オイルの種類

出典:https://www.dreamstime.com/stock-image-engines-shelves-junkyard-image29660361

 

カー用品店の棚いっぱいに、ずらりと並ぶエンジンオイル。

あまりに種類が多くて、何を選んでいいのやら…と、悩んだ経験はありませんか?

そこで、エンジンオイルにはどのような種類があるのか、確認してみたいと思います。

まず最もポピュラーなのが、鉱物油です。

鉱物油は、原油から様々な成分(工業製品として必要な成分)を抽出した後の廃油をベースとして精製したも。

次に、化学合成油。

こちらは原油から抽出したナフサという原料をベースに、幾つかの化学的合成を行い、均一な分子構造を造り上げたものです。

鉱物油と比べて、製造にコストがかかる為、価格は高くなってしまいます。

そして最後に、部分合成油。

こちらは名前から想像できる通り、鉱物ベースの油と化学合成ベースの油を混合したものです。

鉱物油よりも性能が良く、化学合成油ほど高価ではない。

ある意味、一番バランスのとれたオイルと言えるかもしれません。

さて、ここで『性能』という言葉が出てきましたが、鉱物油と化学合成油を比較したときに、大きく違う『性能』とは何の事でしょうか。

それは、『粘度指数』の違いです。

粘度指数とは、温度による粘度変化率を示したもので、大きければ大きいほど変化率が少ないというもの。

エンジンオイルは、低温から高温までしっかりと粘度を保っていることが望ましく、一般的には粘度指数が大きいほうが理想的となっています。

また、オイルによって粘度指数は様々ですが、鉱物油が100前後であるのに対し、化学合成油では150を超えるものも!!

そして、求める用途に応じてそれに特化した成分に調整することが化学合成油では可能であり、鉱物油より多くの用途に使用する事ができるのです。

 

粘度とは?

 

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オイル缶に必ず表記されているのが、粘度表示です。

それは、例えば『10W-30』といった表示で、一般的なユーザーがオイルを選ぶ際に一番の指標とする値となります。

また、『W』の前の数字を低温粘度といい、40度の時の動粘度を示しています。

そして、『-』後ろの数字は高温粘度で、100度の時の動粘度を示しているのです。

ちなみに、動粘度とはオイルの流れやすさのことで、数字が大きくなるほど硬くなり、流れにくくなります。

そのため、オイルは低温で硬く、高温で柔らかくなるという特性があるので、低温時は低温粘度が小さいほうがオイルは流れやすく、高温時は高温粘度が大きいほうがしっかりとエンジンを保護してくれるということになるのです。

とはいえ、エンジン毎に適正な粘度はある程度決まっており、一概に硬くすればいいというものでもありません。

まずは純正の粘度をベースに少し硬くしてみるなどして、車の動きを確認してみるといいかもしれません。

逆に、柔らかい方向に変えてみるのはあまりおススメできません。

なぜなら、純正指定よりも柔らかいオイルは、必要な油膜の確保が出来ない為です。

 

オイルが劣化する原因は?

 

Photo by D a

 

では、『エンジンオイルが劣化する』といのは、どういう現象なのでしょうか。

一般的には、オイルの保護性能が期待値を下回る状態を想像すると思いますが、実はオイル自体の性能が劣化することは、現代のオイルではあまり起こりません。

もちろん高負荷状態、例えば油温が150度を超えるような状態となってしまった場合に、オイルに添加されている物質が破壊され、性能が劣化することはありますが、ベースとなるオイルの性能自体が劣化することはほとんどないのです。

しかしながら、走行距離と共にオイルは必ず劣化していきます。

それは何が原因なのでしょうか。答えは、ガソリン希釈です。

燃料であるガソリンは、燃焼した際に100%燃焼する訳ではなく、微量が未燃焼ガス(ブローバイガス)となり、エンジンオイルに混入します。

そのブローバイガスには、ガソリンだけでなく水分なども含まれているため、これがオイルに混ざることで希釈され、粘度を確保できない状態に。

つまり、どんな高性能オイルであっても、距離とともに性能は劣化していってしまうのです。

 

添加剤について

 

鉱物油や化学合成油など精製されたベースオイルに各種添加剤を加えることで、狙った性能を引き出した製品が造られます。

この添加剤に配合される物質は様々ですが、添加する目的は性能の向上。

例えば、狙った粘度に届かないオイルに対して粘度を向上させたり、寿命を延ばしたり。

という事は、「なるほど、では添加剤モリモリなオイルが性能いいんだね!」と思うかもしれません。

しかし、そういう訳でもないのです。

配合された添加剤は高温になると分子が破壊されてしまうので、一気に性能低下が起こります。

添加剤はオイル作りに必須と言えるものですが、その配合や量によっては一般ユースに向かないオイルとなってしまうのです。

こういった情報は、オイル缶やメーカーサイトに様々な形で記載されています。

そのため、オイル選びには手に取ったオイルがどういう目的や使用方法を想定しているのか、しっかりと確認することが大切なのです。

 

エステルって?

最近のエンジンオイルの中で、『エステル系』をベースにしたものが話題になっています。

エステルは金属に吸着するという特性がある為、粘度を低くしても潤滑性能を確保できるという点、高温下でも油膜保護特性が極めて高い点で、エンジンオイルに非常に向いていると言えます。

また、化学式を変更することが容易であり、特徴的なオイルを作りやすいという自由度の高さもある為、メーカーの方向性を出しやすいという利点も!!

しかしながら、原油からの抽出効率は現時点で低く、製造コストの点から高価になってしまう事がデメリット。

普段からモータースポーツに親んでいる方であれば、積極的に使ってみるべきオイルと言えますが、通常の街乗りを中心とした使用では、ややオーバースペックと言えるかもしれません。

 

冷やしすぎはNG!

オイルクーラーや水温用のローテンプサーモスタットなど、車の中を循環する液体を冷やす手段は、チューニングパーツとしては一般的です。

しかしながら、それによって冷やされたオイルが過酷な状況に置かれていることはご存じでしょうか。

実は、オイルが適切な仕事をする温度領域は、90度~120度と言われています。

夏場やある程度負荷をかけた走行であれば、簡単にそれくらいまで温度は上昇しますが、冬場やあまり負荷をかけない走行では、90度に到達しない事も多々。

そうなると、オイルとしてはオーバークール状態となってしまいます。

そして適正な粘度を発揮できなくなり、大きな粘度抵抗によってエネルギー損失が発生するだけでなく、オイルに含まれるガソリンや水分を揮発させることが出来ずに燃料希釈を助長してしまう事も。

オイルは冷えてなんぼ!と思いがちですが、時々しっかりとエンジンを回してやることで、内部に異物が溜まることを防ぐことが出来るのです。

 

まとめ

今まで、粘度や価格だけでオイルを選んでいませんでしたか?

量販店などで棚いっぱいに並ぶオイルは、それぞれ使用用途に応じて適正な性能を発揮するためにオイルメーカーが苦心した結果です。

エステル系など、今後、より性能が上がっていくことが予想される製品がある一方で、用途によっては品質の良い鉱物油のほうがコストパフォーマンスに優れていることも。

利用する我々も、オイルの正しい性能を知る事で、愛車に最も適した1缶を選ぶことが出来るのではないでしょうか。

是非、次回のオイルを選ぶ時は、いつもより少しだけ多めにオイルのうたい文句に目を通してみてくださいね!

 

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