今回の愛車紹介は「HCR32スカイライン GTS-t Type-M」です。リアシートに掛けられたタオルやホイールなどに販売当時の雰囲気を滲ませた、このGTS-tのオーナーはなんと20代! どのような経緯で、この渋めの車をチョイスしたのでしょうか?
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販売当時の面影を残すGTS-t Type-M
今回ご紹介するGTS-t Type-Mのコンセプトは、「ヤンキーなレーシングカー」。
2リッターターボ仕様のこのGTS-t Type-Mは、オーナーが2年半前に友人から20万円という破格で譲ってもらった車で、走行距離は20万km弱。
しかしその走行距離に対して車体は綺麗な状態が保たれており、オーナーの愛車への愛情を感じることができます。
フロントはノーマルのグリルから、後期の純正バンパーのグリルへと交換されており、フロントリップには純正オプションパーツのGTオートスポイラーのガワを直付。
このGTオートスポイラーは、速度に応じて下がるようになっているのですが、ガワだけを装着したことで常にせり出した状態になっています。
このGTオートスポイラーのガワはあまり前方にせり出しておらず、地面に向けてストレートに伸びていることで車高が低く見える効果をもたらしており、オーナーお気に入りのポイントでもあるそうです。
さらに、純正プロジェクターヘッドランプから角目のリフレクターヘッドランプへと交換されており、オーナーが意識したという、GT-RのグループA仕様とほぼ同じビジュアルとなっています。
色はオーナーによってオールペンされており、メルセデス・ベンツの古いモデルに採用されていた、ブルーブラックというカラーリングを採用。
それに合わせてR32スカイライン元々のヘッドランプの色よりも、少し暗めの色に変更したことで、車体のカラーリングと絶妙にマッチしています。
また、細かいところでは、GT-RのグループA仕様を意識して、フロントのワイパーもシングルワイパーに交換されており、レーシーな仕上がりとなりました。
ホイールは既に絶版のPanasports G7 C5C2(幅:9J)を装着。オーナーのこだわりポイントの一つです。
このGTS-tは、販売されていた当時の年代に合わせたパーツで作られており、他のパーツもだいたいが絶版品。
タイヤもDUNLOP DIREZZA DZ102(サイズ:225/45R17)が装着されており、通常よりは少しスポーティなタイヤチョイスとなっています。
さらに、ホイールナットがnismoで統一されている点もオーナーのこだわりで、既に絶版となったnismoのoの部分に日の丸が描かれたものを採用!入手するために、あちこちのショップを探しまわったことが想像できます。
ブレーキキャリパーはGT-R33の純正Bremboで、ブレーキローダーは2ピース。
フロントには5mmのスペーサーが入っており、少し引っ張り傾向です。
車高とキャンバーを合わせ、タイヤとタイヤハウスの隙間はほぼないほどに車高が落とされていますが、干渉をすることはないそう。
エアロミラーも当時風のVeilside製ミラーに交換されており、純正オプションで選択可能だったゴールドのGTバッジも装着。これも希少品です。
サイドステップも、純正オプションで選択できたものが装備されています。
リアホイールのリム幅はフロントと同様ですが、ビッグキャリパー対応のブレーキディスクを装着しているフロントに対し、リムが深くなったデザインになっています。
また、PMC・S(プリンス・モーター・クラブスポーツ)のロゴが映えるリアウイングは、JGTC(全日本GT選手権)のウイングを彷彿させるデザインです。
とはいっても、JGTCのウイングと比べてサイズは小さめですが、雰囲気を出すことに成功しており、こぶりなサイズゆえに全体のスタイルを崩すことなく、うまくマッチさせています。
リアのテールランプには、LONZAのスモークレンズカバーが装着されていますが、これは当時トヨタのソアラ等に取り付けられて流行した製品の、R32スカイラインver。
リアバンパーはスモーク仕様のバックランプも含めて純正品です。
控えめに突き出されたラインハルトのマフラーは、見た目も音も良好です。
内装にも、販売当時を想起させるこだわりが込められており、コンセプトは「街道レーサー」。
Italvolanti Sprint unoのステアリングには、旧ロゴnismoのホーンボタンが付いており、ダッシュボードにはMOON EYESの車種専用ダッシュマットが敷かれています。
また、nismoのバンダナやMOON EYESの5パネルバックミラーも装備されており、当時に流行したオシャレアイテムが勢揃い。
ペダル類にもLONZAのペダルカバーが付けられており、フットレストにも同様のものが装着されています。
シフトノブは昔のVeilsideのシフトノブを想起させる形状で、Aピラーにはブースト圧と水温を示す追加2連メーターを装備。
また、スピードメーターもフルスケールメーターに交換済みというこだわりようです。
センターコンソール上に取り付けられたドリンクホルダーも、現行販売されてはいますが、その中でも古いデザインがチョイスされています。
シートは近年では珍しいCOBRAのバケットシート(IMOLA-2)で、これも絶版。
購入時はボロボロだったそうですが、オーナーが自らスポンジを交換したり、洗ったり、FRPシェルを自分で修復したりして、綺麗に復元したそうです。
また、車内のロールケージはHKS関西のリフレッシュバーで、後部座席4点と斜行バー、サイドのピラーに沿ったロールバーを装着。
リアシートにはコカコーラのタオルが掛けられていますが、これは当時の街道レーサーがロックミュージシャンの矢沢永吉氏のタオルを掛けていたことを真似たものだそうです。
オーディオデッキも当時を連想させる、ALPINEで組まれており、今はなきMD用のデッキが組み込まれているという、かなりのこだわり。
それに合わせ、ドア部やリアに当時物のALPINEのスピーカーが搭載されています。
最後に、エンジンルームを確認していきましょう。
エンジンはノーマルのRB20ですが、エアクリーナーはA’PEXi、ラジエーターはTRUSTのものへと交換され、GT-R32の純正タワーバーを装着。足回りはA’PEXiのN1ダンパーです。
オーナーによると、RB20は低回転だとトルクはないものの、2リッターなので高回転域の音が良く、扱いやすいパワーで楽しく走れるという印象だそうです。
まとめ
今回はオーナーの当時風のこだわりが敷き詰められた、HCR32スカイライン GTS-t Type-Mを紹介しました。
オーナーはもともと軽自動車のラパンSSに乗っており、R32スカイラインに乗ろうと思っていたわけではないそうですが、友人から安い値段で譲ってもらった後、乗っているうちに愛着が湧いてきたそうです。
今後はエンジン関係に手を入れたいとのこと。
オーナーにとっての車の魅力は、「自分の個性を表現できるところ」。
今はだいたい同じような車が街を走る中、このGTS-tのような車で走ることで自分の個性をアピールできることが魅力だそうです。
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