最新のラグジュアリーカーは、自動車メーカーと音響メーカーが共同開発し、車種ごとに専用チューニングが施された超高級オーディオが装備されることが多々。しかし、いい音で車内の音楽を楽しむのは、決して高級車だけの特権ではありません。
掲載日:2019/08/05
デッドニングとは?
自動車のスピーカーは通常、4個までなら前後ドアに設置されます。
しかし自動車のドア内部には、パワーウィンドウの開閉スペースやサイドインパクトバーなどが設けられており、意外に空洞が多い構造になっています。
そしてドアスピーカーは車内に向けて音を鳴らす一方で、実はドア内部の空洞で反響音を発生させ、それがノイズとなって音質低下を招いているのです。
またスピーカーの取り付け部も、ドアの鋼板部分にネジ止めしただけのものが多く、音響的に考慮された取り付け方法にはなっていません。
この取り付け部のドア鋼板が振動に弱いと、ノイズとなって車内に響いてしまいます。
そのため、社外のスピーカーなどに交換せずとも、ドアスピーカー周囲を防音制振部材で覆い、余計な空洞を埋めてノイズを発生させないようにするだけで、充分音質は向上するのです。
このオーディオチューニングのことを、『デッドニング』と呼びます。
デッドニングのメリット
デッドニングには、メリットが多々あります。
①音質向上
デッドニングはスピーカー後方のドア空洞部を埋めて余計な反響音を減らし、取り付け部も制振性に優れたブラケットをかませます。
これらにより、スピーカーが本来持っている性能が引き出されるので自動車に標準装備されている純正スピーカーでも、効果が期待できます。
②防音効果向上
防音制振性に優れた部材でドアの空洞を埋めます。
音は空気の振動なので、これを抑えることにより車外への音漏れの低減が期待できるのです。
③ドア音に重厚感
国産車のドアの開閉音時には、「パフッ」っと軽い音がします。
これはドア内部の空洞が原因です。
しかし、デッドニングを施したドアは、「ドンッ」と重厚な音が期待でき、ドアの開閉音が重厚になると、自動車の品質や車格も急にアップしたように感じられるのは、筆者だけではないと思います。
デッドニングのデメリット
デッドニングのメリットをご紹介してきましたが、デメリットもあります。
①施工が大変
デッドニングを施すにはドアの内張を外し、ドアを外してパワーウインドウも念のために外し、ドアを解体することになります。
自動車好き、オーディオ好きの方ならDIYでチャレンジするのも楽しいと思いますが、単に良い音を楽しみたいのなら、業者に依頼した方が確実です。
ただし、施工費用がかかり、これもデッドニングのデメリットになります。
ちなみにオーディオテクニカから発売されているドアチューニングキット『AT7405』は、小売希望価格15,000円(税抜)で購入可能なので、個人でDIYにチャレンジすることも不可能ではありません。
②ドアが(若干)重くなる
ドア内部の空洞を埋める防音制振部材の量にもよりますが、ドアが重く感じられます。
デッドニングに使用する吸音、防音、制振の各シート類は厚いと3cmにもおよび、重さもそれなりにあります。
まとめ
好きな音楽を良い音で聞きながらの愛車でのドライブは、カーライフの楽しみの1つです。
デッドニングは標準オーディオでも、車内をリスニングルームに一変できる有効な手段!
動画の11分ごろからデッドニングの効果を体感できるので、あわせてご覧になってみてくださいね。
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