バリバリ伝説 世界のガン・ボーイ その最初のライバル聖秀吉
通称「バリ伝」はCB750Fに乗る高校生、巨摩郡がライバルたちと出会い、峠の走り屋からレースにシフトして最後はワールドチャンピオンにまで上りつめるという一人の青年の成長を描いたストーリーになっています。
フルチューンのスーパーカブでナナハンを抜き去るシーンで始まるバリ伝。
見せ場が多い作品ですが個人的な注目ポイントは最初で最大のライバルである聖秀吉!
妹のためにプロのレーサーを目指す秀吉の愛車はスズキのカタナ750。
東京に引っ越してくるも、クラスメイトの郡とはソリが合わず常にいがみ合います。
バイク好きの二人は峠でバトルを繰り返しますが常に秀吉が勝利。
そして敗北に苛立つ郡と秀吉に人生の転機が訪れるのです。
それが鈴鹿4時間耐久レースでした。郡は同級生の比呂とペアを組み、秀吉は一ノ瀬レーシングの令嬢、美由紀とペアを組んで出場します。
結果は秀吉・美由紀ペアが優勝し、郡と比呂はリタイア。
そして舞台は翌年の鈴鹿4時間耐久レース、今度は郡と秀吉がペアを組んで出場するのです。
いがみ合いながらもレースを走る郡と秀吉ですが、徐々にトップグループに食い込むまで順位を上げます。しかしライバルチームの陰湿な妨害で秀吉は転倒してしまうのです。
なんとか立ち上がり朦朧とする意識のなか、郡にマシンを届けるためにバイクを押してピットに向かう秀吉。
満身創痍の秀吉からバイクを受け取った郡は、秀吉に応えるためにひたすらアクセルを開け続けレース終了30分前にはついにトップにたち、そのままチェッカーを受けて優勝を果たすのです。
表彰台で涙する郡と秀吉、今までのいがみ合いが嘘のようにお互いを認め合い、称え合います。
そして鈴鹿のレースを終えた秀吉は、念願であるプロのレーサーへの道を歩み始めることになり、郡と秀吉は最後にお互いが腕を磨いた峠に二人で走りに行くことにします。
朝になり秀吉が家を出ようとすると愛車カタナのキーが見当たりません。妙な胸騒ぎを覚えた妹が秀吉に行かないでくれと懇願しますが秀吉は「大丈夫」と一言残して家を出ます。
峠を走るカタナとCB、流す感じで走っていると前方で1台のバイクが転倒、それを避けようとしてラインを変えた秀吉の目に対向車の姿が映りました。
アスファルトに横たわる秀吉、郡は必死に話しかけますが秀吉が立ち上がることはありませんでした。
このシーンに涙したファンも多いのではないでしょうか。
最高で最大のライバルの死、このあと郡は本格的にレースの世界を歩むことになります。

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あいつとララバイ 水曜日のシンデレラ
舞台は横浜、主人公である研二くんの愛車は赤いZⅡ。
連載当初は青春ラブコメ路線でしたが次第に走り屋路線へとシフトします。
毎回現れる個性的なライバルたちとのバトルが面白く、またこの作品が日本における旧車ブームの火付け役的な存在でもありました。
ライバルのマシンもほとんどが旧車で、マッハ750、FX750、カタナ1100にポルシェ911ターボという名車たちとのバトルにファンは夢中になりました。特にポルシェとのバトルはアニメ化されるほどの人気でした。
ポルシェをドライブするのは女子大生という、ちょっと無理のある設定ですが、もともと主人公の研二君がノーヘルで走る設定自体に無理を感じた読者も多いのではないでしょうか・・・。
水曜日の朝、研二はガ-ルフレンドの友美ちゃんを後ろに乗せて箱根までツーリングに向かいます。
そこで目にしたのは多くの走り屋たち。
休憩中の研二がSRXに乗る大学生、早瀬さんに話しかけられるところから物語がはじまります。
水曜日に現れるとびきり速い白いポルシェ、しかもドライバーは女の子。
箱根の走り屋たちは彼女を「水曜日のシンデレラ」と呼んでいました。
