1960年代から盛んになり始めたジムカーナ。競技の発祥は米軍基地とも言われていますが、日本独自の発展を遂げて今も競技が行われています。最も敷居が低くく、モータースポーツの入門として位置し、今もなお日本全国で練習会や競技会、そして全日本選手権が開かれています。
今回はそんなジムカーナについて4輪目線で紹介します。
ジムカーナって何?
先にも申しました通り、最も敷居が低いモータースポーツです。
と言いますのも、「安全な場所で安全に無茶が出来る」ので、クラッシュの心配がありません。
1回の走行あたり、45秒〜1分30秒と短いので、買ったクルマのそのままの状態でも余程のことがない限り壊れることもなく、気軽に楽しめるのが特徴です。
オートマティックトランスミッション(AT)車でも勿論走れますし、軽自動車でもスーパーカーでも走ることができます。
開催場所が独特で、スーパーマーケットやスキー場の駐車場で行われることもあり、意外と身近な場所でジムカーナが行われているかも??
過去のMotorz記事にもありますが、ジムカーナの競技について簡単にご紹介します。
パイロンジムカーナ
ざっくり言うと、「ショッピングモール級のだだっ広い駐車場みたいなところにコースを作って走る」です。
基本的にはスタートとゴールの場所を決め、その区間にパイロン(カラーコーン)を置いてどこを通るかを決めて、タイムを競います。
実際には富士スピードウェイや筑波サーキットなど、一面アスファルトだけのジムカーナコースや、宝台樹スキー場駐車場などの大きな駐車場で行われています。
ジムカーナの醍醐味でもあり、最も安全性の高いのがパイロンジムカーナであり、これからスポーツ走行をやってみたい!!
自分の車の限界を安全に知りたい!!という方にはもってこいです。
ちなみに競技会ではコースに配置されているパイロンにタッチするとペナルティがありますので、攻め過ぎ注意です。
コースジムカーナ
サーキットジムカーナとも呼ばれ、ざっくり言うと「普通のサーキットにパイロンを置いて、通常のサーキット+αを走る」です。
形式的にはパイロンジムカーナと変わらないので、サーキットをグルグル周回することはありません。
コースジムカーナですと、通常の正周りだけでなく逆周りもできますので、同じサーキットでも色々な走り方ができますので楽しみが増えます。
実際には愛知県にある美浜サーキットや幸田サーキット、埼玉県にある本庄サーキットなどのミニサーキットで行われることが多いです。
パイロンジムカーナに比べ、コースによって速度が依存するので、安全性で言えば低くなります。
ちなみに競技会ではコース脇のダートや芝生にタイヤが脱輪すると、パイロンタッチと同じくペナルティの対象になりますので注意してください。
どうすればジムカーナできるの?
サーキット走行やタイムアタック的な分野では走行会と言われますが、ジムカーナでは練習会と言われ、全国各地でジムカーナ練習会が開催されているので、それに参加することです。
費用は練習会ごとや地域ごとに違いますが、通常のサーキット走行会より相場は安い傾向です。
クルマは買ったそのままの状態でも大丈夫ですが、ドライバーの走り方によって当然負荷の掛かり方が違ってきますので、必要であれば最低限のものは交換しておきましょう(油脂類やブレーキパッドなど)。
パイロンジムカーナであれば、コース横のガードレールや土手にさえ気を付けて走ればクラッシュすることはまずありませんし、安全に走りを楽しむことができると思います。
なぜジムカーナは敷居が低いのか?
先にも述べましたように、「安全な場所で安全に無茶が出来る」からです。
一般公道は当然ご法度ですが、通常のサーキット走行では「決められたコース」を走らなければならないことと、他の参加者も一緒に走っているので、色々なことを試し難い部分があります。
その点ジムカーナは、基本的に1台ずつコースインして走行が終わったら次のクルマがコースインします。コース上には基本的に1台だけです(安全を確保した上で、2台コースインしていることがあります)ので、意図的にブレーキを強く踏んだり、わざとスピンしてみたり、と普段絶対にできないことを安全に繰り返し試せることが特徴です。
自分のクルマの挙動を勉強したり、正しい操作を身につける為にはうってつけなんです。
練習会の流れ
パイロンジムカーナとコースジムカーナの説明で、「パイロンを置いてコースを決めて走る」と述べましたが、走る前にコースを覚えなければいけません。
ここがジムカーナの面白いところで、コースを自由に設定できることで参加者はそのコースを覚えて走行する必要があります。
練習会に参加すると、当日朝に必ずコース図が配られ、走行前に「慣熟歩行」という時間が用意されており、参加者は配られたコース図をもとにコース上を歩いて覚えます。
練習会によっては、コースを設定する時もあれば、広いスペースだけ用意して定常円旋回やサイドターンの練習を自由にやっていいよ、としてくれる場合があります。
1日練習会をする時は、午前と午後でコースを変えたりするので、その都度コースを覚える必要があるので、コースを覚える練習にもなります。
練習の自由度も高いので、普段できないことを安全に思いっきり練習できるのが利点です。
競技会の流れ
JMRCと呼ばれるジムカーナ競技会の各地方戦を運営している団体があり、それに参加することが多いと思います。
当日朝にコース図が配られることと、安全確認のための車検があります。
その後慣熟歩行を行い、1本目の競技を開始します。
ジムカーナ競技会(全日本戦含む)の基本として、タイム計測は2本しか行われず、1本目終了後に2本目の競技に向けた慣熟歩行を行います。
そして2本目の計測を行い、1本目と2本目の良かった方のタイムが結果に反映されます。
もちろん、パイロンタッチや脱輪、ミスコースはペナルティの対象でタイム加算や失格になります。
少ない本数で良い結果を残す必要があるので、日頃の練習の成果や集中力が問われます。
まとめ
いかがだったでしょうか??
正直なところ、知ってる人は知ってるけど知名度が低いジムカーナ。
安全に運転を勉強するところから始まり、その頂点には全日本ジムカーナ選手権があります。
どんなに速いプロドライバーでも最初は基礎から学んでいますので、皆さんもモータースポーツの入門としてジムカーナの門を叩いてみてはいかがでしょうか??