軽自動車規格のオープンカー、カプチーノ。小さくて軽量ボディー、後輪駆動方式も相まって、キビキビとした走りが楽しめます。そんなカプチーノについて、詳しくご紹介します。
カプチーノ
スズキがラインナップしていた、オープン2シーターの軽自動車で、1991年〜1998年の約7年間、販売されました。
軽自動車のスポーツカーモデルでは珍しい、後輪駆動(FR)方式が採用されています。
同時期に販売されていた、他の軽自動車の中では唯一、カプチーノだけがFRでした。
足回りに関しても、軽自動車では初採用となる、前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションが搭載され、高い運動性能を発揮。
車名の由来は、コーヒーのカプチーノから取られており、小さいながらも可愛くてお洒落な車という意味が込められています。
前期型・後期型
カプチーノには、1991年11月発売されたモデルE-EA11R型と、1995年5月販売モデルE-EA21R型が存在し、前者の型式が前期、後者が後期モデルです。
大きな違いは、搭載されたエンジンにありました。
前期モデルはF6A型エンジンで、アルトワークス用に開発されたものが縦置きに配置されています。
後期モデルには、新開発のK6A型エンジンが搭載され、馬力は両車共に規制値上限の64PSに達しており、トルクも向上しています。
また、エンジン素材をアルミにすることで10kgの軽量化成功。
トランスミッションも、前期は5速MTのみのラインナップでしたが、後期には3速ATが追加されました。
エンジン比較
前期型 F6Aと後期型 K6Aのスペックを比較します。
・前期型
型式:F6A
種類:直列3気筒DOHCターボ
総排気量(cc):657
最高出力(PS/rpm):64/6500
最大トルク(kgm/rpm):8.7/4000
・後期型
型式:K6A
種類:直列3気筒DOHCターボ
総排気量(cc):658
最高出力(PS/rpm):64/6500
最大トルク(kgm/rpm):10.5/3500
主要諸元
型式
前期型:E-EA11R
後期型:E-EA21R
乗車定員(人):2
全長×全幅×全高(mm):3295×1395×1185
車両重量(kg)
前期: 700
後期MT:690 AT:700
ライバル比較 カプチーノ VS ビート
同じ軽自動車規格のオープン2シータースポーツカーで、カプチーノとよく比較されるのが、ホンダ ビートです。
2車間の違いについて、ご紹介しましょう。
搭載されたエンジンが、カプチーノがターボエンジンでビートが自然吸気エンジンです。
両車共に、馬力は上限値の64PSに達しており、ターボ搭載のカプチーノは6500rpmで最大になるのに対し、ビートは8100rpmで最大値を発揮します。
トルクに関しても、カプチーノが8.7kgm/4000rpmなのに対し、ビートは6.1kgm/7000rpmで、カプチーノは低中回転を得意とし、ビートは高回転域を得意とします。
また、駆動方式がカプチーノはFRなのに対し、ビートはMRで、旋回軸に重量物を持つビートの方が旋回性能やトラクション性能は高いのですが、挙動がピーキーなため、扱いが難しい面もあります。
どちらの車種においても、軽快な走りを楽しめる事に差はありません。
中古車相場
2021年3月現在、カプチーノは中古車市場において台数も減ってきており、程度の良い一台を探すのが困難になってます。
購入後のメンテナンス費用は、必ず掛かってくるでしょう。
販売価格は40万円〜250万円と、程度の違いによって大きな差があります。
また限定仕様のリミテッドモデルになると、250万円〜300万円ほどの高値が付けられています。
まとめ
今日販売されている軽自動車規格のスポーツカーを見ても、FR駆動方式を採用しているのは、世界的にも珍しく、後輪駆動の挙動を楽しみたいなら、カプチーノかビートが最適の選択です。
ホンダがビートの後継モデルとも言えるMR方式の軽自動車を販売し人気を集めているので、スズキからもカプチーノの後継モデルが誕生するのを期待したいところです。