降雪地域にとって、積雪への対策は重要な作業の1つです。そんな雪への対策の1つが、車のフロントワイパーを立てておくこと。では、ワイパーを立てることが、どのような雪対策に繋がるのでしょうか。

出展:写真AC

なぜ雪の日にフロントワイパーを立てるのか?

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積雪のニュース映像などで、駐車している車のフロントワイパーが立てられている光景を見ることがあると思います。

この、ワイパーを立てることが雪から車を守る重要な役割を果たしているのです。

凍結によってフロントワイパーが不動状態になるのを回避する

降雪地域では、積雪によって前方が見えないほどクルマのフロントガラスが凍結することは、珍しくありません。

そのため普段ガラスに接しているフロントワイパーが、凍結により車体に張り付いて動かなくなってしまいます。

そのような不動状態になるのを回避するために、フロントワイパーを立てておくのです。

フロントワイパーが故障するのを回避する

凍結によってフロントワイパーと車体が一体化した状態では、フロントワイパーを動かせません。

仮に、エンジンをかけてすぐにワイパーを動かそうとしても、ワイパーに強い負荷がかかってしまいます。

ワイパーにはゴムが付いているので、強い負荷がかかるとワイパーゴムが切れてしまったり、アームが歪んでしまう恐れもあるのです。

また、ワイパーは無事だったとしても、強い負荷をかけたことによりアームが変形し、停止位置がずれる可能性も。フロントワイパーを立てるのは、故障を回避するための対策でもあるのです。

車の雪かきを容易に行うための準備

車に雪が積もれば、出発前に雪かきをしなければなりません。

その際に、フロントワイパーを避けながら雪かきをすることは、作業をする人にとってかなりの手間となります。

そこで、この手間を省くために、あらかじめフロントワイパーを立てておき、雪かきの下準備をしているのです。

フロントワイパーを立てる時に注意することは?

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フロントワイパーは、力をいれなくても軽く持ち上がるので、女性でも簡単に立てることができます。

いざというときのために、一度立ててみると良いでしょう。

しかし、いくつかポイントを抑えておかなければ、せっかく雪に備えてフロントワイパーを立てておいても、逆効果になってしまいます。

屋根の下など雪が落ちてくる場所では立てない

屋根下に車を置くと、家の屋根に積もった大量の雪が車を直撃するかもしれません。

もし、立てた状態のフロントワイパーに直撃すれば、ワイパーが破損してしまいます。

大量の雪が落ちてくる可能性がある場合は、駐車場所を変更することがおススメですが、他に駐車場所が無い場合は、ワイパーを立てないようにしましょう。

コンシールドタイプは必ず元の位置に返す

高級車や輸入車の一部には、ボンネット下にワイパーが格納される「コンシールドタイプ」が使われています。

このタイプは車体にワイパーが隠れているため、スイッチを押して立てる仕組みとなります。

しかし、万が一フロントワイパーを立てたまま動かしてしまうと、アームがガラスを直撃し、損傷させてしまう危険があるため、注意してください。

不意にエンジンをかけ、ワイパーやフロントガラス、ボンネットなどを破損させないよう、ワイパーを必ず元の位置に戻してから、エンジンをかけるようにしましょう。

凍ったフロントワイパーやガラスを溶かすための対処法

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あらかじめ積雪が予想できれば、事前に対処することが可能です。

しかし、天気予報は必ず当たるとは限りません。

不意の積雪や急な天気の変化で、朝、出掛けようとしたら車がガチガチに凍っていた…。という経験がある方も、少なくないでしょう。

そこで、フロントワイパーやガラスが凍ってしまった場合の対処方法と、注意点をまとめました。

自然に溶けるのを待つか車体を温める

雪が車に張り付いて取れない時は、エンジンをかけて車を温めるか、自然に雪が溶けるのを待ちましょう。

その際は、車にエアコンをかけ、デフロスターにすることで、窓に風が当たるようにしておくのがおすすめです。

熱湯ダメ!絶対!水やぬるま湯、解凍スプレーを使って溶かす

内側から熱を加えて溶かす方法は時間がかかりますが、外側から溶かせば短時間で凍結を溶くことができます。

しかし、凍ったワイパーゴムやガラスに熱湯をかけると、一気に膨張してゴムが破れたり、ガラスにひびが入る恐れもあるので危険です。

どうしても急ぐ際は、水やぬるま湯、または解凍スプレーを使って溶かすようにしましょう。

まとめ

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雪の日に、フロントワイパーを立てるのは、車を守ることに繋がります。しかし、ただ立てておけば良いわけではなく、場所や状況に応じて的確な対策をしておかなければ逆効果となる場合もあります。

雪の予報やまとまった雪が降りそうな気配を感じたら、早めに安全な場所にクルマを移動させ、フロントワイパーを立てておきましょう。

 

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