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ランサーエボリューション、通称ランエボといえば三菱自動車を代表する四輪駆動のスポーツカーです。そんなランサーエボリューションを象徴する駆動システムとして有名なのが、AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)です。

Photo By Mathew Bedworth
旋回スピードを上げることを目的としたヨーコントロールシステム
旋回速度を上げることを目的としたヨーコントロールシステム。それが、AYCです。
ヨーコントロールは、旋回中のヨーイングを制御することで、コーナーリングに適した車体の姿勢を作り出し、旋回速度の向上を狙っています。
AYCが影響を与えるのは、フロントではなくリアアクスル。
つまりAYCは、後輪を用いたヨーコントロールシステムと言っても良いでしょう。
コーナー外側のタイヤを内側のタイヤよりも早く回転させることで、積極的にヨーモーメントの変化を生み出し、コーナーリング速度を高める、というものです。
そんなAYCを搭載する市販車として最初に登場したのが、1996年に販売されたランサーエボリューションIVです。
その後、ランサーエボリューションVIIIが販売された際には、AYCをより進化させたS-AYC(スーパーAYC)が搭載されました。

出典:http://www.mitsubishi-motors.co.jp/motorsports/99wrc_e/sanremo/photolibrary.html
なお、三菱自動車といえばWRC(世界ラリー選手権)のイメージですが、AYCはワールドラリーカーには採用されていません。
言わば三菱自動車の市販車向け、オリジナルのシステムというわけです。
AYCがどのように機能しているのか

出典:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/innovation/technology/library/ayc.html?intcid2=innovation-technology-library-ayc
端的に説明すると、走行中のハンドル角、アクセル開度、車速、前後G、横Gを感知するセンサーを用いて車体姿勢を検知。
それから後輪の左右タイヤの駆動移動が行われ、コーナーを抜けるために理想的な姿勢に持っていこうとする。これが、AYCが作動するまでの大まかなプロセスです。
では、システムが姿勢を検知した後、どのようにトルク移動が行われるのでしょうか。
端的に説明すると、ギアやクラッチならびに油圧システムがアクスルに取り付けられていて、コーナーに合わせて(つまり右コーナーか左コーナーか)油圧システムが適切なクラッチとギアを選択。
その選択されたギアによって、左右後輪の間でトルクの移動が発生するという形になっています。
まとめ

Photo by Steve Hirst
三菱独自の駆動システムとして一時代を築き上げたAYC、現在はS-AYCと呼ばれる新たなシステムとして再登場。
走りにこだわる三菱らしさは、今でも生きています。
AYCの機構を勉強してみると意外な発見もあるので、興味のある方は是非、S-AYCと合わせて学んでみることをオススメします。
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