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打倒ダットラ!小型トラックに新風を吹き込んだ初代トヨタ・ハイラックスとは?

1950年代から1960年代にかけ、1t積み小型ボンネットトラックでは乗用車並のスタイリッシュなデザインと定評ある堅牢性、信頼性を有するダットサン・トラックが圧倒的なシェアを誇っていました。ライバル各社も矢継ぎ早に対抗策を打ち出しますが、なかなか及びません。そんな中、日野と業務提携を結んだトヨタが、名車ブリスカを生み出した日野の開発力を頼って新型車をデビューさせます。その新型車こそが、以降長らくベストセラーの座につくことになる初代ハイラックスなのです。

 

初代トヨタ ハイラックス/ 出典:https://www.favcars.com/toyota-hilux-jp-spec-1968-72-photos-186548-800×600.htm

 

『ライトスタウト』トヨタと『ブリスカ』日野の提携

 

初代トヨタ ハイラックス /  出典:https://www.favcars.com/toyota-hilux-1968-72-images-29324.htm

 

1960年代、ダットサン210や初代ブルーバードなど当時の乗用車と同テイストのフロントマスクを持ち、スタイリッシュかつ堅牢、扱いやすいサイズで乗用車感覚で乗れる1t積み小型ボンネットトラックとして、『ダットラ(ダットサン・トラック)』は圧倒的人気でした。

マイカー時代到来前は、まだ乗用車よりも商用車の販売台数の方がよほど大事だったので、ライバル各社も『打倒ダットラ』を目指したモデルを投入しますが、いずれも帯に短しタスキに長し(※中途半端で役に立たないことのたとえ)。

トヨタもトヨペットRK型トラックから改称、トヨペット・マスターのボディパネルを流用したスタウトをダットラと同サイズの1t積みへ縮小した『ライトスタウト』(1963年8月発売)で追撃しますが、今ひとつ煮え切らず、思ったような成果が得られません。

一方で、単独での自動車事業存続に限界を感じて業務提携を結びトヨタ傘下に入った日野は、乗用車『コンテッサ』をトヨタとの競合車種として生産するも販売終了となりましたが、商用車の生産は継続し、小型トラック『ブリスカ』もトヨタブランドで継続販売されました。

また、トヨタは業務提携を結んで傘下に収めたメーカーに競合車種を廃止させる一方、メーカーが得意とする分野についてはむしろ新たなトヨタ車を作るために仕事を任せる傾向があります。

そしてブリスカの開発で小型トラックは日野の方が得意と見たトヨタは、ブリスカとライトスタウト、コロナピックアップを統合した新型1t積み小型ボンネットトラックを企画。

日野が開発・生産(羽村工場)する体制を整え、満を持した『ダットラキラー』初代ハイラックスを1968年3月に発売したのです。

 

『打倒ダットラ』の決定版は、トラック一本槍!

 

初代トヨタ ハイラックス / 出典:https://www.favcars.com/toyota-hilux-1968-72-images-186550.htm

 

当時の『ダットラ』は6代目520系に移行、初期には410型、後期は510型ブルーバードと共通イメージのフロントマスクを持っていましたが、小型ボンネットトラック界隈では、2代目トヨタ・スタウトなどのアメリカントラック路線もウケ始めていました。

そして初代ハイラックスも丸目4灯ヘッドライトと左右端に補助灯を装備しハチマキ状スリットグリルを持つアメリカンスタイリッシュ路線で、ダットラとは異なるワイルドな雰囲気を漂わせます。

また、エンジンは初代ハイラックス発売と同年に追加された1.5リッター版(J15・77馬力/5,200rpm)よりスペック上は劣るものの、最高出力・最大トルクともにより低回転で発揮する実用性の高い1.5リッター2Rエンジン(70馬力/5,000rpm)を搭載。

トラックのほか乗用車風ワンピースボディのピックアップ、ライトバンをラインナップしたダットラとは異なり、ピックアップは初代コロナマークIIピックアップ、ライトバンはコロナバンやコロナマークIIバンに任せ、初代ハイラックスは1t積みトラック一本槍でした。

登場後はロングホイールベース版追加やエンジンを1.6リッターの12Rに強化するなどの改良を受け、北米にも『トヨタ・トラック』の名で輸出され、次第にダットラの牙城を崩していき、現在に至るまでの長い歴史を歩み始めたのです。

 

主なスペックと中古車相場

 

初代トヨタ ハイラックス /出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60015512/

 

トヨタ RN10-D ハイラックス デラックス 1968年式

全長×全幅×全高(mm):4,215×1,580×1,570

ホイールベース(mm):2,540

車両重量(kg):1,040

エンジン仕様・型式:2R 水冷直列4気筒OHV8バルブ

総排気量(cc):1,490

最高出力:51kw(70ps)/5,000rpm(グロス値)

最大トルク:113N・m(11.5kgm)/2,600rpm(同上)

トランスミッション:コラム4MT

駆動方式:FR

中古車相場:皆無

 

まとめ

 

初代トヨタ ハイラックス /出典:https://www.favcars.com/toyota-hilux-1968-72-pictures-29325.htm

 

第2次世界大戦の敗戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)からの許可を得て小型トラックの生産を再開して以来、乗用車とはまた異なる分野で激しい販売合戦の火花を散らしていた小型ボンネットトラック市場。

単にイメージや販売力が優れているだけでなく、実際の機能面やサービス体制で優れている事が求められる商用車の世界で、トヨタがようやくダットサン(日産)に対抗できる小型ボンネットトラックとして誕生したのが初代ハイラックスでした。

その後トラック市場はボンネットトラックよりキャブオーバートラックを求め、SUV需要も一息ついた今ではトヨタも日産も国内販売を終了。

トヨタがわずかにダブルキャブ版のハイラックスを輸入販売するのみとなっています。

しかし1960年代末から1970年代にかけては、ハイラックスとダットラの戦いが始まったばかりであり、日野(ブリスカ)やダイハツ(ハイライン)のトヨタ傘下入りによる脱落もあって、一層激しさを増していこうとしていました。

 

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著者:兵藤 忠彦

ダイハツ党で、かつてはジムカーナドライバーとしてダイハツチャレンジカップを中心に、全日本ジムカーナにもスポット参戦で出場。 その後はサザンサーキット(宮城県柴田郡村田町)を拠点に、主にオーガナイザー(主催者)側の立場からモータースポーツに関わっていました。

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