軽い気持ちでシンデレラのポルシェに挑んだ研二でしたが、思わぬ展開でバトルを終えます。
シンデレラを忘れることのできない研二は、手がかりを探すために箱根で知り合った早瀬に会うために東京の大学を訪れます。
キャンパス内を歩く研二と友美ちゃん、そこで一人の女子大生と出会うのです。
偶然に出会った女子大生と会話をしているところに早瀬が現れ、その早瀬の口から思わぬ言葉を聞き、ストーリーは一気に加速していきます。
また、シンデレラのポルシェはチューンが施され、別名「悪魔のポルシェ」とも呼ばれていました。
チューンを手掛けた男の名は杉本不二雄。後に研二のZⅡをチューンすることになるボンバーのオッちゃん、杉本鉄男の息子です。
水曜日の箱根で繰り広げられるZⅡとポルシェの壮絶なバトル、それぞれの思いを乗せてゴールの御殿場インターチェンジを目指します。
一台のポルシェによって狂い始めた人と人との絆。
それが一台のZⅡによって元のカタチに戻っていくストーリーは涙さえ誘います。
ノーヘルで、しかも散々大きな事故を起こしながらも悲しい結果にならないトコロがこの作品の魅力ではないでしょうか。
キリン POINT OF NO RETURN
キリンはコミックの枠を超えてバイク乗りのバイブルと呼ぶに相応しい作品です。
またこれほど大人のバイク乗りに支持される作品は、他にはないといえるでしょう。
ウィスキーに煙草、女と戯れながらもバイクに酔狂する男のリアルな描写。
「キリンは泣かない」「俺はまだこっち側にいる」「このマシンでは血も踊らない」など、セリフ全てがカッコよく、また男臭の漂うハードボイルドタッチな雰囲気が他のバイクコミックと一線を画しています。
また、キリンはアニメではなく真木蔵人さん主演で実写化されています。
若い頃の苦い思いにリベンジを誓いながらも日々苛立ちを感じているキリン。
そんな彼の目の前に一台のポルシェが現れるシーンから、一気にクライマックスである公道バトルへと展開していくのです。
午前5:47都内某所、1100カタナに跨るキリンに「とても私の年上には見えませんな」と声をかけるポルシェ乗り。
キリンの「いつでもいいですよ」のセリフで1100カタナとポルシェ911のバトルが始まります。
そしてバトルの途中からもう1台の1100カタナとCB1100Rが加わり、4台によるプライドを賭けたバトルが繰り広げられることになるのです。
信号無視を繰り返しながら、もの凄いスピードでR246を西へ向かう4台。
白バイに追われながらも何とか振り切り東名高速へあがりますが、用賀料金所にさしかかったトコロでキリンのカタナにトラブルが発生!
クラッチワイヤーが切れてしまい、ハンデを負いながらバトルを続けることになります。
過去の自分にケリを付けるキリン、プライドを誇示するポルシェ911、キリンの背中を追い続ける若者の1100カタナ、そして飛び入りのCB1100Rに乗るモヒカン刈りの男。
それぞれの登場人物にドラマがあり、公道バトルという非合法な方法で自らの存在意義を表現するこの作品は大きな反響を呼びました。
その後もシリーズとして作品は続きますが、主役はCB1100Rのモヒカン刈りの男(実は喫茶店のマスター)に移っていくのです。

Photo by Jason Taellious
まとめ
いかがでしたか?バイク乗りにはそれぞれバイブルがあると思います。
それはコミックにかかわらず映画や芸能人、身近なところでいえば憧れの先輩など。
得てしてバイク乗りのバイブルは無茶な表現が用いられますが、それを真似してはいけません。
私たちバイク乗りは不幸になるためにバイクに乗るわけでないのです。
バイクを知らない、そしてバイクに憧れを抱く人たちにバイクの魅力を伝えるべく、バイブルは自分のハートに秘めて安全にバイクを楽しんで頂きたいと思います。
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