トヨタ自動車から販売されていた、大型高級セダン「セルシオ」。その最後のモデルでもある30系をご紹介します。個人所有はもちろん、特にハイヤー、VIPカーベースとして人気のモデルです。

セルシオとは

セルシオは、トヨタより販売されていた、大型の4ドアセダンで、高級車に分類される車です。

車名の由来は、ラテン語で最高という意味のcelsus(ケルスス)の比較級celsior(ケルシオール)の英語読みから名付けられました。

1989年の初代10系から始まり、1994年の20系、2000年の30系と続く、歴史のあるモデルで、レクサスブランドでも販売されており、LSの名で知られています。

今回は、その最終モデル30系をピックアップして、詳しく見ていきましょう。

30系セルシオ

Photo by Kieran White

30系セルシオは、2000年8月に登場。2代目の直線的なデザインから大きく方向転換が行われ、曲線的なデザインになったことによる、優雅で高貴なイメージが特徴です。

内装デザインにもこだわりが感じられ、高級ホテルでもある帝国ホテルやリッツ・カールトンを参考にしたといいます。

シートには究極の座り心地が追求され、日本航空のファーストクラスがモデルとされました。

搭載されたエンジンは、V型8気筒4300ccの3UZ-FE型です。

途中マイナージェンが行われ、30系には前期モデルと後期モデルが存在します。

2000年〜2003年までが前期型、2003年8月〜2006年が後期で、前期後期では見た目に大きな差があり、ヘッドライトやボンネット形状が変更されたことに加え、後期ではテールランプがLEDとなりました。

また、トランスミッションが前期は5速ATだったのに対し、後期は6速ATとなり、燃費性能や走行性能を向上。後期型の販売終了後、セルシオはレクサスブランドで販売されることとなり、この30系を最後にセルシオの名は消えて、レクサスLSに引き継がれます。

グレード展開

30系セルシオには様々なグレードが展開されており、乗り心地や内装などに違いがあります。

前期型には、A仕様・B仕様・C仕様があり、AとBには欧州車に対抗するために、足回りのセッティングを変えたeRバージョンが設定されました。

後期型ではB仕様が無くなり、eRグレードを追加。C仕様は、サスペンションがエアサスとなったことで、さらに乗り心地の良いモデルとなり、そのCの中にも後席の居住性を向上させた、Fパッケージモデルが設定されています。

Fパッケージは、リアシートがパワーシートとなっており、マッサージ機能やシートヒーターといった後席に座る人が快適に過ごせる装備が備えられました。

そのため、お客様を乗せる、ハイヤーなどで採用された事も特徴のひとつです。

主要スペック

車両型式

2000年、2001年モデル:UA-UCF30(C仕様:UA-UCF31)

2004年2月モデル:CBA-UCF30(C仕様:CBA-UCF31)

2004年7月モデル:DBA-UCF30(C仕様:DBA-UCF31)

CBAは平成17年基準排出ガス50%低減レベルのもの、DBAは平成17年基準排出ガス75%低減レベルのものを指します。

乗車定員(人):5

全長×全幅×全高(mm)

前期モデル:4995×1830×1490
後期モデル:5015×1830×1490

車両重量(kg):1780〜1870

エンジン型式:3UZ-FE

種類:V型8気筒

総排気量(cc):4292

最高出力(PS/rpm):280/5600

最大トルク(kgm/rpm):43.8/3400

中古車相場

Photo by crash71100

セルシオは、大排気量な上に車体も大型なため、日本国内では、運転に気を使うだけでなく、税金も高く、燃費も良いとは言えません。

その要因もあってか、中古車市場では新車価格と比較すると、非常に安い価格で取引されており、2021年2月現在は、50万円〜300万円ほどで入手することができます。

まとめ

販売終了から少し年月が経過していますが、当時新車販売価格が600万〜800万円であったセルシオを、中古車で格安で手に入る時代となりました。

今日においては、VIPカーのベース車両としても高い人気を誇ります。

かなり大きな車体で気を使いますが、一度は運転席ではなく、後席にゆったりと座ってみたい一台です。

Motorzではメールマガジンを始めました!

編集部の裏話が聞けたり、月に一度は抽選でプレゼントがもらえるかも!?

気になった方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みいただくか、以下のフォームからご登録をお願いします!