7月末に鈴鹿サーキットで行われるバイクレースの祭典「コカ・コーラ 鈴鹿8時間耐久ロードレース」。今年で40回目を迎える伝統あるレースですが、そこで半分以上の勝利を手にしたのがホンダでした。今回は数ある優勝バイクの中から、特に印象に残っているものを5台、ご紹介したいと思います。

©︎鈴鹿サーキット

岡田忠之が8耐初制覇!世界への扉を開く(1995年)

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4ストロークV型4気筒エンジンを搭載したホンダの人気シリーズ「RVF」。

鈴鹿8耐をはじめスーパーバイクレースでの活躍を意識して1994年に発売されたのが、RVF/RC45です。早速、1994年の鈴鹿8耐ではダグ・ポーレン/アーロン・スライト組が優勝。高いパフォーマンスを発揮しました。

翌1995年は、岡田忠之がスライトと組んで参戦。前年はカワサキと0.288秒差でチェッカーを受ける大接戦でしたが、今回は序盤から同じチームの伊藤真一/辻本聡組との一騎打ちに。最終的に岡田組が47秒のリードを築いてトップチェッカーを受けました。

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スライトは見事8耐3連覇の偉業を成し遂げ、岡田は念願の初勝利。ここでの活躍がきっかけとなり翌年からWGP500ccクラスへステップアップしました。

当時から、鈴鹿8耐での功績を足がかりに、世界への扉を開いていくライダーが多く、この年は岡田がRVF/RC45とともに、その切符を掴むことになりました。

 

伊藤真一/宇川徹組が念願の8耐初制覇!(1997年)

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記念すべき20回記念大会でしたが、台風に接近による雨の影響で、気温24度と異例のコンディションでのレースとなりました。

その中で強さを見せたのが、伊藤真一/宇川徹組。雨の中、確実な走りで周回を重ねていきトップを死守。1982年以来となる日本人ペアでの優勝となりました。

伊藤は、これまで何度も優勝争いに絡んで来ましたが、肝心なところで不運に見舞われ、悔し涙を流してきましたが、この年は完璧に近いレース運びで念願の初勝利をゲット。

後に最多となる5勝という大記録を打ち立てる宇川も、この1997年の勝利が全ての一歩目でした。

 

RVF45C/RC45ラストイヤーで岡田/バロス組が有終の美を飾る

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1998年も連覇した伊藤/宇川組がポールポジションを獲得。そのまま初の同一コンビ3連覇になるかと思われましたが、13周目にまさかのクラッシュ。優勝争いから脱落してしまいます。

その後も、突然雨が降ってくるなど波乱続きとなりましたが、一番冷静に、着実に走った岡田/アレックス・バロス組が優勝。2位にスライト/コーリン・エドワース組が入り、ホンダがワンツー・フィニッシュ。RVF/RC45のラストイヤーで有終の美を飾りました。

終わってみれば6回中5勝を挙げる大活躍で、まさにライバルに恐れられる1台だったのです。

 

ニューマシンでも強さは変わらず!新旧エースコンビが優勝

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この年から、ホンダはV型2気筒1000ccエンジンを搭載するVTR1000SPWを参戦車両として導入。予選から好タイムをマークし、順調な仕上がりを見せました。

注目の決勝では序盤からヤマハ、カワサキとの三つ巴のバトルを展開となりましたが、相次ぐライバルの転倒・脱落という幸運もあり、最後は宇川/加藤大治郎組が全車を周回遅れにしてトップチェッカー。当時の新記録となる215周を走りきりました。

結局、VTR1000SPWの快進撃は続いていき、参戦した4回全てで優勝を飾りました。

 

セブンスターカラーのマシンが大活躍、CBRシリーズ初勝利を飾る

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ホンダは2004年から、直列4気筒エンジンを積むCBR1000RRWでの参戦を開始。大きくキャラクターが異なるマシン。さらに過酷な鈴鹿8耐という舞台への初挑戦となった年ですが、彼らの勢いあまったく衰えませんでした。

予選ではホンダ勢がトップ3を独占。決勝でもスタートから宇川/井筒組がトップに経つと、序盤からペースを上げて後続をリード。もう1台のRRWは不運なアクシデントでリタイアを余儀なくされますが、宇川組は最後まで安定したペースで走り、見事新マシン導入初年度で優勝。ホンダの鈴鹿8耐連勝記録を「8」に伸ばしました。

この後も、ホンダの快進撃は続き、1997年から2006年まで前人未到の10連覇を39回中27回の優勝記録を誇っています。

 

かつての8耐マシンが鈴鹿ファン感謝デーに集結!デモランも実施予定!

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ここまで読んでいただいた方の中には「なんで、この5台なんだ!」「もっと名勝負をみせてくれたバイクもたくさんあるだろ!」と思っていらっしゃるかもしれません。

実は、この5台。3月4・5日に鈴鹿サーキットで行われるモータースポーツファン感謝デーに登場するんです!

しかも、5台全てが走行可能な状態で保存されており、当日はデモンストレーションランも行われる予定。今ではなかなか聞けないV型エンジンのサウンドや、ホンダの2ストロークサウンドを実際に堪能できる数少ないチャンスなのです。

公式ホームページにある特別招待券をダウンロード・提示すれば、入場は無料!

レースファンのみならずとも、見逃すことができない2日間になっています。

鈴鹿モータースポーツファン感謝デー 公式ページ

 

まとめ

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今年はマシンを一新し、新型のCBR1000RRを鈴鹿8耐に導入する予定。現在はヤマハ一強状態になっており、勝利から遠ざかっているホンダですが、新マシンを手に再び力強い走りを期待したいですね。

40回記念となる鈴鹿8耐は7月27~30日に開催されます!

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