すっかりダイハツからのOEM供給が定着したスバル軽自動車も、気が付けば既に2世代目。最後までスバル独自開発・生産していた軽乗用車ステラの名を受け継いたダイハツ ムーヴOEM車も2代目(通算3代目)が販売されており、スバル軽乗用車の中では最重要という扱いなのか、先代後期に引き続きバンパーなどがスバルオリジナルデザインとなっています。
ダイハツOEM2世代目、6代目ムーヴのOEM供給を受け続ける3代目ステラ
2014年12月に発売され、2018年12月現在も3代目が販売継続中のスバル ステラ。
2006年6月に発売された初代はスバルがプレオ(初代)後継として登場させた軽乗用車R1およびR2の販売不振対策として急遽開発した軽トールワゴンで、軽自動車の660cc新規格化(1998年10月)以降も存続した軽自動車メーカーとしては最も後発となった、真のワゴンRフォロワーでした。
ヴィヴィオをベースに軽トールワゴン化した初代プレオとは異なり、アイポイントが高いなどパッケージングこそ他社に追従したものの、直列4気筒エンジンやスーパーチャージャー、四輪独立懸架サスペンションなどスバル軽自動車の集大成的モデルでもあります。
しかし2008年4月に、スバルは軽自動車の独自生産から撤退。
段階的にダイハツからのOEMへ切り替える事を表明し、初代ステラはスバル最後の軽乗用車として2011年5月で生産を終了します。
そして同時にダイハツから5代目ムーヴのOEM供給を受けて発表されたのが2代目ステラで、2014年12月以降は6代目ムーヴをベースとした3代目が販売されています。
2代目後期から続く、スバルオリジナルデザイン
当初は他のダイハツOEM軽自動車と同じく、メーカーや車名エンブレムをスバル仕様へ変えただけだったOEM版ステラですが、マイナーチェンジされた2代目後期以降はスバルの軽自動車で唯一、スバルオリジナルのデザインが前後バンパーなどに採用されました。
そして3代目でも踏襲されたスバルオリジナルデザインは、たとえば通常版のフロントグリルがムーヴのメッシュタイプに対して2代目ステラは横3本ラインタイプ。
バンパーも3代目ステラは基本的にスバルのデザインアイデンティティ『ヘキサゴン』デザインを採用しています。
また、フロントバンパーへの『ヘキサゴン』デザイン適用はステラカスタムでも同様で、少なくともデザイン面では『スバルの軽自動車』を強調。
OEM供給車は一般的には開発費をかけずにユーザーへ商品を供給し続けるためのものであり、日産のように独自性を強調、OEM元より積極的に販売したい意図でも無ければ、たとえ前後バンパーやフロントグリルだけでも大きな変更は行われません。
そのため、ムーヴよりも積極的な販売を狙ったわけでも無いOEM版ステラでこれほどのデザイン変更が行われているのは異例で、スバル軽自動車の中で唯一『スバル』ブランドを守るべき車と定められた存在だと言えます。
主なスペックと中古車相場
スバル LA150F ステラカスタム RSスマートアシスト 2018年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,630
ホイールベース(mm):2,455
車両重量(kg):850
エンジン仕様・型式:KF 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
総排気量(cc):658
最高出力:47kw(64ps)/6,400rpm
最大トルク:92N・m(9.4kgm)/-rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
中古車相場:59.8万~151万円
まとめ
3代目でダイハツからのOEMがすっかり定着したステラですが、シフォン(ダイハツ タントのOEM)登場以前は売れ筋の軽トールワゴンとして、スバルオリジナルの初代ステラに匹敵する販売台数を記録した事もありました。
しかし、スバル車自体が昔ほど特殊な車を販売しているイメージでは無くなり、スバルディーラーに『濃い』ユーザーが訪れる割合が減ったためか、軽自動車にスバル独自のメカニズムを求める声はだいぶ少なくなっています。
そのため、ベーシックなプレオプラス(ミライースOEM)やスーパーハイトワゴンのシフォン、あるいは軽1BOX/軽トラのサンバー/ディアスワゴン(ハイゼット/アトレーのOEM)とラインナップが豊富になったスバル軽自動車の中核車種として、今後も販売され続けていくことでしょう。
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