クルマを廃車にする際、買取に出してもお金にもならないだろうと思い、解体業者へ持っていく方がほとんどだと思います。しかし実際のところ、廃車にするしかなさそうな車でも、海外で高く売れたりと、まだ価値がある可能性があるのです!!

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「廃車」にした車の行き先

出典:写真AC

一般的に、「事故に遭った車」や「古くなった車」は売れないと言われています。

そのため大多数の人がディーラーや買取店に車を持っていき、そこで「処分料が掛かります」とか、「無料で引き取りますよ」と言われて、「もうそれしかないか……」と思い、処分してしまう流れです。

しかしここで気にして欲しいのは、業者が引き取った車をどのよう処分しているかということ。

自社工場ででプレス機を使い、車を押しつぶしているのかというと、そうではありません。

彼らは引き取った車を別業者へ転売し、利益を得ているのです。

事故車を引き取った業者が車を転売するルート

出典:写真AC

ディーラーや買取店に引き取られた車は、次の2つのルートを辿ります。

・輸出業者へ渡り、そのまま海外へ転売される

・解体屋に引き取られ、くず鉄と部品に分けられて売られる

ディーラーや買取店は引き取った車の状態に応じ、これら2つの転売先の中から1つを選んで、車両を売り渡すのです。

そしてこのうち輸出業者の手に渡った車は海外へ送られ、現地で高値で取り引きされる事も!

一方の解体屋へ引き取られた車もまた、バラバラにされた後、鉄や中古部品として同じく海外へ輸出され、高い価格で売られるのです。

つまりどちらに転がっても、廃車は海外で高値で取引される対象になるという事。

そもそも「廃車」というのは、何も「鉄くずにした車」のことだけを指すのではなく、「登録を抹消した車」のことなので、何も価値がないわけではないのです。

事故車に価値が付く理由

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ではなぜ、事故車が海外だと高い値段で売られるのでしょうか。

理由は海外における日本車の需要の高さにあります。

日本国内における中古車の3分の1は海外へ輸出されており、2016年度の時点でその数は116万台に達しているほど。

それは国内の車検制度が世界一と言われるほど厳しく、夏場の渋滞に対応するために電子制御系統等が強化され、日本車が世界有数の「丈夫な車」となったからです。

しかも海外の人々の車に対する認識は、日本人とは大きくかけ離れており、国内では「10万km走ったら廃車だ」と言われる中で、海外では走行距離30万km、40万km越えの車両が当たり前のものとなっています。

そのため船で片道1000ドル以上掛けることになっても、海外の国々は日本車を輸入し、自国で販売しても利益を出すことができるのです。

とはいっても、10万kmを超えても当然のように乗用されるので、足まわりやエンジンに不具合が出てきてしまいます。

海外の人達はそうなった場合、自分で直すか、現地の職人に依頼して安く修理してもらい、日本車に乗り続けるのです。

そのため部品自体に非常に高い需要があるので、パーツが無事でありさえすれば、廃車同然の車でも関係ないのです。

もし部品が使い物にならなかったとしても、その時は車体を鉄資源に変えて再販できます。

これが海外で廃車同然の車に価値が付く理由です。

発展途上国で大人気の日本車

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9#/media/File:2003-2004_Toyota_Corolla_(ZZE122R)_Conquest_sedan_01.jpg

海外へ輸出された日本車は、特に発展途上国で絶大な人気があります。

アフリカのタンザニアという国ではトヨタのカローラがタクシーとして使われており、そのほとんどがかつて「廃車」として引き取られたものです。

例えば15年落ちで17万km越えの事故車だったカローラには、業者間の取引で10万円の値段がつき、動かないほどボロボロだったとしても解体され、部品単位で取引されます。

ちなみにカローラはタンザニアでは、「交換部品の豊富な車」「燃費がよくてエンジンの壊れにくい車」として認識されており、走行距離が30万kmを超えていても普通に修理され、乗り続けられているのです。

また同じくアフリカのエチオピアでは、走行距離30万kmを越えたボロボロのハイエースが300万円で取引されており、修理しながら乗れば「100万kmは走れる」丈夫な車として、高い信頼を寄せられています。

何故輸出業者や解体屋に「廃車」を売らないのか

出典:写真AC

こうやって見ていくと、1つの疑問が浮かびます。

「何故買取業者やディーラーに引き渡してしまうのか」と。

その理由は「知らないから」です。

一般の人でも「廃車」同然の車を輸出業者や解体屋に持っていけば、高値で買ってもらえる可能性があるのですが、車を引き渡す先を買取店かディーラーしかないと思いこんでしまい、結果的に数万円損をすることに。

ではどんな車であれば輸出業者に持っていき、どの状態の車両であれば解体屋に売れば良いかを見ていきましょう。

輸出業者に売ったほうが良い車

出典:https://ja.wikipedia.org/

海外で人気の車であれば、解体屋よりも輸出業者に持っていったほうが高く売れます。

それらには、以下のような車が該当します。

  • 排気量2000cc以下のトヨタ車全般
  • トヨタのワンボックス
  • オフロード系の四駆
  • ハイエースバン、その他マニュアルの商用系バン
  • 2トン以下の平ボディーのトラック、ダンプ
  • マイクロバス
  • スポーツカー(マニュアルが特に人気)
  • 左ハンドルの車
  • ディーゼルの車
  • 2000ccクラスのベンツ、BMW(セダン)
  • 7年落ちの車(輸入大国ケニアの輸入規制のため)

解体屋に持っていったほうが良い車

解体業者では車の状態に関係なく、排気量で値段を決めています。

そのため海外の人気を考慮せずに一律の値段が付けられてしまうので、基本的には「まともに走れそうにないほどボロボロの車」を売ると良いでしょう。

まとめ

「廃車」になった車は海外で高い人気を誇っており、パーツ単位でも高値で取引されています。

つまり、日本国内で走っている車には「お金にならない車」など全く存在せず、「廃車」同然になったとしても誰かの手に渡り、そこで何らかの役割りを果たせるということです。

愛車を「もう廃車にするしかない」と思っている方は、一度輸出業者や解体屋をあたってみませんか?

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