日進月歩クルマの燃費はどんどん良くなり、気付けば「自動で危険を察知してブレーキを掛けてくれる」なんていうのも当たり前の時代になりつつあります。そんな今だからこそ知っておきたい、これからのクルマ造りに大きな変革をもたらすと言われている『CASE(ケース)』というキーワード。皆さんはご存知でしょうか?次世代のクルマに求められるCASEについて、解説します!
これからのクルマに求められる『CASE』って知ってる?
これからのクルマに求められているCASE(ケース)とは、以下の4つのキーワードの頭文字を取って作られた造語です。
Conected:接続
Autonomous:自動運転化
Shared/Service:シェア/サービス化
Electric:電動化
この『CASE』は2016年のジュネーブショーで、ダイムラー社のCEO ディーター・ツェッチェ氏が発表した中〜長期経営戦略の中で提唱し、話題を呼びました。
そんな4つのキーワードのうち、自動運転や電気自動車はメディアでも大きく取り上げられているので、皆さんはもうお分かりだと思います。
また、カーシェアもここ数年で急速に整備が整ってきたので、利用したことがある方も少なくはないのではないでしょうか?
それでは最後に残ったキーワード『接続』の”C”とは一体、どういうものなのでしょうか?
CASEのCはクルマのIoT化だ!
“クルマを接続”と聞いて「コンセントに繋いで充電可能な、プラグインハイブリッドのことかな?」なんて思う方もいるかもしれません。
しかし、ここで言っている接続とは、インターネットに接続するということ。
それが、『Conected』なのです。
皆さんは『IoT』という言葉を聞いたことはありませんか?
IoTとは”Internet of Things”の略で、直訳すれば『モノのインターネット』となります。
身近なものだと、最近話題のGoogleホーム。
機械に話しかけるだけでテレビがついたり、電気を消せたりする優れものですが、これは言わば”自宅のIoT化”の一例です。
最近ようやく日本でも『コネクティッドカー』という言葉が徐々に使われ始めましたが、クルマがインターネットに接続されていると、一体どんなことが出来るようになるのでしょうか。
クルマのIoT化で出来るようになることの一例
・交通情報や地図情報のリアルタイム更新が出来る
・車両に異常を検知した際に警察や消防への連絡を行ってくれる
・テレマティクス保険(走行距離、運転速度、急発進・急ブレーキといった運転情報の実績を取得し、実績に応じた保険料を算定する保険)に入れる・エンジンの始動を遠隔で確認して、盗難を予防
・車両がどこに停められているか確認できる……etc
今はまだできませんが、もう少し自動運転技術が向上すれば、車両間で情報を更新し合うことで、渋滞のない最短ルートへ勝手にクルマが動いてくれるようになり、ストレスフリーなクルマ移動も実現可能となることでしょう。
もちろん、インターネットに接続されているわけですから、クルマから通販サイトで物を買うことだって可能です。
日本はまだまだ遅れている
日本ではトヨタが「初の国産コネクティッドカー」として、15代目クラウン(現行型)をデビューさせました。
そして現在コネクティッドカーの普及に最も熱心なメーカーはトヨタとなっており、カローラスポーツ、アルファード、プリウス、プリウスPHV、ヴェルファイアの6車種がコネクティッドカーとなっています。
また、テレマティクス保険の仕組みは、運転のクセなどが分かってしまうため、日本では監視されているようで嫌だと思う方もいるかもしれません。
しかし、海外では公平な保険システムであると、比較的好意的に受け入れられており、2016年時点でアメリカでは約500万人、イギリスでは約50万人の加入者がいると言われています。
まとめ
クルマはアナログな方が楽しいぜ!という人もいますが、一方でハイテク化の一途は止まる事を知らないでしょう。
いずれガソリンエンジンが無くなり、全てのクルマが自動運転化されてインターネットに接続されてしまうと、いよいよ映画やアニメで描かれるようなSF的未来の世界がやって来るに違いありません。
アナログなクルマの運転も、もちろん楽しいのは事実ですが、そんな未来の光景を思い浮かべると、クルマの自動化にワクワクしてしまうのも、また事実ではないでしょうか。
Motorzではメールマガジンを配信しています。
編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?
配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!