V型10気筒やV型12気筒エンジンを搭載した車は、とにかく高価なモデルがほとんどです。たとえばフェラーリ 512BBは1000万円を越え、ランボルギーニ ウラカン LP610-4は2000万円以上。しかし、なかには“買うだけなら300万円以内で入手できる”車も存在するのです。
掲載日:2020/03/09
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V型10気筒エンジン搭載車
V型10気筒エンジンは、V型12気筒と比較するとバランスが悪いことから、かつては多くのメーカーで敬遠されていましたが、アルファロメオが1986年にF1へV10搭載車を投入してから状況は一変。
2000年以降はF1参戦車がV型10気筒エンジン搭載車に限定されたことで、より注目を集めます。
そんなV型10気筒エンジンを搭載した車のうち、購入だけなら300万円以内で手に入る車をピックアップしてみました。
BMW M5 5.0 E60
BMW M5はドイツのBMWから販売されているセダンおよび、ステーションワゴンのBMW 5シリーズを、M社がチューニングしたモデルです。
2007年から2010年にかけて生産されたE60LCIは、最大出力507ps/7,750rpmを発揮するV10エンジンを搭載し、変速機には2ペダルMTのセミAT 7速SMGが採用されています。
ステアリングのMボタンでセッティングモードを変更することができ、隠しモードである“P500Sモード”では、シフトスピードを5から6へとアップ。
外装には専用のエアロパーツが採用され、足回りには19inアルミホイール、またはオプションでM6用ホイールが装着可能です。
アウディ S8 5.2
アウディ S8はドイツのアウディが製造するスポーティクーペであり、V型10気筒エンジンを搭載しているのは、初代の5.2FSIグレードとGTグレード、2代目の全グレードです。
2009年1月のデトロイトショー2009で披露された5.2FSIは、通常モデルよりもフロントエアインテークが大型化され、フロントグリルにもクローム処理が施されており、内部には最大で525ps/8,000rpmを発揮するV10が搭載されていました。
2012年に販売されたGTスパイダーは、全世界で333台限定で発売されたモデルであり、こちらには560psに達するV10エンジンを搭載。
続く2代目アウディ R8には全モデルで5.2リッターのV10エンジンが採用され、そのうちR8 V10グレードには最大出力540ps、その上位クラスのR8 V10 plusには最大で610psを発揮する、文字通りのモンスターマシンです。
V型12気筒エンジン搭載車
V型12気筒エンジンはV10エンジンと比べて安定したエンジンですが、それでも2020年現在、V型12気筒エンジンを載せた車を販売しているメーカーは少ないのが現状です。
BMWやアストン マーティン、ランボルギーニ、ロールス・ロイス、フェラーリ、メルセデス・ベンツなど、V10搭載車を販売しているメーカーに比べると数は多いですが、それでも排ガス規制や燃費問題などで、V12エンジンの開発・製造は下火になっています。
そんなV型12気筒エンジン搭載車から、購入だけなら300万円以内で入手できる車は以下の通りです。
4代目BMW ・7シリーズ 760Li
BMWが販売する高級セダンのグレード、7シリーズのうち、V12エンジンを搭載した760Liは2003年に発売されました。
内部に搭載された、6リッターV12エンジンが発揮する出力は最大で445ps/6,000rpmに達し、バルブトロニック技術を採用したことで燃費と排ガス性能も向上。
変速機には6速の電子制御式ATを採用し、「iドライブ」と呼ばれる操作式インターフェースを搭載するなど、開発陣の新しい試みが反映された車でもあります。
メルセデス・ベンツ S600ロング
メルセデス・ベンツはドイツのダイムラーが販売する高級自動車ブランドですが、そのフラッグシップモデル(メーカーの総力を結集したモデル)がSクラスです。
そのSクラスのうち、2005年から2013年にかけて販売された5代目S600の最高峰グレードのS600 ロングにV12エンジンが搭載されています。
大型フロントグリルが特徴的な車体は、4代目モデルと比べて拡張されたものの、どこか小ぶりにも見えるデザインで、ホイールベースを拡大。
居住性が増した車内には、BMW ・7シリーズから影響を受けた操作ダイヤル、「COMANDシステム」が採用され、利便性も向上しています。
内部に搭載された5.5リッターのV12ツインターボエンジンは、最大で517psの出力を発揮。
アクセルを踏むと、強烈な加速が体感できる1台です。
初代ジャガー XJ-Sクーペ
イギリスの高級車メーカー、ジャガーが1975年から1996年にかけて販売していたグランツーリスモカーが、ジャガー XJ-Sです。
クーペタイプのボディに搭載された5.3リッターのV型12気筒エンジンは、5,344ccのSOHCであり、最大出力は284psを発揮。
内装は美しい木目のウッドパネルと革製シートを採用し、上品かつ洗練された雰囲気を出。
外装はスポーティに仕上げられ、贅沢なグランツーリスモカーに仕上げられています。
また、走りは滑らかで力強く、1981年8月のトランス・アメリカ・セダン・チャンピオンシップ(トランザム・チャンピオンシップ)でランキング2位に入ったポテンシャルを誇ります。
まとめ
今回ご紹介した、V10・V12エンジン搭載車はどちらも300万円以下で入手可能ですが、やはりその維持費や税金などで多額の投資が必要なため、気軽に買える車ではありません。
簡単に手を出し、あとで泣く泣く手放すことになるのは、なるべく避けたいものです。
ジャガー XJ-Sのような旧車はもちろん、2000年代初期のモデルでも維持が難しい個体もあるので、よく財布と相談してから購入するかどうかを決めましょう。
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