日産 ジュークの販売終了と入れ替わりで、キックスが発売されました。日産伝家の宝刀e-POWERを搭載し、なおかつノートe-POWERより加速の爽快感や燃費性能が高められた期待のモデル。ライバルの多いコンパクトSUVクラスに新型キックスが登場したことで、市場争いはさらに激化しそうです。

© Nissan 2020

日産初のe-POWER専用モデル!新型キックス発売

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日産 新型キックスは、発売後1カ月で受注1万台超と好調なすべりだしを見せ、今、契約しても納車は今年12月あるいは、2021年1月までずれ込む可能性もあるといいます。

納期が遅れている理由は、キックスがタイ工場の生産であることも影響していますが、発売直後からこれほどのオーダーをかかえたモデルは、日産として稀でもあります。

これほどキックスが注目される理由は、いったいどこにあるのでしょうか。

日産・キックスとは

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新型キックス(Kicks)は、日産が生産するコンパクトSUVで、エンジンでバッテリーを充電し、モーターで駆動させるシリーズ方式ハイブリッドシステム『e-POWER』を搭載しています。

キックスは海外で、2016年から販売されており、1.5リッターHR15DE型エンジンおよび1.6リッターのHR16DE型エンジンを搭載するガソリン車でした。

また、国内販売においては2008年から三菱 パジェロミニのOEM供給を受け、日産ブランドからキックスを販売していましたが、こちらの英語表記は『KIX』で、今回のモデルとは異なります。


日産・キックス 北米仕様 / © Nissan 2020


日産・KIX(キックス) / © Nissan 2020


日産・ジューク / 出典:http://www2.nissan.co.jp/

日産は2010年からコンパクトSUV ジュークを販売し、デザイン性の高さで支持され、約10年間フルモデルチェンジすることなく販売し続けました。

そんなジュークの国内販売終了に伴い、後継モデルとして、キックスが登場。

国内仕様のキックスは、国内市場オリジナルモデルということで、外装や内装は海外仕様とは異なり、日産初のe-POWER専用車です。

エモーショナルな外装デザイン

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外装デザインは、日産のデザインアイコンである『ダブルVモーショングリル』や、車体と屋根をつなぐ柱部分を黒くした『フローティングルーフ』を採用。

エモーショナルなスタイリッシュさが、表現されています。

フロントアンダープロテクターやサイドシルプロテクター、リアアンダープロテクターなどは、黒を基調とした『ブラックスタイル』と黒とシルバーを組み合わせた『シルバースタイルから』から選択可能。

タイヤは205/55R17に17インチ×6.5Jのアルミホイールが標準装備され、ディーラーオプションでグレーメタリックの5本ツインスポークアルミホイールが選択できます。

ジュークに比べ後部座席が格段に広くなった内装

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内装はジュークよりも大幅に広くなっており、特に後部は広々とした居住スペースを実現しています。

室内長×室内幅×室内高は、ジュークが1,835×1,470×1,215mmに対し、キックスは1,920×1,420×1,250mm。

ホイールベースがジューク比で、90mm延長したことで数値上でも広い室内を可能としました。

後部座席に座ったときに乗員のヒザあたりに余裕をもたせ、天井までのスペースも十分確保されているため、大柄な人でも窮屈感のない空間を実現しています。


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ラゲッジスペースは423Lの容量が確保され、Mサイズのスーツケース(675×452×250mm)を4個積載可能。

ラゲッジスペースを広げるために後部座席を倒す場合は、可鍛式レバーを操作するだけで簡単に倒すことが出来ます。

フロントシートは、人間工学に基づき設計された快適な座り心地で、疲労軽減効果のある『ゼログラビティシート』を採用。

ドアサイドパネルやインパネ、センターコンソールにいたるまで、レザー素材が使用され、ステッチの質感にまでこだわっています。

スムーズな加速と操作性アップしたe-POWERユニット

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搭載されるe-POWERはノートe-POWERのものに比べ、20%ほどパワフルになり、中間加速の滑らかさと力強さをアピールしています。

従来は充電状況に応じてエンジンを動かしていましたが、周辺の温度、路面環境、ペダルの踏み方などのデータを解析し、細かく制御する手法に改められています。

そのため、低速域におけるエンジン作動頻度をさげ、加速時や高速域など、ドライバーの操作や走行状態とエンジン回転数をある程度同期。

エンジンの作動頻度を下げ、モーターのみでの走行領域を拡大させたことで、時速80km以下だとほぼエンジンを駆動させないため、通常走行時には、エンジン音や振動が極限まで抑えられています。

アクセルペダルだけで加速・減速を操作可能なワンペダルドライブでは、ノートe-POWERよりもアクセルのオンオフでのギクシャク感を抑え、操作性も向上しました。

日産の誇る安全技術すべてが標準装備

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安全面においては、ブレーキを作動させ、衝突回避をアシストする『インテリジェント エマージェンシーブレーキ』や高速道路で走行車線を維持し、自動で加減速・巡行する運転支援技術『プロパイロット』といったシステムを全車標準装備。

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事故を起こしてしまった際に自動通報、あおり運転や急病による緊急事態に手動通報が可能な『SOSコール』も全車標準装備され、ドライバーの負担軽減と高い次元での安全性能、緊急事態におけるサポートを充実させています。

日産・新型キックスのスペック・価格

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キックス
車両型式 ニッサンMT 6AA-P15
全長×全幅×全高(mm) 4,290×1,760×1,610
ホイールベース(mm) 2,620
車両重量(kg) 1,350
乗車定員(名) 5
最小回転半径(mm) 5.1
駆動方式 FF
発電用エンジン 型式 HR12DE
種類 直列3気筒DOHC
内径×行程(mm) 78.0×83.6
圧縮比 1,198
最高出力(kW[PS]/rpm) 60[85]/6,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 103[10.5]/3,600~5,200
使用燃料 レギュラー
モーター 型式 EM57
種類 交流同期電動機
最高出力(kw[PS]/rpm) 95[129]/4,000~8,992
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 260[26.5]/500~3,008
動力用主電池 種類 リチウムイオン電池
燃費(km/L) WLTCモード 21.6
JC08モード 30.0
グレード 価格
X 275万9,900円
Xツートンインテリアエディション 286万9,900円

まとめ

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車体価格はコンパクトカーのノートe-POWERが205~272万円に対し、SUVのキックスは275~286万円。

CH-Rのハイブリッドが273~309万円、ヴェゼルハイブリッドが258~298万円なので、丁度相場に合った価格設定です。

e-POWER搭載車でこの金額を実現したのは、日産としては、かなり頑張った価格設定。

ハイブリッドSUVの購入を考えるなら、キックスという選択は大いにアリです。

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