リアエンジン・リアドライブのRRレイアウトと4輪独立懸架サスペンションによる異質の走りから、現在でも愛好家の多いスバル・サンバー。今回はちょっと駆け足で、1960年代から1980年代までを駆け抜けた3代のサンバーをご紹介します。

 

2代目スバル サンバー  / Copyright(c)FUJI HEAVY INDUSTRIES Ltd. All Rights Reserved.

 

 

『ババーン』や『すとろんぐ』もアリ?!2代目サンバー『ニューサンバー』

 

2代目スバル サンバー(すとろんぐサンバー)  / Copyright(c)FUJI HEAVY INDUSTRIES Ltd. All Rights Reserved.

 

フロントエンジンのFR車(ダイハツやスズキ、三菱、マツダ)、アンダーフロアミッドシップのMR車(ホンダやコニー)が多かった軽トラ / 1BOXバンにおいて、スバル360のパワートレーンを流用したRR車として1961年に登場したスバル サンバーは特異な存在でした。

しかし、スバル360譲りの四輪独立懸架サスペンションゆえのキャビンの静粛性の高さ(特に軽トラ)によって着実な人気を得ていき、1966年1月には2代目となる通称『ニューサンバー』を発表しています。

サンバーはリアエンジンゆえに荷台後部が一段上がっていましたが、代わりに前部は4WD化を考慮する前の時代だったので、駆動軸も無くいかなるライバルより低床にできたというVW タイプ1(ビートル)ベースのトラックと同じ利点を持っていました。

初代ではこの部分に重い荷物を載せるなどメリットをアピールしていましたが、2代目ではそれを一歩推し進めた『二段広床式トラック』を追加。

低床部分の下段には左右両側からアクセスできるキー付き防水ロッカーを設け、上段は後部とつなげて完全にフラット化。

ライバルの中で最大の荷台スペースを確保することに成功した、通常のアオリつき荷台となったのです。

もちろんライトバンも車内にフェンダーの露出を無くすなど乗降性を向上し、商品性を大幅に高められています。

また、1970年にはエンジンを改良してリヤサスペンションをスイングアクスルからトレーリングアームに変更。

ジザーズドア(後ヒンジ前開きドア)を現在では一般的な前ヒンジ後ろ開きドアに変更するなど改良を加え、通称は『ババーンサンバー』。

さらに1972年にはサスペンションを強化し、力強い大型フロントグリルを与えたことで通称も『すとろんぐサンバー』へ。

どうも、フロントグリルを力強くして『ババーン』、さらに強そうにしたから『すとろんぐ』としているようですが、何でババーンなのか、何ですとろんぐは平仮名なのかはともかく、高度経済成長期の勢い(ノリ)を感じさせました。

 

2代目サンバーの主要スペックと中古車相場

 

2代目 スバル サンバー(ババーンサンバー) / Copyright(c)FUJI HEAVY INDUSTRIES Ltd. All Rights Reserved.

 

スバル K154 サンバートラック 1966年式(ニューサンバー)

全長×全幅×全高(mm):2,995×1,295×1,545

ホイールベース(mm):1,750

車両重量(kg):445

エンジン仕様・型式:EK32 空冷2サイクル直列2気筒

総排気量(cc):356

最高出力:20ps/5,000rpm

最大トルク:3.2kgm/3,000rpm

トランスミッション:3MT

駆動方式:RR

中古車相場:流通無し

 

途中で550cc化された3代目サンバー『剛力サンバー』、末期にスバルらしく4WD追加!

 

3代目 スバル サンバー(サンバー5)  / Copyright(c)FUJI HEAVY INDUSTRIES Ltd. All Rights Reserved.

