アイルトン・セナやナイジェル・マンセルらと並んで、1980年代から1990年代前半のF1を大いに盛り上げてくれたドライバーの1人、アラン・プロスト。その無駄のないドライビングスタイルから、「プロフェッサー」という異名を持つプロストは、チーム内におけるセッティングやマシン開発においても貢献しました。今回は、そんな名ドライバー、アラン・プロストが駆ったマシンを紹介します。
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マクラーレン・M29/M30
1980年、プロストはマクラーレンからF1デビュー。
デビュー戦で予選12位からジャンプアップしての6位入賞を果たすなど、活躍を見せます。
しかし、この時期のマクラーレンはマシンの信頼性に欠け、プロストは複数回の事故を経験するも、1980年の第11戦オランダGPからM30が投入され、オランダGPで6位入賞、イタリアGPで7位という戦績を残します。
ルノー・RE20B/RE30
1981年、地元フランスのオファーを受けたプロストは、ルノーへ移籍します。
そして、グラウンドエフェクトカーとして設計されたRE20を駆り、プロストは第3戦アルゼンチンGPにて3位となり、自身初の表彰台を獲得しました。
RE30は1981年の第6戦から導入されたRE20Bの後継車ですが、カーボンファイバーをアルミハニカムで挟み込んだモノコック構造のシャシー等、ほとんどの部分が新設計されており、この年はルノーのコンストラクターズランキングは3位、プロストのドライバーズランキングは5位という結果でした。
ルノー・RE30B
1982年シーズンを戦った、RE30の後継車です。
16戦中10回のポールポジション、6回のフロントローを獲得するなど、予選での速さは光りましたが、信頼性に欠けており、プロストは複数回のリタイアも喫します。
そして、ドライバーズランキングは4位という結果に終わりました。
ルノー・RE40
1982年12月にグラウンドエフェクトカーが禁止され、新たに「フラットボトム規定」に則って制作されたマシンです。
失われたダウンフォースを補うために大型化された前後のウイングが外観上の特徴となっています。
1983年のプロストは、コンスタントに入賞しポイントを重ねるも、ネルソン・ピケに敗れ、ランキングは2位という結果に終わります。
マクラーレン・MP4/2(4/2B・4/2C)
1984年、プロストは古巣であるマクラーレンへ移籍することに。
1984年シーズンはベテラン、ニキ・ラウダがチームメイトとなり、一進一退の接戦を繰り広げますが、最終戦ポルトガルGPにて、0.5ポイント差という史上最小得点差でチャンピオンを逃します。
しかしその後、1985年には念願のタイトルを獲得。
翌年1986年もチームメイトのナイジェル・マンセルとの接戦を制し2年連続王座を飾りました。
F1グランプリにおいて、2年連続王座に輝いたのは、1959年と1960年のジャック・ブラバム以来26年ぶりの快挙でした。
マクラーレン・MP4/3
1987年シーズンの開幕戦から最終戦まで使用されたマシンで、当時のマクラーレンはTAGのバッジネームを付けたポルシェ製の1500ccターボエンジンを搭載していました。
プロストは通算3勝を挙げるも、ドライバーズランキングは4位という結果でした。
マクラーレン・MP4/4
エンジンがホンダ製に変更され、チームメイトにアイルトン・セナが加入。
「セナプロ」時代に突入します。
2人は激戦を繰り広げ、1988年シーズン、セナがタイトルを獲得することとなりました。
マクラーレン・MP4/5
1989年シーズンはターボエンジンが禁止され、全チームが自然吸気エンジンとなった最初の年でした。
着実に完走して入賞を重ねていくスタイルで、プロストは自身3度目のタイトルを獲得します。
フェラーリ・641・641/2
マクラーレンにおけるセナとの関係が修復不可能になったプロストは、フェラーリへ移籍することを決めます。
そして1990年、フェラーリ641はセナが駆るMP4/5Bの好敵手となって大接戦を繰り広げるも、最終的にはセナが優勝。
プロストは、2位に留まります。
フェラーリ・642・643
1991年シーズン、フェラーリは前年のマシン641/2をレギュレーション改訂に合わせて642として投入。
第7戦フランスGPからは改良型の643を投入するも、戦績は振るいませんでした。
ウィリアムズ・FW15C
アクティブサスペンションを搭載した、前年のFW14Bの進化型です。
プロストはこのマシンで自身4度目のドライバーズタイトルを獲得したのち、引退を表明します。
まとめ
スムーズな加減速と着実にポイントを重ねるクレバーなレース戦略を武器に、4度のタイトルを獲得した名ドライバー、アラン・プロスト。
現代のF1と比較すると、80~90年代はマシンもドライバーも個性にあふれていたいたことがわかります。
2020年には大きくレギュレーションが変化するとも噂されているF1ですが、これに合わせて「セナプロ」時代の様なドッグファイトを見れる時代の再来を期待してしまいます。
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