全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦する中須賀克行選手は、2016年に前人未到の5年連続チャンピオンを達成し、これまでに7度のJSB1000クラスシリーズチャンピオンを獲得しています。そんな、中須賀選手の生い立ちや印象的なエピソードをまとめてご紹介します。
CONTENTS
全日本ヤマハファクトリーチームのエース!中須賀克行選手とは
中須賀 克行(なかすが かつゆき)選手は、全日本ロードレース選手権(以下:全日本)をメインに、MotoGP™と鈴鹿8時間耐久レース(以下:鈴鹿8耐)にも出場しているレーシングライダーです。
現在はヤマハファクトリーチームに所属しており、全日本JSB1000クラスにフル参戦中ですが、MotoGP™にも日本GPへのワイルドカード参戦やMotoGPライダーが欠場した時の代役としてのスポット参戦をおこなったり、鈴鹿8耐にもヤマハファクトリーチームから現役MotoGPライダーとペアを組み出場しています。
全日本ロードレース選手権・史上最強のライダー
中須賀選手はこれまでに7度のJSB1000クラスシリーズチャンピオンを獲得しており、この記録は全日本ロードレース選手権最高峰クラスで史上最多記録となっています。
また、2015年から鈴鹿8耐を3年連続優勝し、日本国内史上最強ライダーと言っても過言ではありません。
中須賀選手の代名詞”ロケットスタート”
中須賀選手の特徴と言えば、スタートの上手さ!
スタートで誰よりも早く発進し加速にもっていくロケットスタートは、彼の代名詞となっています。
そして彼自身も、スタートダッシュは勝利への方程式であると考えており、「スタートの瞬間は、自分でも信じられないほどに集中しています。」とコメントした事もありました。
史上最強ライダー!これまでの戦績
全日本ロードレース選手権
シーズン | クラス | チーム | マシン | シリーズランキング |
---|---|---|---|---|
2000年 | GP250 | RC甲子園 | TZ250 | 11位 |
2001年 | GP250 | MOTOREX DAYTONA | TZ250 | 20位 |
2002年 | GP250 | TEAM NAKASUGA | TZ250 | 5位 |
2003年 | GP250 | SP忠男 RACING TEAM | TZ250 | 8位 |
2004年 | GP250 | SP忠男 RACING TEAM | TZ250 | 5位 |
2005年 | JSB1000 | SP忠男 RACING TEAM | YZF-R1 | 12位 |
2006年 | JSB1000 | YSP&PRESTO RACING | YZF-R1 | 9位 |
2007年 | JSB1000 | YSP&PRESTO RACING | YZF-R1 | 4位 |
2008年 | JSB1000 | YSP&PRESTO RACING | YZF-R1 | 1位 |
2009年 | JSB1000 | YSP Racing Team | YZF-R1 | 1位 |
2010年 | JSB1000 | YSP Racing Team with TRC | YZF-R1 | 4位 |
2011年 | JSB1000 | YSP Racing Team with TRC | YZF-R1 | 5位 |
2012年 | JSB1000 | YAMAHA YSP Racing Team | YZF-R1 | 1位 |
2013年 | JSB1000 | YAMAHA YSP Racing Team | YZF-R1 | 1位 |
2014年 | JSB1000 | YAMAHA YSP Racing Team | YZF-R1 | 1位 |
2015年 | JSB1000 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 1位 |
2016年 | JSB1000 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 1位 |
2017年 | JSB1000 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 6位 |
MotoGP™
シーズン | 出場レース | マシン | チーム | 順位 | シリーズランキング (獲得ポイント) |
---|---|---|---|---|---|
2002年 | GP250 | TZ250 | TEAM NAKASUGA | 12位 | 31位(4ポイント) |
2003年 | GP250 | TZ250 | SP忠男 RACING TEAM | リタイヤ | – |
2004年 | GP250 | TZ250 | SP忠男 RACING TEAM | 20位 | – |
2011年 | MotoGP | YZR-M1 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 6位 | 18位(10ポイント) |
2012年 | MotoGP | YZR-M1 | YAMAHA YSP RACING TEAM | 9位 | 18位(27ポイント) |
YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 2位 | ||||
2013年 | MotoGP | YZR-M1 | YAMAHA YSP RACING TEAM | 11位 | 22位(5ポイント) |
