。
注目は公式スペックで最高出力270馬力以上と表記され、どのメーカーよりもパワフルなエンジンになっていること。
ブリスターカウルは多くの風洞実験を実施して開発したもので、レースでは上位3メーカーに食い込んでくる可能性は十分高いと思われます。
まとめ

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今シーズンの開幕戦カタールGPでは、ドゥカティのドヴィジオーゾ選手が昨年度チャンピオンのマルケス選手に競り勝ち、優勝を獲得。
新型デスモセディチGPは、相当高い戦闘力を持つことが伺えました。
ホンダ、ヤマハ、ドゥカティはライバルメーカーより速くするためにどのような改良を加えてくるのか。
スズキは以前のような速さを取り戻すことができるのか。
さらに、KTMとアプリリアの新興参戦メーカーは上位に食い込むためにどう戦うのか、各メーカーの戦いから目が離せません。
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