 

高度経済成長期がオイルショックの影響で終わろうとしていた1973年2月、サンバーは3代目にモデルチェンジします。

エンジンはまだ360cc2サイクルでしたが水冷化され、先代からの勢いがまだ続いていたのか通称は『剛力サンバー』。

ライトバンの最上級グレードには電動ウインドウォッシャーが初採用され、テールランプやブレーキランプが独立するなどの改良を施して1974年末頃に現在と同じ大判の黄色いナンバープレートに対応。

1976年2月には550ccに拡大した軽自動車規格に合わせてバンパーを延長し、暫定的な排気量アップ仕様の水冷4サイクル490ccエンジンを搭載した『サンバー5』へチェンジされました。

翌1977年5月にはようやくボディを拡大され、544ccエンジンを搭載した本格的550cc規格対応仕様『サンバー550』へとビッグマイナーチェンジを敢行し、通称もおとなしくなりました。

もちろんサンバーは550㏄化されても軽トラ随一の荷台容量を誇っており、1979年10月にはバンで初めて、当時の水準では群を抜く荷室高1,425mmとなるハイルーフ仕様が追加されています。

そして1980年11月には4WDを追加!手動切り替え式のパートタイム4WDですが、4WDのスバル車のイメージにふさわしい装備追加となりました。

 

3代目サンバーの主要スペックと中古車相場

 

3代目スバル サンバー(サンバー550) / Copyright(c)FUJI HEAVY INDUSTRIES Ltd. All Rights Reserved.

 

スバル K71 サンバートラック 1973年式(剛力サンバー)

全長×全幅×全高(mm):2,995×1,295×1,610

ホイールベース(mm):1,730

車両重量(kg):545

エンジン仕様・型式:EK34 水冷2サイクル直列2気筒

総排気量(cc):356

最高出力:28ps/5,500rpm

最大トルク:3.8kgm/5,000rpm

トランスミッション:4MT

駆動方式:RR

中古車相場:29万円(ほぼ流通無し)

 

4代目サンバーでサンバートライ追加、4WDはフルタイム化

 

4代目スバル サンバートライ / Copyright(c)FUJI HEAVY INDUSTRIES Ltd. All Rights Reserved.

 

1982年に4代目へモデルチェンジすると、今でも街で時々見かける『サンバーといえばこんな顔』と思い出す人も多そうなシンプルなフロントマスクになりました。

また、4WDのフロントサスペンションがセミトレーリング式からストラットに変更。

バンに『サンバートライ』が登場し、RVブーム(現在でいえばSUVブーム)に乗って『RV』や『フィールド』といったRV版特別仕様車が登場し、フリーランニング式という近代的なフルタイム4WDも1987年9月に追加されるなど、軽1BOX車の性格が変わってきます。

そして、この頃になると軽トラや軽1BOX車にもボチボチAT車が設定されますが、スバルは他社のようなオートマチックトランスミッションを持っていなかったので、サンバーにはスバル360以来の電磁クラッチ式のペダルレスMTが設定される事に。

残念ながら4代目末期のサンバーには2代目からFF化された軽乗用車 / ボンネットバンのレックスほど設計の自由度が無かったようで、550cc末期に登場した4気筒エンジンやECVTは最後まで搭載されず、それらが搭載されるのは660cc化された5代目からです。

 

4代目サンバーの主要スペックと中古車相場

 

4代目スバル サンバートライ / Copyright(c)FUJI HEAVY INDUSTRIES Ltd. All Rights Reserved.

 

スバル KR2 サンバートライ ハイルーフ4WD 1982年式

全長×全幅×全高(mm):3,195×1,395×1,870

ホイールベース(mm):1,805

車両重量(kg):795

エンジン仕様・型式:EK23 水冷直列2気筒SOHC4バルブ

総排気量(cc):544

最高出力:29ps/5,500rpm

最大トルク:4.4kgm/3,500rpm

トランスミッション:5MT

駆動方式:RR

中古車相場:9.8~32万円(各型含む)

 

まとめ

 

今回は画期的存在だった初代の後を継いだ2代目から、550cc末期の4代目までを駆け足でご紹介しました。

この間のサンバーは細かい変更で後の最終モデルに着々と近づいていったものの、まだ旧来のメカニズムを引きずっていた一面もあります。

それが一新されて最後のサンバーに至るメカニズムになるには、1990年3月の660ccサンバーの登場を待たねばなりませんでした。

それにしても2代目~3代目の通称はユニークで、後に『営農サンバー』や『赤帽サンバー』など、何かと頭につけて呼ばれるサンバーの先駆けとも言える存在。

なお、4代目は軽1BOXベース3列シート7人乗りミニバンの元祖、ドミンゴのベースでもありましたが、ドミンゴの話はまた別の機会にしたいと思います。

 

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