第7位:マーシャルの指示を無視すると…罰金120万円!

©︎鈴鹿サーキット

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接触などの危険行為によってペナルティが課されることは少なくありませんが、マシンを降りた後の危険行為は罰金に処されるケースもあります。

2009年のブラジルGPでヤルノ・トゥルーリはオープニングラップでエイドリアン・スーティルと接触しリタイアを喫してしまいました。

この時、トゥルーリは接触の原因を作ったスーティルに対しすぐさま激しく詰め寄ったのですが、これがペナルティの対象となってしまったのです。

ペナルティの理由は口論が原因ではなく、コースマーシャルが避難するよう呼びかけたのを無視したこと。FIAは彼に対して1万ドル(約120万円)の罰金と戒告処分を下しました。

 

第6位:DRS不正使用だけで…罰金180万円!

©Pirelli

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これは少し珍しい事例ですが、2013年のハンガリーGPでフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がDRSを不正に使用したということが発覚し、罰金が科されました。

DRSはレース中に前車との間隔が1秒以内でないと使用できないシステムなのですが、マシンは予選やフリー走行時のモードとなっており、レース中の使用条件を満たしていないにも関わらず3回以上使用していたと記録が残されていたのです。

これに対し、チームがマシンのメンテナンスを怠ったという判断でしたが、チームはそれが発覚してからは1秒以上の際にDRSを使用しないように伝えており、また使用時のメリットは小さなものだったとして、レースタイムの加算ではなく1万5000ユーロ(約180万円)の罰金で済まされました。

 

第5位:タイトル獲得で喜び爆発&ファンサービスも…罰金330万円!

©︎Pirelli

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第5位に入ったのは2013年のF1王者直後の、あの“ドーナツターン”です。

2013年インドGPで4連覇という偉業を達成したベッテルは、ウィニングランで喜びを表すとホームストレートでドーナツターンを披露。スタンドからは大きな拍手が送られるという感動的なシーンを演出しました。

しかし、本来マシンを車検を行うためパルクフェルメ(車両保管所)に戻さなければならないというレギュレーション違反に該当。これでベッテルは戒告処分を受け、チームはその指示を怠ったとして2万5000ユーロ(約330万円)の罰金を科されしまいました。

©︎Red Bull Content Pool

チャンピオン決定直後でファンを喜ばせるパフォーマンスを披露したにもかかわらず、罰金という裁定。さすがにこれはナンセンスだという意見も少なくありませんでした。

ちなみベッテルはこの次戦となるアブダビGPでも優勝を飾り、見事なドーナツターンを披露しましたが、チーム代表であるクリスチャン・ホーナーから「次やったら罰金は払わせるぞ。」と冗談交じりに言われたためか、しっかりとパルクフェルメにマシンを戻していました。

 

第4位:チームメイト同士の接触で…罰金1200万円!

©Pirelli

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こちらはチーム内での処罰として課された罰金です。

2014年ベルギーGPでタイトル争いを繰り広げたメルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ。レース序盤にまさかの同士討ちを演じ、優勝候補であった両者はともに勝利を逃すという結果に終わってしまいました。

FIA側はレースアクシデントという裁定で両者にペナルティはなかったのですが、メルセデスは接触の原因を作ったとしてロズベルグに対し罰金を請求。

金額の詳細は明らかにされていませんが、最低でも10万ユーロとなると約1200万円と報じられており、チーム内でも非常に重い処分が下されることもあるようですね。

ちなみにこの罰金の使い道は、慈善事業に寄付という形で有意義に使われたと発表されています。

 

第3位:F1参戦をドタキャンすると…罰金3770万円!

