スズキ アルトのスポーツモデル、アルトワークス。軽自動車でありながら高いポテンシャルを持ち、軽自動車とは思えない走りが魅力です。いったいなにが、そんなにすごいのでしょうか?!詳しくご紹介します。

Photo by Grant.C

アルトとは

出典:https://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/styling/

ベースとなるアルトは、スズキより販売されている軽自動車です。

販売の歴史は古く、初代は1979年に誕生し、現行モデルは2014年に販売が開始された8代目です。

高い走行性能を誇り、軽自動車のなかでも人気が高い一台となっています。

アルトワークス

Photo by Grant.C

初代から現行モデルまで、アルトワークスの歴史を見ていきましょう。

初代

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%88#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Suzuki-AltoAsamiSpecial.JPG

1987年2月に、2代目アルトのスポーティモデルとした誕生したのが、アルトワークスの始まりです。

前輪駆動(FF)がCA72V型、四輪駆動がCC72V型として登場した初代アルトワークスは、アルトを略して「ワークス」と呼ばれています。

搭載されたエンジンは、F5A型 550cc 3気筒4バルブDOHCにターボチャージャーを搭載し、最高出力64PS/7500rpm、最大トルク7.3kgm/4000rpmを発揮。

ライバルとしては、ダイハツのL70V ミラTR-XXが50PSを発揮しましたが、この時代、一般的な軽自動車の馬力は35PSほどだったので、どれだけハイスペックであったのかが伺えます。

開発中には、80PS近くまで達したとも言われています。

車重が600kgと非常に軽量なボディーに、ハイスペックエンジンを搭載するのは危険と判断され、このワークス誕生を期に、軽自動車の64PS規制が定められました。

主要諸元

全長×全幅×全高(mm):3195×1395×1380

車両重量(kg):610

エンジン型式:F5A型

種類:直列3気筒 DOHCターボ

総排気量(cc):543

最高出力(PS/rpm):64/7500

最大トルク(kgm/rpm):7.3/4000

2代目

3代目アルトをベースとし、2代目アルトワークスが誕生します。

駆動方式は前輪駆動と四輪駆動をラインナップ。ヘッドライトが、丸目となっているのが特徴です。

モデルライフ途中で、マイナーチェンジが何度か行われ、年代ごとに1988年9月販売モデルがM-CL11V(4WD:M-CM11V)、1990年3月モデルがE-CN21S(4WD:E-CP21S)、1991年9月モデルがE-CR22S(4WD:E-CS22S)として販売されています。

搭載されたエンジンは直列3気筒ターボで、前期型が550ccのF5B、1990年3月以降の後期型が660ccのF6Aです。

グレードによって、SOHCモデルとDOHCモデルがラインナップされました。

主要諸元

全長×全幅×全高(mm):3195×1395×1385

車両重量(kg):600

・前期型エンジン型式:F5B型

種類:直列3気筒ターボ

総排気量(cc):547

最高出力(PS/rpm)

SOHC:58/6500

DOHC:64/7500

最大トルク(kgm/rpm)

SOHC:7.4/4000

DOHC:7.8/4000

・後期型エンジン型式:F6A

種類直列3気筒ターボ

総排気量(cc):657

最高出力(PS/rpm)

SOHC:61/6000

DOHC:64/6500

最大トルク(kgm/rpm)

SOHC:9.2/3500

DOHC:8.7/4000

3代目

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%88#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Suzuki_Alto_Works_001.JPG

4代目アルトをベースに、3代目アルトワークスが誕生します。

駆動方式は前輪駆動と4WDからの選択が可能で、F6Aエンジンが搭載されたモデルと、最上位グレードのRS/Zに搭載された新開発のK6Aエンジンのモデルが設定されました。

F6AモデルがE-HA11S(4WD:E-HB11S)、K6AモデルはE-HA21S(4WD:E-HB21S)として販売されています。

K6Aエンジン搭載モデルはレースでも活躍し、ライバルを大きく引き離す、大活躍をみせました。

主要諸元

全長×全幅×全高(mm):3295×1395×1380

車両重量(kg):650(4WD:710)

・エンジン型式:F6A型

種類直列3気筒SOHCターボ

総排気量(cc):657

最高出力(PS/rpm):64/6000

最大トルク(kgm/rpm):10.0/4000

・エンジン型式:K6A型

種類直列3気筒SOHCターボ

総排気量(cc):658

最高出力(PS/rpm):64/6500

最大トルク(kgm/rpm):10.5/3500

4代目

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%88#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Suzuki_Alto_Works_ie_5door_sedan.JPG

5代目アルトをベースに、4代目アルトワークスが誕生します。

駆動方式は前輪駆動と4WDから選択可能で、F6Aエンジンを搭載したモデルと、最上位グレードのRS/Zに搭載された新開発のK6Aエンジン搭載モデルがありました。

F6AモデルはGF-HA12S 、K6AモデルはGF-HA22S として発売。

先代モデルよりも重たくなった車体や、ホットハッチブームが去ったことなどにより、販売は思ったほど伸びず、1999年10月を最後に、アルトワークスは長い眠りにつくこととなります。

主要諸元

全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1450

車両重量(kg):670(4WD:720)

・エンジン型式:F6A型

種類直列3気筒SOHCターボ

総排気量(cc):657

最高出力(PS/rpm):60/6000

最大トルク(kgm/rpm):8.5/4000

・エンジン型式:K6A型

種類直列3気筒DOHCターボ

総排気量(cc):658

最高出力(PS/rpm):64/6500

最大トルク(kgm/rpm):11.0/3500

5代目

出典:https://www.suzuki.co.jp/car/alto_works/styling/

長い期間、アルトワークスの販売が再開されることはありませんでしたが、現行モデルである8代目アルトをベースに、2015年12月に5代目アルトワークスが誕生します。

駆動方式を前輪駆動と4WDから選択可能で、マニュアル5速とシングルクラッチ式のセミ5速オートマのグレードが、展開されました。

2015年12月に発売されたモデルはDBA-HA36S、2020年10月に発売されたモデルからは、4BA-HA36Sの型式名となっています。

主要諸元

全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1500

車両重量(kg):MT:670 AT:690(4WD MT:720 AT:740)

・エンジン型式:R06A型

種類直列3気筒DOHCターボ

総排気量(cc):658

最高出力(PS/rpm):64/6000

最大トルク(kgm/rpm):10.2/3000

中古車相場

Photo by Grant.C

初代〜3代目アルトワークスは、販売が開始されてから年月が経過しているため、中古車市場に登録されている台数はあまりありません。

見つけても、古い年式のものは20万円〜、程度の良い3代目になると120万円ほどで販売されています。

4代目アルトワークスはまだ年式も新しく、100万円〜200万円ほどで販売されています。

まとめ

最速の軽自動車といえば、アルトワークスの名を思い浮かべる方も多いではないかと思います。

数々の軽自動車カテゴリーのレースでも活躍し、アマチュアからプロまで、幅広い人気を誇った1台。

手軽に始められる、軽自動車でのスポーツ走行を楽しむのには、うってつけの一台だと思います。