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バネ下1kgの軽量化はバネ上10kgの軽量化?気になる効果を車種や用途別に考察する。

「バネ下重量1kgの軽量化は、バネ上10kgの軽減に相当する」などと言われますが、実際のところ、具体的にどのような車で、どのような走りをすると、どのような効果が感じられるのか?簡単にですがご紹介します。

出典:http://toyota.jp/

 

バネ下ってなに?

 

出典:http://www.honda.co.jp/

 

簡単に「バネ下」がどこかという話をしますと、自動車といえばほとんどの場合車と地面の間…より具体的にはタイヤと車体の間にサスペンションを持ち、そこにはコイル(らせん)状、または板バネ式のスプリングとショックアブソーバーが装備されています。

スプリングの装着方式はショックアブソーバーと同軸だったり別体だったり、これも「バネ下」の解釈に影響しますが、一旦棚上げするとして。

このコイルスプリングなり板バネなりのバネから下に装着された部品が「バネ下」で、その重量を「バネ下重量」と呼びます。

ド・ディオンアクスルなど「バネ下」に見えても、ボディ(シャシー)側に装着されているためバネ下重量に含まれないパーツもありますが、細かい説明は省略します。

 

バネ下の部品は具体的にどれ?

 

出典:http://toyota.jp/

 

「バネ下」でどんな車でも共通なのは、おおむね以下の部品になります。

なお、一部の特殊な試作・少量生産EV(電気自動車)のインホイールモーターなども含みますが、一般的なものでは無いので今回は除外します。

 

・タイヤ

・ホイール

・ホイールと固定するホイールハブ

・ホイールハブ(ハブナックル)にホイールをとめるホイールナット(またはホイールボルト)

・ホイールハブを車体(シャシー)を繋ぐショックアブソーバー、そのハブ側

・ホイールハブの位置決めを行うアーム類

 

もちろん、最初からショックアブソーバーもバネも無い車種も皆無ではありませんがここでは省略し、他にほとんどの車でバネ下に装着されるのが以下です。

 

・ブレーキローター(ブレーキディスク)またはブレーキドラム

・ブレーキキャリパー(ディスクブレーキのみ)

・ブレキーパッドまたはブレーキシュー

・トーションビーム(最近のFFコンパクトカーの大半に装着)

 

この辺りだと思っていただければ、「バネ下」という認識に問題は無いかと思われます。

これだけでも、「ああ、あの部品はバネ下だから社外の軽量パーツが売っているのか」と思いつく人もいるのでは?

また、乗り心地を重視する重量級車種がリアトーションビームを採用している場合、バネ下重量に含まれるトーションビームの乗り心地に与える悪影響を懸念する人もいます。

 

車種による違いから考える「バネ下重量」の意味

 

出典:https://ja.wikipedia.org/

 

さて、紹介した部品の重量による「バネ下重量」ですが、これは仮に同じ重量のパーツを使ったとしても、その車の「バネ下重量が軽いか重いか」ということは車種によりけりです。

なぜかと言えば、「バネ上」にあたる部分、具体的にボディ(シャシー)の重量が車種によって全く異なるから。

わかりやすい例だと、ある4ドアセダンを基準にして、それをベースに2ドアスペシャリティクーペを作ればボディが軽く(作れることもある)、同じバネ下部品を使っていれば、相対的にバネ下重量は重くなります。

 

出典:https://ja.wikipedia.org/

 

逆に同じ車を基準として3列シートミニバンを作ればボディが重く、相対的にバネ下重量は軽くなります。

 

出典:https://ja.wikipedia.org/

 

そういった次第で、「バネ下重量」というのは単純にバネ下部品の重い軽いだけではなく、バネ上重量との相対的な関係と考えてください。

 

走りや用途による、バネ下重量の考え方や優先度の違い

 

出典:http://toyota.jp/

 

また、その車でどのような走りをするかによっても、「バネ下」の部品がが目指すものは変わってくるので、バネ下重量の意味や優先度は変わってきます。

 

一般的な舗装路の日常的な走行がメイン

 

出典:https://www.daihatsu.co.jp/

 

これは人によりけりですが、特にキビキビした走りを求めるでもなく、近くのコンビニにノンビリ買い物に行くとでも考えてみてください。

本当に「走るだけならどんな車でも構わない」と言う用途で車を使用しているのであれば、極端な話、乗り心地すら大きな問題にならない場合もあります。

こうした用途である限り、ドレスアップ目的はともかくバネ下重量を意識したパーツ選びは不要と言って良いでしょう。

 

長距離高速巡航

 

出典:https://www.nissan-cdn.net/

 

どのような車でも実家が遠く帰省に車を使う、通勤距離が遠いなどと、高速道路なり幹線道路なりの長距離巡航をそれなりの速度で行うこともあるでしょう。

そうなると、一般的にはバネ下重量の軽い車は乗り心地が柔らかく、重い車は硬いのでドライバーや乗員の疲労度に影響してきます。

ただし、その車固有の、あるいはチューニングによるサスペンションセッティングやタイヤ、ホイールのマッチングなども影響するため、一概にとは言えません。

そのほかに影響してくるものは燃費やブレーキ、タイヤの寿命で、バネ下重量によりタイヤを回すための力、止めるための力が変わってきます。

ただし、これもその車固有の重量やエンジン出力、ブレーキの容量による相対的なものです。

 

悪路走行

 

出典:http://www.mitsubishi-motors.co.jp/

 

