クルマ、バイク、船や飛行機、すべての乗り物に必要とされてきたのがエンジン。非常に多くの部品が精密に組まれ、0.1mm単位の精度が求められる精密機械。そんな精密機械を、さらにコンパクトに、ミニチュアとして作ってしまった人たちが、世界にはたくさんいることをご存知ですか?今回はそんなミニチュアエンジンの動画からOHCとOHVの違いを簡単にご説明します。

掲載日時:2018/11/26

出典:https://www.youtube.com/

出典:https://www.youtube.com/

まるで時計のような部品点数です。

エンジンの動きがよくわかる!直列6気筒OHVエンジン

小さな空冷6気筒エンジン!クランクシャフトやカムシャフト(エンジンの真ん中あたりで回っている細いシャフト)が剥き出しなので、エンジンの動きがよくわかります。

エンジンの始動方法が、手動でクランクシャフトを回すことなのにオドロキ。

でもこれって結局、セルモーターの代わりを人間がやっただけなんですよね。

 

同じくよくわかる!V型12気筒OHVエンジン!

同じくエンジン下部ががら空きのV12気筒エンジン!

全てのパーツがワンオフでしょうし、よくこれだけのパーツを作ったなとも思います。

こちらもプッシュロッド(エンジン上部につながる細い棒)や、カムシャフトが見やすいですね。

 

ポルシェと一緒?水平対向6気筒OHVエンジン!

ポルシェやビートル、インプレッサなどと同じ水平対向エンジン!

エンジン始動は電動ドライバー。ここまでくると、エンジンを始動するにはまず、エンジン中央のクランクシャフトを回さねば。というのがわかりますね。

 

スーパーチャージャーの動きもよくわかる!V8OHVエンジン!

海外の映画なんかを見ていると、ボンネットから何か飛び出ているクルマを見たことはありませんか?

これがスーパーチャージャー。このサイズで作ってしまっていることにオドロキ。

先ほどと同じOHVですが、プッシュロッドは内部に格納されていますね。

 

驚きのミニサイズ!ほとんど時計のような精密さ!V12OHVエンジン

先ほどまでもかなり細かかったですが、今度はもっとミニマムに…。

一つ一つのパーツが指先ぐらいしかない驚きの小ささ。作りながら目がチカチカしてしまいそう…。

非常に細かいパーツですが、原理は今まで見てきたエンジンと同じOHV。

エンジンをひっくり返して試運転している映像(5:40~)で、クランクシャフトとカムシャフトの動きがよくわかりますね。

 

部品点数に目がくらむ。W型32気筒OHCエンジン

今回唯一のOHCエンジン。しかもW型32気筒。部品点数で言うと、これまで見てきたエンジンとは比較にならないと思います。

エンジン上部の映像(0:30~)を見ると、カムシャフトがエンジン上部についており、OHCエンジンであることがわかると思います。

これだけ小さな部品だと、エンジン一機組むのに、尋常じゃない集中力を要するでしょうね。

 

OHCとOHVって何?

V型2気筒OHVエンジン(出典:http://www.virginharley.com/)

V型2気筒OHVエンジン(出典:http://www.virginharley.com/)

さて、ここまで紹介してきたエンジンはOHCとOHVの2形式でした。

これは「オーバーヘッドカムシャフト」「オーバーヘッドバルブ」の略称で、それぞれエンジンの構造形式を指した名称です。

クルマやバイクがお好きな人なら「DOHC」なんて聞いたことがあると思いますが、これも「ダブルオーバーヘッドカムシャフト」という構造形式を指したものです。

この二つの違いは「カムシャフト」というパーツをエンジン上部に持つか持たないか。

こちらがカムシャフト(出典:http://www.junauto.co.jp/)

こちらがカムシャフト(出典:http://www.junauto.co.jp/)

カムシャフトとは、エンジンの吸気弁、排気弁(バルブ)を開閉するためのパーツで、シャフトに複数の山(でっぱり)がくっついています。

この山を使用して、間接的にバルブを押し、シリンダー内部にガソリンを入れたり、外に排気ガスを出したりという動作を行っています。

OHCはエンジン上部にカムがついており、ほぼ直接的(※)にバルブを上から押します。

OHVはエンジン下部にカムがついており、「プッシュロッド」というパーツを介して、エンジン上部についているバルブを押します。(※)

※厳密には、ロッカーアームやシムなど細かいパーツがありますが、今回は割愛します。

画像に斜めに通っているのがプッシュロッド(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/)

画像に斜めに通っているのがプッシュロッド(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/)

最初の直6エンジンがわかりやすいですが、エンジン側面に細長い棒状のパーツがついていますよね。これがプッシュロッドです。

このパーツをカムシャフトが叩く(押す)ことによって、エンジン上部のバルブが押されてシリンダー内の吸排気を行います。

一般的には、OHCの方が、バルブまでに介すパーツが少ないため、より高性能を目指しやすい傾向がありますが、エンジン上部にパーツが集中するため、ヘッド周りの整備性はOHVに劣ります。

国産エンジンではOHCがほとんど。海外の、特にアメリカの車などはOHVが比較的多い傾向にあります。

バイクでは、ハーレーのエンジンなんかはOHVだったりしますよね!

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

これだけ小さなエンジンでも、クルマに積まれているものと全く同じ工程で動作しています。

実は、紹介したエンジンはサイズ感的に400ccのバイクや、芝刈り機なんかとあまり変わらないものもありますが、そのサイズでV12,V8のエンジンが出来ていることが、すごいことだったりします。

しかしこのミニチュア、クルマやバイク、メカ好きなら、一家に一台は欲しいんじゃないですか?

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