「あの頃は若かった!」名前を聞くと、そんな思い出が蘇ってくる峠はありませんか。クルマ好き・バイク好きに人気の高い峠スポットを、関東地区を中心にご紹介します。

長野県・ビーナスライン / 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ビーナスライン

ターンパイクを全開ドリフト!皆さんが若き時代に走った峠とは?

かつて、自動車雑誌『モーターヘッド』の企画で、神奈川県小田原市から足柄下郡湯河原町に至る15.752kmの有料道路、ターンパイク箱根を有名ドライバーが全開でヒルクライムする姿が撮影されました。

道路全体を封鎖してのヒルクライムが行われたのはターンパイク箱根が開通して以降、初めてのことで、D1に参戦中の川端真人選手がGT-Rで全開ドリフトを決めたり、谷口信輝選手が、スーパーGT選手権GT300クラスで自身が乗るBMW Z3での全開走行を披露。

レーシングドライバーがレーシングカーで峠を走行するド迫力の映像で、多くの人を魅了しました。

その中には、夜な夜な峠をチューニングした愛車で走ったり、つなぎを着てバイクで早朝の高速ツーリングへ行っていた方もいたでしょう。

そんな人たちが若き時代を過ごした峠を、関東地区にしぼって振り返ってみましょう。

パープルライン・フルーツライン【茨城県】

筑波山からの景色 / 出典:写真AC

筑波山は標高877mの女体山と871mの男体山からなる、日本百名山のひとつです。

県道236号線の表筑波スカイラインと筑波スカイラインは、朝日峠→不動峠→風返峠を結ぶ『パープルライン』と呼ばれる、有名なドライブウェイです。

筑波山の絶景を臨むことができるつつじヶ丘駐車場は、週末にはドライブを楽しむ方のクルマが溢れ、筑波山ロープウェイも通っているため、筑波山からの綺麗な景色を目的に観光客が集まります。

かつては有料道路で普通車400円・二輪車280円が必要でしたが、2006年4月に無料開放されました。

しかし、パープルラインは終日、二輪車は通行止めとなっています。

走り屋全盛期時代に交通事故が多発し、全国で初めて二輪車が通行止めになった峠道でした。

この通行止めを機に二輪の走り屋たちは、茨城県土浦市にある『朝日トンネル南』と呼ばれる交差点から県道199号線の『フルーツライン』へ走りの場を移しましたが、実はこちらも二輪車の事故が多発したことで、現在は通行止め。

フルーツラインといえばイニシャルDの舞台でもあり、パープルラインも含めて有名な峠道ではありますが、ツーリングを楽しむライダーは通れない道になってしまいました。

長尾峠【神奈川県】

長尾峠からの富士山 / 出典:写真AC

神奈川県の走り屋スポットは、長尾峠が非常に有名です。

こちらもイニシャルDにも登場し、夜はクルマ、朝はバイクの走り屋のフィールドとなっていました。

長尾峠は神奈川県足柄下郡箱根町と静岡県御殿場市の間を通る県道401号線と、静岡県道401号・神奈川県道736号御殿場箱根線の長尾隧道で構成されています。

県道736号線を走行中に通過する150mの長尾トンネルは心霊スポットとしても知られており、霊感の強い方や幽霊が苦手な方は要注意スポットです。

大菩薩ライン【山梨県】

大菩薩ライン / 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/国道411号

大菩薩ライン(だいぼさつらいん)は、東京都西多摩郡奥多摩町から東京都と山梨県の県境に当たる山梨県丹波山村鴨沢と山梨県笛吹市石和町甲運橋を結ぶ道路の愛称名です。

ツーリングシーズンは遠方からライダーが集まる関東地区を代表するツーリングスポットでもありますが、12月中旬から4月中旬までは冬季閉鎖で通行できません。

大菩薩ラインの道のりは、アップ・ダウンはそこそこ。道幅は狭く、急なコーナーも少ないため、リズミカルな走りを楽しむことが可能です。

間瀬峠【埼玉県】

間瀬湖 / 出典:写真AC

埼玉県の走り屋のメッカといえば、間瀬峠(まぜとうげ)で、埼玉県秩父郡長瀞町と同県本庄市児玉町の境界付近にある県道287号線を通る約11.6kmの峠です。

多くの間瀬峠出身ドライバーが筑波サーキットのレースに参戦し、関東地区の走り屋のなかで間瀬峠の走り屋は非常にレベルが高いと言われていたそうです。

この峠も二輪車は通行禁止になっているため、ライダーは通れません。

しかし、二輪車の事故が減ったことにより、埼玉県はここ数年で二輪車通行規制区間、約20経路の規制を解除し、今後もいくつかの二輪車通行禁止の規制を解除していく方針のため、間瀬峠も近いうちに通行可能となるかもしれません。

まとめ

出典:写真AC

走り屋に人気の峠スポットを紹介しましたが、数年前に比べると走り屋やローリング族はかなり減少しています。

そのため、危険運転をするドライバー・ライダーが減少し、峠の治安もかなり良くなってきたのは事実です。

なんだか寂しい気もしますが、「昔はこんなことがあったなぁ~」と思い出として心にとどめ、これからも安全運転を心がけ、ドライブやツーリングを楽しんでください。

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