セダンと言えば、トヨタのクラウンを思い浮かべる方も多いのでは無いでしょうか。その中でも多くの人の印象に強く残る「ゼロクラウン」は、いったいどんなクラウンだったのでしょうか?
クラウン
トヨタ自動車を代表する車種であるクラウンは、1955年に初代が誕生し、現行モデルである15代まで続く、長い歴史を持つ車です。
個人所有から、パトカー、タクシー・ハイヤーなどの法人車、営業車、自動車教習所の教習車まで、幅広いシュチュエーションで使用されています。
ゼロクラウン
2003年から2008年まで販売されていた、12代目クラウンS18型が、通称ゼロクラウンと呼ばれるモデルです。
「ZERO CROWN~かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる~」というキャッチコピーと合わせ、クラウン伝統の直列6気筒エンジンから、新開発のV型6気筒エンジンへ換装。
4輪ダブルウィッシュボーンだった足回りも、リアマルチリンク式に変更されただけでなく、プラットフォームが先代から一新されるなど、クラウンで新しい挑戦、ゼロからのスタートという意味を持つモデルでもありました。
ラインナップ
ゼロクラウンには、2003年12月~ 2005年10月に販売された前期型と、2005年10月~ 2008年2月に販売された後期型が存在します。
さらにその中で、ラグジュアリーなロイヤルと、スポーティなアスリートをラインナップ。ロイヤルはロイヤルエクストラ、ロイヤルサルーン、ロイヤルサルーンG。アスリートはアスリート、アスリートGパッケージを基本としています。
さらに、2004年12月にはクラウン生誕50周年を記念した特別仕様車、2006年4月はトヨタ店の販売チャンネル60周年を記念した特別仕様車が販売されました。
前期
搭載されたエンジンは、ロイヤルとアスリート共通で、V型6気筒の2500cc 4GR-FSE型と3000cc 3GR-FSE型の2種類。トランスミッションは2500ccが5速AT、3000ccが6速シーケンシャルシフト付きとなっています。
外観は、フロントグリルがロイヤルは縦横ルーバーでそれぞれ4本、アスリートはハニカム形状を採用。
リアのテールランプの見た目も異なり、ロイヤルは横に広がるデザインで、アスリートは丸目4灯式です。
内装は、ロイヤルがウッド調をメインにしてラグジュアリー感を演出。アスリートは黒を基調とした、スタイリッシュな雰囲気となっています、
後期
アスリートの3000ccであったエンジンが、3500ccの2GR-FSE型に変更され、よりパワーのある走りが楽しめるようになりました。
外観は、ロイヤルのフロントグリルの縦ルーバーが4本から6本になるなど、立体感のあるデザインに変更。アスリートのフロントバンパーにあったリップスポイラーが廃止され、一体感あるバンパーとなっています。
主要スペック
車両型式
・前期
2500cc:CBA-GRS180
3000cc:CBA-GRS182(4WDはCBA-GRS183)
・後期
2500cc:DBA-GRS180(4WDはDBA-GRS181)
3000cc:DBA-GRS182(4WDはDBA-GRS183 )
3500cc:DBA-GRS184
乗車定員(人):5
全長×全幅×全高(mm):4840×1780×1470(4WDは全高1485)
車両重量(kg):1550~1670
・エンジン型式:4GR-FSE
総排気量(cc):2499
最高出力(PS/rpm):215/6400
最大トルク(kgm/rpm):26.5/3800
・エンジン型式:3GR-FSE
総排気量(cc):2994
最高出力(PS/rpm):256/6200
最大トルク(kgm/rpm):32.0/3600
・エンジン型式:2GR-FSE
総排気量(cc):3456
最高出力(PS/rpm):315/6400
最大トルク(kgm/rpm):38.4/4800
中古車相場
クラウンは人気が高く、中古車市場にも多くの台数販売されています。
2021年3月現在、過走行気味で20万円〜状態の良いものでも200万円前後で取引されており、非常に購入しやすい価格帯からあるため、入門用やカスタムベースカーとして人気です。
まとめ
クラウン生産中止のニュースを聞いて、驚きを隠せませんが、日本のセダンの歴史を語る上で、絶対に外すことができないのがクラウンです。
さまざまな場面で、新旧クラウンが活躍しており、日本の国土にあったサイズ感と高い走行性能を誇ってきた、重要なモデルでもあるのです。
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