冬から春にかけて、スタッドレスタイヤからサマータイヤに変える方も多いかと思います。そこで、変える時期や、その際にできるチェック事項をご紹介します。
適切な交換時期
タイヤの交換時期は、地域によって気候差があるため、場所によって異なります。
一般的には平野部で4月ごろ、山間部や豪雪地帯においては5月ごろが、おおよその目安です。
タイヤ交換でショップを訪れる人が多いのは、3月中旬〜下旬あたりで、山間部や豪雪地帯はゴールデンウィークに入る前の、4月下旬〜5月上旬と言われています。この期間は混み合うので、注意しましょう。
また、繁忙期は工賃が割増しになっていることも考えられます。
それらの時期を避け、普段通りの工賃で交換するのもいいのですが、スタッドレスタイヤは雪道に適したタイヤであるため、雨やドライでの性能はサマータイヤに劣ります。そうれらを考慮すると、適切な時期に交換することがおススメです。
交換時にチェックする項目
タイヤを交換する際は、せっかくホイールを外して作業をするので、普段見れない部分のチェックもするようにしましょう。
・外したスタッドレスタイヤの残り溝や硬さをチェック
・ホイールに歪みや大きな傷がないかをチェック
・取り付けるサマータイヤの残り溝や、表面の状態をチェック
スタッドレスタイヤの寿命
タイヤの寿命を判断する目安は、使用頻度にもよりますが、新品タイヤで3〜4シーズンほどです。
タイヤの硬さについては専用の測定器で計測し、硬度55〜60が要注意、60以上の場合はもう使えません。
なお、翌シーズンになってから、再びタイヤを取り付ける際にも硬度測定は必須項目です。
保管方法
タイヤはゴム素材なので、油分を嫌います。綺麗に洗浄を行い、十分に乾かした状態で保管しましょう。
ホイール付きの場合は、空気圧を少しさげておくのがお勧めです。
保管中の劣化を防ぐために、保管は風通しの良い日陰か倉庫内、タイヤ保管サービスが最適ですが、屋外保管の場合は、遮光・防水機能があるタイヤカバーをつけて保管しましょう。
交換時の注意事項
交換時にはいくつかの注意事項があり、安全面を保つためにも重要となります。
ホイールナット
よく間違える方が多い重要なポイントが、ホイールナットの種類です。
ホイールごとタイヤを交換する場合は、純正ホイールと社外品ホイールでは適合するナットの種類が異なる場合がほとんどです。
必ずプロの目で確認してもらい、適切なナット、適切なトルクで締め付けてもらうようにしましょう。
取り付けのナットが合っていなかったり、トルクが不足していた場合、走行中にホイールが脱落するなどの事故に繋がる可能性を増加させることになります。
ジャッキアップ
DIYで交換する方は、適切なジャッキアップを行い、車体が落下しても車体下部に空間ができるよう、取り外したホイールを入れておき、きちんとリジットラックで車体を安定させましょう。
まれに砂利の駐車場や傾斜部で作業をしている人を見かけることがありますが、バランスが悪く、車体が倒れてくる可能性があるので、絶対にやめましょう。
交換後の走行
タイヤ交換後は、走行フィールが少し変わります。
タイヤの特性に慣れるためにも、交換後は速度を抑え、より安全に運転する事をこころがけましょう。
また、新品タイヤに変えた直後は、本来のグリップ性能がでるまでの慣らしが必要です。
最低でも100kmは走行し、その後タイヤの状態チェックとナットの締め付けトルクをチェックします。
スタッドレスタイヤ豆知識
スタッドレスタイヤは、凍結路や雪が積もった道でも滑らず安全に走行できるように開発されたタイヤです。
昔は、金属ピンを埋め込んだスパイクタイヤが主流でしたが、路面を破壊するなどの悪影響が目立つため、法律で公道での使用が禁止されました。
その後開発されたのがスタッドレスタイヤで、ピンを意味するスタッドと、無いを意味するレスの組み合わせで、ピンが無いタイヤという意味を持っています。
サマータイヤとの違いは、タイヤゴムの柔らかさとタイヤパターンの違い。
スタッドレスは低温となる雪上で使用しても硬くならないように、柔らかいゴムで作られており、タイヤパターンも特殊なものが使用されています。
どうして滑る?!
雪道で滑ってしまう原因は、タイヤと路面の間に、雪や氷が溶けてできた薄い水の膜によって、タイヤと路面間の摩擦が無くなるためです。
そこで、スタッドレスタイヤは特殊な深い溝と柔らかいゴムで、凹凸のある路面にしっかりと密着すること、タイヤと路間の間に張る水の膜を取り除く特殊な構造を採用することなどにより、摩擦を生み、滑りやすい路面状況でも安定したグリップを得ることができます。
まとめ
タイヤ交換は、適切な時期に行うことが大切です。
スタッドレスタイヤを履いたまま、適用外の時期にクルマを走らせる事は、十分な性能が発揮されないため危険性です。
近年、オールシーズン対応のタイヤも出ているので、適用環境で車を使用される方は、選択肢の一つとして考えるのもいいでしょう。