©Pirelli

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2010年はロータス(後のケータハム)、ヴァージン(現在のマノー)、HRTといった新興チームが参入が目立ちましたが、それに加えてUSF1というアメリカのチームが参入する予定があったのを覚えているでしょうか。

USF1は2009年2月にF1参戦への意向を表明すると、2010年度のエントリーリストにもその名が記載され、アメリカ国籍のF1チームとして新規参入は確実と思われていました。

しかし、2010年1月に資金難に陥っているとのコメントを発表すると、翌月には参戦を1年遅らせるようFIAに要請していることが判明。4月に入ると突如チームは消滅してしまいます。

急きょ参戦を取りやめたことに対し、FIAは30万9000ユーロ(約3770万円)の罰金と競技資格の剥奪というペナルティを科しました。

F1参戦における”ドタキャン”は、あまりにも高額なペナルティが課されるのですね。

 

第2位:表彰式のレギュレーション違反で…罰金1億2000万円!!

出典:http://formula1.ferrari.com/

出典:http://formula1.ferrari.com/

2002年のオーストリアGPで当時無敵を誇ったフェラーリチーム、ミハエル・シューマッハ、そしてルーベンス・バリチェロが起こした「チームオーダー」の一件も、多額の罰金処分が下されました。

序盤からレースをリードしていたバリチェロが、チームの指示でゴール直前でシューマッハにトップを譲りました。という、言わば八百長ともいえる事件が発生。

当時はチームオーダーは禁止ではなかったのですが、ゴール直前にあからさまに順位を入れ替えた行為に、メディアのみならずファンからも大バッシング。F1界に大きな波紋を起こしました。

この一件に対しFIAが彼らにペナルティを科すのですが、その理由はチームオーダーではなく、表彰式での対応について。

シューマッハがバリチェロに優勝トロフィーを渡し、結果通りの順位に整列しなかったなど、表彰式のレギュレーションに違反が対象となり、なんと100万ドル(約1億2000万円)がチームに請求されました。

ちなみに2010年のドイツGPでフェラーリがチームオーダーを行い、フェルナンド・アロンソとフェリペ・マッサの順位を意図的に操作したとして10万ドル(約1200万円)の罰金を言い渡されており、チームオーダーの件でF1界を騒がせることが多いですね。

 

第1位:驚愕のマクラーレン、スパイ事件…罰金115億円!!!

出典:https://upload.wikimedia.org/

2007年はタイトルを争う活躍を見せるも、事件が発覚しコンストラクターズポイントを剥奪され、莫大な罰金が科されてしまった。(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/)

そして、第1位はマシン設計に関する技術を盗んだとしてF1界を騒然とさせた、マクラーレンのスパイ事件。

フェラーリに所属していたナイジェル・ステップニー氏がチームを離職した後に、当時マクラーレンのチーフエンジニアを務めていたマイク・コフラン氏にマシンの設計図などの情報を漏らしたとフェラーリが主張したのが、事の発端でした。

この一件では、イギリスやイタリアの警察も捜査に乗り出すなど事態は大きく膨れ上がり、最終的にFIAはマクラーレンが不正に情報入手、これを利用したという裁定を下しました。

結果、FIAがマクラーレンに対し2007年度のコンストラクターズポイントの剥奪と、なんと罰金1億ドル(約115億円)という前代未聞のペナルティが下されたのです。

この罰金は、最終的にマクラーレンが受け取る分配金などから差し引かれるという形となり、またマクラーレン側の主張により課税控除も認められました。これにより、実際に支払った金額は約半分となる5133万ドルだったと言われています。

一件減刑のようにも見えますが、このスキャンダルででマクラーレンは大打撃を受け、翌年の参戦が危ぶまれるほどに。

今でもF1界を震撼させる一大スキャンダルとして多くの人に記憶されています。

 

まとめ

F1ではドライバーの年棒やチームの予算が莫大な金額ということで有名ですが、罰金も世間離れした金額であることがお分かりいただけたかと思います。

ですが、F1ではスポーツマンシップに反する行為や、危険行為に対しては厳格なレギュレーションが定められており、これらを守ることで安全性を確立しているという側面もあるのです。

近年はマシンに対してもレースに関しても、レギュレーションが厳しすぎるという意見も多く聞かれるF1ですが、こういった厳格な取り決めがあるから安全性やスポーツマンシップが保たれているということも、忘れてはならない気がしますね。

 

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