車検切れのクルマで公道を走行しなければならないときに借りる、仮ナンバー。具体的には、車検切れのクルマで陸運局へ行くときや廃車済み車両での移動などに必要となります。今回はいざ、仮ナンバーが必要になった時のために、手続きの仕方や、取り付け方、注意点などを説明します。
仮ナンのカリナン?笑笑 pic.twitter.com/SFqIu6o85D
— スズ 会長 (@PanameraGrandGT) 2018年6月5日
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仮ナンバーとは
街中で、赤線がななめに引かれたナンバープレートを見た事はありませんか?
これは『自動車臨時運行許可番号標』というもので、俗にいう『仮ナンバー』と呼ばれるものです。
仮ナンバーが必要になる場面は、車検切れのクルマを動かさないといけない場合。
例えば、車検切れの状態で車検をうけるために運輸支局まで移動するときや、個人売買で廃車にされたクルマを購入した際に、再登録をするために公道を走行するときなどが挙げられます。
他にも、自動車メーカーがクルマの性能試験のために仮ナンバーを借りることがあり、仮ナンバーを取り付けた開発途中のプロトタイプカーを走行させている場面に遭遇することがあるかもしれません。
このように、車検切れのクルマを臨時で公道を走らせるための措置として、仮ナンバーを利用することができるのです。
仮ナンバーの種類は
赤いラインがななめに引かれたデザインの仮ナンバーは、市役所に行って手続きを行えば借りることができる一般ユーザー向けのものです。
ディーラーナンバー ゲットだぜ!!(^o^) pic.twitter.com/1L0nFkCB
— ヒデGT (@runholic1) 2012年2月23日
また、仮ナンバーにはもう一つ種類があり、それがナンバーの淵が赤く塗られている『回送運行ナンバー(許可)』。
俗に『赤ナンバー』または『ディーラーナンバー』と呼ばれているものです。
赤ナンバーは運輸支局で一定期間借りるものですが、中古車販売店や整備工場などでないと借りることができない業者向けの仮ナンバーのため、一般ユーザーは取得できません。
ここからは、斜めの赤いラインがある一般ユーザー向けの仮ナンバーについて解説していきましょう。
仮ナンバー取得には必要書類をもって市区町村役場へ
仮ナンバーは、一般ユーザーが取得しやすいように市区町村役場で借りることが可能で、必要書類一式と手数料750円が必要です。
必要書類 | 自賠責保険証明書(1ヵ月以上の有効期限を有するもの) 本人確認(免許書など) 印鑑(認印も可) 運行するクルマを確認できる書類※ |
※に該当するものは『自動車検査証(車検証)』、『譲渡証明書』、『抹消登録証明書』、『自動車通関証明書』、『登録事項証明書』、『予備検査証』、『軽自動車検査証返納証明書』、『自動車保管場所証明』など |
そして、市役所窓口でもらえる自動車臨時運行許可申請書を記入して、必要書類一式を係りの方に渡せば仮ナンバーを借りることができ、窓口での順番待ちがなければ15分程度で交付されます。
貸出期間内に返却しなければ懲役刑または罰金
仮ナンバーの貸出期限は長くても最長5日間で、自治体によって異なる場合もあります。
また、仮ナンバーの返却の期限が過ぎてしまうと罰則を受けることになり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることもあります。
仮ナンバーを紛失すれば1,800円
仮ナンバーを紛失してしまった場合は、弁償金として実費1,800円程度を支払う必要があります。
期限が過ぎてしまうと罰則が課せられることを考えれば、紛失した場合は素早く借りた市区町村役場に連絡をしましょう。
仮ナンバー取得には運行経路を申告
役場に提出する申請書(自動車臨時運行許可申請書)には、運行経路を記載する箇所があります。
仮ナンバーの使用目的として許可でされる要件は、車検や新規登録、自動車の性能試験や車両整備のための回送、再封印のための回送などで、それに沿わない使用目的や運行の経路を記載した場合は、仮ナンバーを貸し出してくれないことも。
また、運行経路から逸脱することは原則禁止です。
仮ナンバーの不正使用が問題化
仮ナンバーは原則として車検場へクルマを持っていくために使用されるものです。
しかし、不正改造車をカスタムカーイベントで展示するために、車両整備のためと偽って仮ナンバーを借りて公道を走らせる悪質なユーザーも存在します。
これは、仮ナンバーの不正使用にあたる違法行為。
しかし、仮ナンバーを不正使用した状態で警察官に止められたとしても、裏付け調査に時間がかかり摘発が難しいため、不正改造された街道レーサーやバニングカーのオーナーの間では、時より『神のナンバー』と呼ばれているそうです。
不正改造車にとって仮ナンバーが法律の抜け道であっても、れっきとした犯罪!絶対に悪用してはいけません。
さまざまな憶測が飛び交う仮ナンバーの取り付け箇所、正しい方法は
新型のプリウスらしきものに遭遇(๑°⌓°๑)
仮ナン3台並走している姿はとてもシュールでした pic.twitter.com/SMj8aZdEcL— あ (@ha23alice) 2015年10月15日
仮ナンバーの取り付け場所は、道路運送車両法の中で『臨時運行許可番号標を国土交通省令で定める位置元』と記載されるように、通常ナンバーを付ける位置に取り付けなければなりません。
「ダッシュボードにおいておけばよい」とか「取り付けずに持ってるだけで運転しても大丈夫」など、さまざまな誤報が聞かれますが、道路運送車両法の中では以下のように決められており、これは仮ナンバーも対象です。
自動車登録番号標の取付けは、自動車の前面及び後面の見やすい位置に確実に行うものとする
引用:道路運送車両法・施行規則第7条
そのため、ダッシュボードに置いているだけだったり、持っているだけというのは違法行為となります。
また、車検が切れたクルマでもナンバーが残っている場合がありますが、その場合も、車検切れのナンバープレートは取り外し、仮ナンバーに交換しなければなりません。
フロントは、ネジ2本で止まっているため交換は簡単ですが、リアは片方のネジが封印されているため、元のナンバープレートの上から被せるように取り付け、片方のネジだけ締めれば十分固定できます。
また、ネジで止めなければならない決まりはないため、ワイヤー/ひも/両面テープでも問題はありませんが、走行時に脱落しないようしっかり固定することが大切です。
まとめ
クルマは、車検が切れてしまえば、公道での走行はもちろん不可です。
もし走行すれば、無車検車運行で違反点数6点(前歴がない場合)、30日間の免許停止、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
さらに、車検と同時に自賠責保険が切れていることもあるため、その場合は自動車損害賠償保障法違反で、違反点数6点(前歴がない場合)、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
そうなると一発免停な上に最大で80万円の罰金刑あるいは1年半の懲役刑になってしまいます。
車検が切れてもちょっとだけなら大丈夫という甘い気持ちは捨てて、整備工場に問い合わせて積載車で取りに来てもらうか、仮ナンバーを取得して整備工場やユーザー車検に持っていきましょう。
仮ナンバーは、自分とは無関係だと思っても、いつかは借りる場面に遭遇するかもしれません。
万が一のためにも、借り方や使い方は知っておいてくださいね。
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