2014年:濃霧で予選日キャンセル!決勝も雨に振り回されるレースに

Photo by Tomohiro Yoshita

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この年のSUGOラウンドは、「魔物」と「天気」がタッグを組み、さらに混乱を極めた。

予選日は朝から悪天候になり、予選開始時刻が迫るにつれて霧が濃くなっていった。

当初14時から始まるはずだったセッションは天候回復を待ってずれ込んで行ったが、結局15時過ぎにセッションキャンセルが発表。翌日の朝に順延される事となった。

また、この時にメインストレートの電光掲示板に、サーキット側が天候回復を願い、「May it clear up(晴れますように!)」というメッセージつきのテルテル坊主が登場し、話題になった。

また決勝レースも、直前まで雨は止んでいたがスタートと同時雨が降り始めるなど、めまぐるしく天候が変わり、各チームがタイヤ選択に振り回されるなど、大混乱の週末となった。

 

2015年:これぞ前代未聞!ピット出口での大渋滞!

Illust by Yamato

記憶にも新しい2015年のSUGO戦。27周目のバックストレートでDENSO KOBELCO SARD RC Fがクラッシュ。これによりセーフティカーが導入された。

ちょうどこのタイミングでレース開始から3分の1を経過するため、各陣営ともピットレーンオープンと同時にドライバー交替を済ませる作戦に変更。の結果31周終わりでGT500・GT300合わせてほぼ全車がピットへ向かうことに。

SUPER GT開催コースの中でも特にピットロードが狭いのが特徴のSUGO。案の定、そこで波乱が起きた。

隊列の後ろはピット入口で渋滞が起き、さらにピットアウト時も出口付近の車両がスムーズに出ることができず、後続も渋滞。超大混乱のピット作業となった。

この一件がきっかけとなり、今年からセーフティカー中のピット作業は禁止とルール変更がなされた。

この年は、変則的に9月に開催されたSUGOラウンド。ちょうどシルバーウィーク期間中のレース開催だったため、「シルバーウィークの渋滞がサーキットでも…」とネット上で揶揄され、話題となった。

 

SUGOの魔物は、時に名勝負も演出!

Photo by Tomohiro Yoshita

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しかし、SUGOの魔物は「混乱」だけではなく、時には多くのファンに語り継がれている名勝負も生まれている。

2003年にはウッドワン・トムス・スープラ(エリック・コマス)とエッソウルトラフロー・スープラ(脇阪寿一)による一騎打ち対決。手に汗握るバトルは最終ラップへ。

そして最終コーナーでの一瞬の隙を突いた脇坂がコマスのインに飛び込みオーバーテイク。チェッカーまで数100mというところでトップが入れ替わるという劇的なレースとなった。

2007年には雨も絡む大混乱のレースの中、トップを走る宝山トムスSC430にTAKATA童夢NSX、ARTA NSXが並びかけ、なんと3ワイドの攻防戦を展開。

3台が横一線に並んで1コーナーに飛び込んでいく姿は、今でも多くのファンに語り継がれている。

また前述でも紹介した2010年は思わぬハプニングでMOTUL AUTECH GT-Rが後退して以降、ウイダーHSV-010(小暮卓史)とケーヒンHSV-010(塚越広大)のバトルになった。

これも最終ラップまで接近戦が続き、最終コーナーを立ち上がったところでアウト側に並び、並んでチェッカーフラッグ。わずか0.025秒差で塚越が逆転優勝を飾った。

 

まとめ

SUGOまもの

毎年、平穏な展開で終わらないSUGOラウンド。正直、ここにも紹介しきれなかったほど数々のハプニングが、ここSUGOで起こっているのだ。

おそらく、今年も間違いなくシーズンのハイライトとなるレースになるだろう。

今年はいったいどんなドラマが待っているのか?81周の決勝レース、最初から最後まで見逃すことができない。

ちなみに…

今回記事を執筆している最中に、ふと思った疑問。それは…

「“SUGOの魔物”はサーキットのどの辺にいるのか?」

過去あったハプニング等をまとめると、比較的最終コーナーに集中しているというデータが上がってきた。

もちろん、一概にこれとは言えないが、例年の流れを見ていると、魔物は最終コーナー方面に潜んでいる可能性も…あるのかもしれない。