スズキ アルトのスポーツモデル、アルトワークス。軽自動車でありながら高いポテンシャルを持ち、軽自動車とは思えない走りが魅力です。いったいなにが、そんなにすごいのでしょうか?!詳しくご紹介します。
アルトとは
ベースとなるアルトは、スズキより販売されている軽自動車です。
販売の歴史は古く、初代は1979年に誕生し、現行モデルは2014年に販売が開始された8代目です。
高い走行性能を誇り、軽自動車のなかでも人気が高い一台となっています。
アルトワークス
初代から現行モデルまで、アルトワークスの歴史を見ていきましょう。
初代
1987年2月に、2代目アルトのスポーティモデルとした誕生したのが、アルトワークスの始まりです。
前輪駆動(FF)がCA72V型、四輪駆動がCC72V型として登場した初代アルトワークスは、アルトを略して「ワークス」と呼ばれています。
搭載されたエンジンは、F5A型 550cc 3気筒4バルブDOHCにターボチャージャーを搭載し、最高出力64PS/7500rpm、最大トルク7.3kgm/4000rpmを発揮。
ライバルとしては、ダイハツのL70V ミラTR-XXが50PSを発揮しましたが、この時代、一般的な軽自動車の馬力は35PSほどだったので、どれだけハイスペックであったのかが伺えます。
開発中には、80PS近くまで達したとも言われています。
車重が600kgと非常に軽量なボディーに、ハイスペックエンジンを搭載するのは危険と判断され、このワークス誕生を期に、軽自動車の64PS規制が定められました。
主要諸元
全長×全幅×全高(mm):3195×1395×1380
車両重量(kg):610
エンジン型式:F5A型
種類:直列3気筒 DOHCターボ
総排気量(cc):543
最高出力(PS/rpm):64/7500
最大トルク(kgm/rpm):7.3/4000
2代目
3代目アルトをベースとし、2代目アルトワークスが誕生します。
駆動方式は前輪駆動と四輪駆動をラインナップ。ヘッドライトが、丸目となっているのが特徴です。
モデルライフ途中で、マイナーチェンジが何度か行われ、年代ごとに1988年9月販売モデルがM-CL11V(4WD:M-CM11V)、1990年3月モデルがE-CN21S(4WD:E-CP21S)、1991年9月モデルがE-CR22S(4WD:E-CS22S)として販売されています。
搭載されたエンジンは直列3気筒ターボで、前期型が550ccのF5B、1990年3月以降の後期型が660ccのF6Aです。
グレードによって、SOHCモデルとDOHCモデルがラインナップされました。
主要諸元
全長×全幅×全高(mm):3195×1395×1385
車両重量(kg):600
・前期型エンジン型式:F5B型
種類:直列3気筒ターボ
総排気量(cc):547
最高出力(PS/rpm)
SOHC:58/6500
DOHC:64/7500
最大トルク(kgm/rpm)
SOHC:7.4/4000
DOHC:7.8/4000
・後期型エンジン型式:F6A
種類直列3気筒ターボ
総排気量(cc):657
最高出力(PS/rpm)
SOHC:61/6000
DOHC:64/6500
最大トルク(kgm/rpm)
SOHC:9.2/3500
DOHC:8.7/4000
3代目
4代目アルトをベースに、3代目アルトワークスが誕生します。
駆動方式は前輪駆動と4WDからの選択が可能で、F6Aエンジンが搭載されたモデルと、最上位グレードのRS/Zに搭載された新開発のK6Aエンジンのモデルが設定されました。
F6AモデルがE-HA11S(4WD:E-HB11S)、K6AモデルはE-HA21S(4WD:E-HB21S)として販売されています。
K6Aエンジン搭載モデルはレースでも活躍し、ライバルを大きく引き離す、大活躍をみせました。
主要諸元
全長×全幅×全高(mm):3295×1395×1380
車両重量(kg):650(4WD:710)
・エンジン型式:F6A型
種類直列3気筒SOHCターボ
総排気量(cc):657
最高出力(PS/rpm):64/6000
最大トルク(kgm/rpm):10.0/4000
・エンジン型式:K6A型
種類直列3気筒SOHCターボ
総排気量(cc):658
最高出力(PS/rpm):64/6500
最大トルク(kgm/rpm):10.5/3500
4代目
5代目アルトをベースに、4代目アルトワークスが誕生します。
駆動方式は前輪駆動と4WDから選択可能で、F6Aエンジンを搭載したモデルと、最上位グレードのRS/Zに搭載された新開発のK6Aエンジン搭載モデルがありました。
F6AモデルはGF-HA12S 、K6AモデルはGF-HA22S として発売。
先代モデルよりも重たくなった車体や、ホットハッチブームが去ったことなどにより、販売は思ったほど伸びず、1999年10月を最後に、アルトワークスは長い眠りにつくこととなります。
主要諸元
全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1450
車両重量(kg):670(4WD:720)
・エンジン型式:F6A型
種類直列3気筒SOHCターボ
総排気量(cc):657
最高出力(PS/rpm):60/6000
最大トルク(kgm/rpm):8.5/4000
・エンジン型式:K6A型
種類直列3気筒DOHCターボ
総排気量(cc):658
最高出力(PS/rpm):64/6500
最大トルク(kgm/rpm):11.0/3500
5代目
長い期間、アルトワークスの販売が再開されることはありませんでしたが、現行モデルである8代目アルトをベースに、2015年12月に5代目アルトワークスが誕生します。
駆動方式を前輪駆動と4WDから選択可能で、マニュアル5速とシングルクラッチ式のセミ5速オートマのグレードが、展開されました。
2015年12月に発売されたモデルはDBA-HA36S、2020年10月に発売されたモデルからは、4BA-HA36Sの型式名となっています。
主要諸元
全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1500
車両重量(kg):MT:670 AT:690(4WD MT:720 AT:740)
・エンジン型式:R06A型
種類直列3気筒DOHCターボ
総排気量(cc):658
最高出力(PS/rpm):64/6000
最大トルク(kgm/rpm):10.2/3000
中古車相場
初代〜3代目アルトワークスは、販売が開始されてから年月が経過しているため、中古車市場に登録されている台数はあまりありません。
見つけても、古い年式のものは20万円〜、程度の良い3代目になると120万円ほどで販売されています。
4代目アルトワークスはまだ年式も新しく、100万円〜200万円ほどで販売されています。
まとめ
最速の軽自動車といえば、アルトワークスの名を思い浮かべる方も多いではないかと思います。
数々の軽自動車カテゴリーのレースでも活躍し、アマチュアからプロまで、幅広い人気を誇った1台。
手軽に始められる、軽自動車でのスポーツ走行を楽しむのには、うってつけの一台だと思います。