スズキ ジムニーは、初代が1970年に発売された超ロングセラーモデルです。現行型のジムニーは4代目となりますが、その間にはたくさんの変遷があました。そんな現行型ジムニー(JB64)&ジムニーシエラ(JB74)をご紹介します。

Photo by Eddie Yip

20年に一度のフルモデルチェンジ

スズキ新型ジムニー

スズキ新型ジムニー / 出典:https://suzuki-media.jp/

ジムニーが登場したのは1970年。当時、ジープの小型版があれば便利だろうと考えられ、発売されました。

ジムニー(Jimny)はジープ(Jeep)のミニ「Mini」と「Tiny」からの造語である点からも、ジープを意識したオフロード車であったことが伺えます。

そんなジムニーは2018年、登場から58年後、3代目(JB23型)の登場からは20年が経過し、満を持して3度目のフルモデルチェンジが行われました。

通常の車のモデルサイクルは、7年前後でフルモデルチェンジされることを考えると、いかにジムニーというモデルがロングセラーなのか分かると思います。

また、この4代目は人気が高く、発売当初、メーカーの販売予測を大きく上回り、納車まで2年待ちという事態に陥ったほどでした。

ジムニー伝統のオフロード走破性能

出典:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/performance_eco/

ジムニーは、はしご型のフレーム(ラダーフレーム)の上にボディを載せた形状や、前後共にリジッドアクスルが採用された本格オフロード車としての走破性を重視した設計が特徴です。

4代目にも骨格となるラダーフレームは継承されましたが、クロスメンバーの追加やマウントの改良などが行われ、先代より性能が向上しています。

エンジンもR06A型(ターボ)に換装され、ジムニー史上初となる専用チューニングが施されました。

またパートタイム4WD仕様のジムニーには、普通の車では見慣れないレバー式の副変速機を搭載。これは2WDと4WDの切り替えができる他、ローファイナルへ切り替えることで急斜面やぬかるみなどで驚くべき性能を発揮します。

なお、先代は切り替えがスイッチ式となっていましたが、「目視しなくても分かりやすい」という理由から、レバー式に戻されました。

出典:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/performance_eco/

先代達のアイコンを受け継いだ意匠

出典:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/styling/

ボディ形状は先代(JB23型)の丸みを帯びた形状とはうって変わり、よりオフロード車感のある、角が強めのスクエア形状に変更されました。

丸型のヘッドランプや独立ウインカーは初代と2代目から、特徴的な5スロットグリルは3代目からと、先代達からのアイコンが各所に取り入れられたデザインになっています。

前後バンパーにも、急斜面や障害物をスムーズに乗り越えるための指標となる3アングル(アプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングル)が採用され、本格オフロード対応仕様となりました。

普段乗りやチューニングベースとしても人気

photo by Takanori ARIMA

本格的オフロード車であることはもちろんですが、オシャレに街乗りをしたいユーザーも多く、車高を上げるリフトアップの他、車高を下げた(ローダウン)カスタムの車両も多く見かけるようになりました。

タイヤも純正のH/Tタイヤ(Highway Terrain・舗装路用タイヤ)の他に、見るからにオフロードに強そうなゴツゴツしたM/Tタイヤ(Mud Terrain・未舗装路用タイヤ)なども設定されており、タイヤでのオリジナリティが強く出せるのもジムニーの特徴です。


色んな遊び方とチューニングの方法があるため、同じジムニーでもそれぞれ全く違ったイメージを作り上げることができます。

世界戦略車のジムニーシエラ

スズキ新型ジムニーシエラ

スズキ新型ジムニーシエラ / 出典:https://suzuki-media.jp/

ジムニーには派生車として、普通車のジムニーシエラがラインナップされています。

エンジンは1.5L自然吸気のK15B型が搭載され、102馬力を発揮。ジムニーに搭載されたエンジンの、ターボを積極的に回してパワーを得るやんちゃな性格に比べると、排気量が上がったことで低回転からしっかりとトルクを発揮するジムニーシエラは、大人の乗り味となっています。

こちらは海外などを視野に入れたモデルでもあるため、悪路走破性や長距離移動での快適性も抜群です。

なお、車幅も軽自動車のジムニーが1,475mmなことに対し、普通車規格のジムニーシエラは1,675mmとなっていますが、これはワイドトレッド化されたジムニーのボディに、オーバーフェンダーを張り付けているため、キャビンスペースはジムニーと変わりません。

主要スペックと中古車価格

スズキ ジムニー(JB64W型 2018年式)
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,725
ホイールベース(mm):2,250
車両重量(kg):1,030-1,040kg
エンジン仕様・型式:R06A 水冷直列3気筒DOHC IC付ターボ
総排気量(cc):658
最高出力:47kw(64ps)/6,000rpm
最大トルク:96N・m(9.8kgm)/3,500rpm
トランスミッション:5MT・4AT
駆動方式:パートタイム4WD
中古車相場:160万~400万円
引用元:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny/detail/

スズキ ジムニーシエラ(JB74W型 2018年式)
全長×全幅×全高(mm):3,550×1,675×1,730
ホイールベース(mm):2,250
車両重量(kg):1,070-1,090kg
エンジン仕様・型式:K15B 水冷直列4気筒DOHC
総排気量(cc):1,460
最高出力:75kw(102ps)/6,000rpm
最大トルク:130N・m(13.3kgm)/4,000rpm
トランスミッション:5MT・4AT
駆動方式:パートタイム4WD
中古車相場:200万~380万円
引用元:https://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/detail/

まとめ

フルモデルチェンジで4代目となったジムニー&ジムニーシエラ。

そのオフロード性能は折り紙付きですが、今までよりも更に新たな客層やチューニング志向にも対応できる、マルチロールなモデルとなりました。

普段使いからオフロードでのキャンプや本格クロスカントリーまで、色々な付き合い方ができるので、「外へ遊びに連れて行ってくれる車」として根強い人気となっています。

 

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