悪路の場合、舗装路を走るよりも、耐久性やキャンバー変化の少なさによる走行安定性などが燃費や乗り心地よりも重視されます。

また、高速走行を行う場合、悪路をただ走行するよりも苛酷な条件となるため、バネ下重量よりも優先して走行安定性などを重要視する必要があります。

過去の典型的な例として、ラリーベース車のトヨタTA64セリカが、リアサスペンションをTA63セリカのセミトレーリングアームから、バネ下重量は重いものの、キャンバー変化が無く耐久性も高い固定式4リンクリジッドに変更したことありました。

 

舗装路でのスポーツ走行

 

出典:http://www.honda.co.jp/

 

長距離巡行の項で説明したタイヤを回す力、止める力に加え、車体重心から遠い位置の重量物による慣性(動きや重さに振り回される力)でもっとも影響が大きいのがスポーツ走行です。

悪路のスポーツ走行では前項で書いたリスクを考慮する必要があることと同様に、舗装路でも路面のギャップや縁石など無縁ではありません。しかし、可能な限り慣性の影響を少なくしたいもの。

運動性能の高い車がオーバーハング(前後タイヤから先の部分)を極力短くするのと同じ意味で、スポーツ走行車はバネ下重量軽減を目指す傾向があります。

ただしこれも性能一辺倒で整備性が悪化したり、構造上の問題で耐久性悪化につながることがあるため、バランスは必要で、タイヤ側では無く車体側中心線上近くにブレーキを配置するインボードブレーキが廃れた理由にもなりました。

 

装着パーツの差から考えるバネ下重量への影響度

 

出典:http://www.honda.co.jp/

 

次は、装着パーツによるバネ下重量の差で、バネ下からもっとも遠く路面に近いところほど、そして回転面の外側ほど影響が出てきます。

その順番は以下。

  1. タイヤ
  2. ホイールおよびホイールナット(またはホイールボルト)
  3. ブレーキローター、ブレーキドラム
  4. ホイールハブ(ハブナックル)
  5. ブレーキキャリパーおよびブレーキパッド
  6. アーム類

 

タイヤの重量とパフォーマンスのバランス、取れてますか?

 

出典:https://www.nissan-cdn.net/

 

意外と意識されず、逆にバネ下重量を深く考える人ほど気にするのがタイヤ。

同サイズのタイヤでもメーカーにより重量は異なり、中にはその重量から嫌われているタイヤがあるほどです。

もちろん、どれだけ軽くともグリップしない、すぐ摩耗するなど用途にそぐわないタイヤでは意味がありませんが。

 

大径ローター化は何のため?

 

出典:http://jp.mazdacdn.com/

 

同じくなぜか意識されにくいのがブレーキローターで、純正流用で使えるからと大径ローターに換装したがる人も多いのでは?

しかしそれは本当に必要な換装なのか、スリット&ドリルドローター化やパッドの変更では実現できないのか検討した上での判断で無いと、単にバネ下重量増加だけでなくブレーキバランス悪化まで招いているかもしれないので、注意した方がいいでしょう。

ラリーなど長丁場のステージではブレーキ容量が耐久性に直結することもありますが、耐久性を求めないジムカーナなど短距離のスピード競技や、リアにブレーキバランスを振りたい場合には、バネ下重量を軽くするメリットを追求した方がいいケースもあるからです。

もちろん、ドレスアップ目的での大径ローター化は全く別な話となります。

 

どのような時にもっとも効果を意識するか

 

出典:http://jp.mazdacdn.com/

 

ボディ(シャシー)などバネ上重量とバネ下重量の相対的な調整は、以下のような時に最大の効果を発揮するでしょう。

 

・バネ下重量を軽くすることで、乗り心地やドライビングフィール、燃費を良くしたい

・同、スポーツ走行での運動性を改善したい

 

どちらもバネ下重量を軽くしているので、同じパーツを組めば同じ効果を得られるかといえばそうではなく、目的が異なれば装着するパーツやチューニングも異なります。

まず前者は軽量ホイールを履くのがもっとも手軽で効果的に見えますが、その他の部分のバランスを考えないとかえってサスペンションが動くリズムが狂ったり、同時に扁平タイヤに履き替えてハンドルを取られてドタバタした動きになり、かえって悪化することも。

純正によほど不満があれば別ですが、安易に変えないか、極端な軽量ホイールに変えない方が無難です。

同様にドレスアップ目的の時も、乗り心地その他に配慮したい場合は、プロにトータルセッティングを相談していくべきでしょう。

後者も性能一辺倒であればバネ下重量低減を突き詰めていっても良いのですが、用途に応じた耐久性や性能に配慮しつつ、「性能や成績向上が目的でバネ下重量低減はあくまで手段」と割り切る姿勢が大事ですね。

 

まとめ

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バネ下重量の意味とその方法、メリットやデメリットを車種や用途ごとに説明させていただきました。

あくまで今回は「バネ下重量」をメインにお話しましたが、文中にもあるようにバネ下重量とは「バネ上との相対的なもの」です。

たとえばボディの軽量化などでも相対的に変化していくものですから、他のあらゆるチューニングと同様、「1台の車という総合的なパッケージをいかに仕上げるか」を目的とした1つの手段であり、バランスが大事ということは、忘れないようにしましょう。

 

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Writer Introduction
兵藤 忠彦

ダイハツ党で、かつてはジムカーナドライバーとしてダイハツチャレンジカップを中心に、全日本ジムカーナにもスポット参戦で出場。 現在はサザンサーキット(宮城県柴田郡村田町)を拠点に、主にオーガナイザー(主催者)側の立場からモータースポーツに関わっています。http://dctm.info/

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