あると便利な小型限定普通二輪免許。昨年から、AT限定の小型限定普通二輪免許(以下:AT小型二輪免許)が最短2日で取得可能になりました。バイクの免許を持っていないかたでも、この免許と125ccクラスのバイクを持っていれば、とても便利な移動ツールになります。

© Yamaha Motor Co., Ltd.

2日間でAT小型限定普通二輪免許取得が可能に

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あまり知られていませんが、普通自動車免許を取得している方であれば、AT限定の小型二輪免許の取得が、最短2日間で可能になりました。

取得までに受けなければならない講習数は従来と変わりませんが、1日に受けられる技能講習の時間数が増えたことで、2日間に集中して講義を受けることが可能となったのです。

もちろん、数日間に分けて取得する方法もあるため、2日間というのはひとつの目安と考えればよいでしょう。

これは平成30年7月11日に施行された道路交通法施行規則の改正により実現され、週末だけ教習所に通っても免許を取得可能となりました。

この免許さえ持っておけば、125ccまでのバイクに乗ることができ、高速道路に乗れなくても、二段階右折や時速30キロ制限からも解放。

二人乗りだってできます!

AT限定・小型限定普通二輪免許とは

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%9E%8B%E8%87%AA%E5%8B%95%E4%BA%8C%E8%BC%AA%E8%BB%8A

小型二輪車は、排気量51cc以上125cc以下、または出力0.6~1kW以下のバイクで、道路運送車両法では『第二種原動機付自転車』と記載されており、一般的には略称で『原付二種』とも呼ばれています。

また、AT限定小型二輪免許は、クラッチ操作のいらない小型二輪車までを運転可能な免許です。

ちなみに、サイドカーが付いているバイクは『側車付二輪自動車』として扱われ、こちらも二輪車免許で運転が可能となるため、サイドカーがついている125cc以下のAT小型二輪車も運転することができます。

原動機付自転車と小型二輪車でルールの違い

原動機付自転車 小型自動二輪車(第二種原動機付自転車)
二段階右折 道路条件により義務 禁止
法定最高速度 30km/h 60km/h
通則通行帯 大一通行帯 速度に応じ最右通行帯以外の通行帯
バス専用レーン 通則通行(対象外) 通行不可
バス優先レーン 通則通行(対象外) 対象
二人乗り 不可
最大積載量 30kg 60kg
『小二輪』の道路標識等 対象 対象
高速道路・自動車専用道路 通行不可 通行不可

小型二輪車のメリット

小型二輪車は、税金がとても安いです。

年間の課税額は、『51cc以上90cc以下または600W超800W以下(種類:乙)』で2,000円、『90cc以上125cc以下または800W超1,000W以下(種類:乙)』で2,400円。

自賠責保険は、12ヶ月で7,500円、24ヶ月で9,950円、さらに任意保険も30歳以上で1~2万円、ファミリーバイク特約を利用すればさらに安くなり、燃費もスクーターでリッターあたり50kmほど走るものがほとんどなので、非常に経済的な乗り物です。

そのため、高速道路が走行不可であることを除けば、自動二輪車と同じ速度帯で走行でき、目的地までスムーズに移動できてしまいます。

小型二輪車のデメリット

小型二輪車のデメリットは、車体が軽いため路面の凹凸上では車体が安定しないこと。

また車体が小さいので、ミラーの死界に入りやすく自動車に乗っているドライバーから認識されにくい事が挙げられます。

免許取得までの最短スケジュールは

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普通自動車免許取得者がAT小型二輪車取得する場合、技能教習8時限と学科講習1時限の受講が必要です。

技能講習は第1段階で3時限、第2段階で5時限なのですが、従来は1日あたりに受けられる技能講習が第1段階で2時限、第2段階で3時限までとされており、教習修了に最短で3日かかっていました。

法改正後は、技能教習時間の上限等が見直され、1日あたり第1段階で3時限まで、第2段階で4時限までになり、これにより最短2日で修了可能となったのです。

最短で修了するスケジュール

1日目
第1段階 クルマの取り扱い等
車両特性(シュミレーター可)
休憩時間
第1段階 みきわめ
第2段階 シュミレーター

2日目
第2段階 通行区分等
シュミレーター
学科
休憩時間
第2段階 交通の状況に応じた運転等
みきわめ

AT限定・小型限定普通二輪免許取得までの費用は

出典:写真AC

普通自動車免許取得者が、AT小型二輪免許を取得するのにかかる金額は、地域や教習所によって異なりますが、6~10万円が相場です。

MTを取得するのであれば、AT限定からプラス約1万円で済みますが、最短2日間で取得できる優遇措置はAT限定のみであるため、MTになれば取得まで数日間かかります。

また、AT小型二輪免許からAT限定普通自動二輪免許への限定解除は最短5時限、MT運転可能な普通二輪免許への限定解除は最短8時限の技能講習を受けることで修了可能。

普通自動二輪免許への限定解除は、約5~6万円程度で受講可能なため、普通自動二輪免許へステップする前に、AT小型二輪免許を取得して、バイクの運転に慣れておくという選択肢も良いでしょう。

まとめ

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バイクの楽しみ方は人それぞれ。

移動のために割り切ったとしても経済的でスマートに移動でき、普通二輪免許や大型二輪免許を取得するステップとしても、バイクを楽しむ入口になります。

小型二輪車はスクーターでも、そこそこスピードが出るため、自分の意のままに操れてクルマの運転にはない開放感が感じられるので、きっと楽しめると思います。

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