光岡自動車が創業60周年を記念し、強烈な個性を持った新型車を発表しました。その名も「ロックスター」。シャープなウェッジシェイプのシルエットや大型のメッキバンパー等、60-70年代のアメリカンスポーツを彷彿させるデザインが特徴で、中身は正真正銘の国産車でありつつも、外見はアメリカンルックなスポーツカーという独特の組み合わせは、他のスポーツカーとは一線を画した唯我独尊とでも言うべきコンセプトを貫いています。
掲載日時:2019/09/19
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そもそも光岡自動車ってどんなメーカー?
このような個性的なクルマの量産に踏み切る光岡自動車は、一体どのようなメーカーなのでしょうか?
ここで1度、光岡自動車の生い立ちについて簡単におさらいしてみたいと思います。
創業は1968年と意外にも最近で、創業者である光岡進氏が当時務めていた日野自動車を退職し、独立する所からスタートします。
創業当初は馬小屋を借りて板金塗装や整備を行うことをメイン事業としていましたが、後に現在の中古車販売業の基礎となるビジネスモデルを確立。
BUBU「ブブ」という店舗名称を用いて全国展開をするに至るまで、事業を成長させていきました。
その後アメリカ車の並行輸入販売も開始し、フォルクスワーゲン タイプ1をベースとしたメルセデスベンツ SSKのレプリカマシンを1台日本に持ち帰ります。
これを公道走行可能な仕様にしようとパイクカーの開発をスタートさせ、改造車として認可させる事に成功。
この1台は1987年に「光岡BUBUクラシックSSK」として発表され、後の「ラ・セード」や「ビュート」といった車へのノウハウとなっていきました。
斬新なデザインのパイクカーを続々と発表!
1994年には、ロータス・スーパーセブンのレプリカ車、『ゼロワン』を発表し、組立車として認可される事で、国内10番目の自動車メーカーとして光岡自動車が認められます。
もちろんパイクカーの販売も継続して展開させ、『優雅(ユーガ)』、『凌駕(リョーガ)』、『我流(ガリュー)』といった、独特のデザインを纏ったオリジナリティ溢れる車種を続々と発表していくのでした。
唯我独尊のデザイン、光岡ロックスター
60年代のアメリカンスポーツカーをオマージュしたエクステリアデザインは、過去に光岡自動車でオロチを担当したデザイナーでもある青木孝憲氏によるもの。
ひと目で伝わってくる強烈なインパクトは、大手メーカーとは違う小規模メーカーだからこそ出来るものでしょう。
デザイナーの感性をそのまま活かし、ストレートに個性が伝わってくる外観です。
バワフルに隆起したフェンダー周りやボンネットフードの造形は、C2コルベットを彷彿とさせます。
ベースとなっている車両はマツダのロードスターで、エンジンもそのままSKYACTIVの直列4気筒1.5リッターエンジンが搭載されています。
ロードスター比で全長は430mm、全幅は35mm延長されていますが、重量はロードスターとほとんど変わらず、1100kg以内に抑えられています。
その為、アメリカンなルックスに反して純粋なライトウェイトスポーツの走りを楽しむことが可能となっているのです。
随所に光るこだわりのアメリカンデイテール
バフポリッシュが施された耀くワーク製メッキホイールには、BFグッドリッジ社製のラジアルタイヤ(195/50R15)がセットされ、側面には走りの雰囲気を醸し出すステンシルが施されているのもユニークな点。
大胆なボディシルエットに対して控えめなヘッドライトは、サメやシャチのような獰猛な水中生物をイメージさせます。
ウインカーはバンパー下部に埋め込まれており、見事にバンパーの一部に同化させた技ありな処理となっています。
インテリアは基本的にはNDロードスターと同一ですが、シートのヘッドレストには光岡のロゴが刺繍されたり、シート中央のセンターストライプやステッチにはボディカラーと同じ色が6色用意されています。
リアのトランクフードには創業50周年のアニバーサリーをデザインしたエンブレムが装着されており、これもまた古き良きアメリカンクラシックなテイストで仕上げられています。
アメリカ由来のこだわりのボディカラー
広報車に用いられたのは、カリフォルニアブルーと呼ばれる澄んだ青色。
社名の候補として、ロックスターの他に「タイプカリフォルニア」という案があったということもあり、西海岸をドライブする時の爽快感を連想させる爽やかなボディカラーとなっています。
この他に用意されるのボディカラーは、シカゴレッド、ニューヨークブラック、シスコオレンジ、ワシントンホワイト、アリゾナイエローと、いずれもアメリカをイメージしたもので、徹頭徹尾アメリカンスポーツの思想に基づいていることが受け取れます。
まとめ
2019年分として50台、2020年分として75台、2021年分として75台の合計200台限定でしたが、既に完売状態。
1台1台職人による手作業で量産されていることもあり、今後増産の予定はないそうです。
今後希少車として価値が上がっていくことは間違いないであろうロックスターは、街で見かけることが出来るだけでもラッキーなクルマなのかもしれません。
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