2014年 | MotoGP | YZR-M1 | YAMALUBE RACING TEAM with YSP | 12位 | 26位(4ポイント) |
2015年 | MotoGP | YZR-M1 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 8位 | 23位(8ポイント) |
2016年 | MotoGP | YZR-M1 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 11位 | 23位(5ポイント) |
2017年 | MotoGP | YZR-M1 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 12位 | 26位(4ポイント) |
鈴鹿8時間耐久レース
シーズン | マシン | ペアライダー | チーム | 順位 |
---|---|---|---|---|
2015年 | YZF-R1 | ポル・エスパルガロ ブラッドリー・スミス |
YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 1位 |
2016年 | YZF-R1 | ポル・エスパルガロ アレックス・ロウズ |
YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 1位 |
2017年 | YZF-R1 | アレックス・ロウズ マイケル・ファン・デル・マーク |
YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 1位 |
プライべーターからワークスへ!これまでの活動内容
中須賀克行選手は幼少期からポケットバイクに乗っていましたが、本格的にレース活動を開始したのは大学在学中から。
19歳の時に西日本で行われたMFJサウスエリアGP250でランキング2位となり、20歳から全日本にフル参戦します。
所属チームをRC甲子園、MOTOREX DAYTONAと変えながらも勝てないレースが続いていましたが、2002年から中須賀選手自ら「TEAM NAKASUGA」を結成し、父親と全日本ロードレース選手権を転戦します。
そしてこのシーズンにGP250シリーズランキング5位と好成績を残し、翌年、元MotoGPライダーである中野真矢氏や原田哲也氏を輩出したSP忠男レーシングに入加入。
2005年から、JSB1000クラスへステップアップしたのです。
そして、翌2006年からヤマハ直系のレーシングチームへ移籍し、2008年に念願のシリーズチャンピオンを獲得。
さらに、全日本以外でMotoGP™や鈴鹿8耐にも参戦し、ヤマハのエースライダーとして多くの勝利を勝ち取っていきました。
中須賀選手ならではのストイックなトレーニング
中須賀選手の住まいの近くには小高い山があり、そこでの登山とランニングをトレーニングに取り入れているそうです。
ランニングではレースタイムを想定して、レース後半にあたる時間帯に合わせ心拍数を上げ、多くの負荷に耐えられる持久力と精神力を鍛えています。
また、中須賀選手は2010年3月8日に鈴鹿サーキットの合同テストでクラッシュし、右肩じん帯を断裂する大怪我をしたことがありました。
その時からゴムチューブを用いたトレーニングでインナーマッスルを鍛え、筋肉を強化することで怪我を補い、クラッシュした時の怪我を抑えられるようにしているという話も。
そしてオフシーズンは、モトクロスで体力アップとバランス感覚を鍛えるトレーニングを取り入れており、年々ハイパワー化するにマシンに対応できるよう、トレーニングを怠ることはありません。
綺麗な奥様は元サーキットクイーン
中須賀さんの奥さんが可愛すぎて
全てのアイドルを越えた pic.twitter.com/jd7ceOuNd8— 92🇯🇵 (@92HEROS) 2017年10月6日
中須賀選手は2009年に結婚しており、奥様は鈴鹿サーキットクイーン29期生を務めた山本佳世子(やまもとかよこ)さんです。
おふたりの間には現在、二人の息子がおり、上のツイッター画像が佳世子さんと長男です。
中須賀選手が表彰台に上がる際は息子さん二人と一緒に立つことも!
まとめ
中須賀選手は全日本でのヤマハのエースライダーである傍らで、MotoGマシン・ヤマハYZR-M1の開発テストライダーも担っています。
2018年1月下旬にマレーシア・セパンサーキットで行われたMotoGP™公式テストでも64周を走り切り、空力効果を狙った新しいカウリングのYZR-M1の開発を進めました。
YZF-R1でのレースやYZR-M1のテストを行うなど、今ではヤマハになくてはならないライダー!
2017年の全日本ではシーズン6位という残念な結果で終わりましたが、2018年のチャンピオン奪回!そして鈴鹿8耐の4連覇はあるのでしょうか。
今年も中須賀選手から目が離せません。
あわせて読みたい
[amazonjs asin=”B002U4GKLC” locale=”JP” title=”全日本ロードレース2009 第7戦 鈴鹿 MFJ-GP DVD”]
Motorzではメールマガジンを始めました!
編集部の裏話が聞けたり、月に一度は抽選でプレゼントがもらえるかも!?
気になった方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みいただくか、以下のフォームからご登録をお願いします!