初代でハイソカーブームを牽引、2代目以降は落ち着いたセダン専用というキャラクターを確立したクレスタも、バブル時代が到来した頃3代目にモデルチェンジ。ツインターボのGTのみならず、最上級のスーパールーセントもスーパーチャージャーや大排気量化で動力性能を向上させ、バブルに後押しされた大ヒットを記録しました。

 

3代目トヨタ クレスタ / 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%BF

 

 

3代目トヨタ・クレスタとは?

 

トヨタ X80系クレスタ(3代目)  / Photo by Manoj Prasad

 

1988年8月、トヨタビスタ店のフラッグシップモデル、クレスタはマークII3兄弟の他の2台(トヨペット店のマークII、トヨタオート店のチェイサー)ともどもモデルチェンジして、3代目となりました。

スポーツ系のGT、ラグジュアリー系のスーパールーセントというラインナップや、3兄弟の中でハードトップのみでスポーツ志向のチェイサー、セダンとハードトップ両刀使いのマークIIに対し、フォーマルなセダン専売のクレスタというキャラは不変です。

そして初代以来のハイソカー路線が市場へもっとも深々と刺さって炸裂していたのがこの時期で、1988年から1992年というまさにバブル時代真っ只中にあったこともあり、3兄弟揃って国民車ばりの大ヒット作となりました。

エアバッグやABS、トラクションコントロールといった、2018年現在では当たり前となった装備が装着されるようになったのもこの頃からで、バブルの波に沿った豪華装備をオプションでフル装備したユーザーも多数。

現在でもある程度通用する快適性を持つため、この代のクレスタや他の兄弟は、まだ街中のみならずドリフトや街道レーサーなどの『現場』で見かけるほどです。

 

3代目クレスタの特徴

 

トヨタ X80系クレスタ(3代目) / 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%BF

 

鮮やかなスーパーホワイトで塗られていることの多い4ドアセダン、それも同じセダンでもマークIIの6ライトとは異なり、4ライトで引き締まったスタイルがクレスタの特徴です。

フロントマスクはほとんど変わりませんが、リアは左右テールランプユニットの間にナンバープレートを装着するマークIIセダンに対し、バンパー下部に装着して左右テールを赤いガーニッシュで結んでいるのもクレスタらしいアクセント。

それゆえ遠くから見た場合、前方からはマークIIセダンとあまり見分けがつきませんが、昼間に後方からなら一発で見分けられました。

ツインターボを搭載したスポーツ系のGTは引き続き設定されていたものの、先代でツインカム24バルブの1G-GE搭載に留まっていたラグジュアリーなスーパールーセント系も、スーパーチャージャーを搭載した1G-GZEが登場してパワーアップ(スーパールーセントG)。

2リッターSOHC2バルブの1G-Eは同ハイメカツインカムの1G-FEへ、1.8リッターも1S-Uから4S-Fi(後に4S-FE)へと、ディーゼルを除く全エンジンがDOHC化されました。

また、スーパールーセントGはさらにクラウンと同じ3リッター直6DOHCの7M-GEを搭載した3.0スーパールーセントGが追加され、1990年8月のマイナーチェンジ以降は1G-GZEを280馬力の新型2.5リッターエンジン1JZ-GTEに換装しています。

そして、このマイナーチェンジでGT用のツインターボエンジンも1G-GTEから1JZ-GTEに換装。

軒並み2リッター超えとなったので5ナンバーサイズにこだわることも無くなり、前後バンパーの大型化などで3ナンバーサイズ化されました。

ちなみに、この代が最後の5ナンバークレスタかつマークIIセダンにGTは無かったので、3代目クレスタ後期GTは『トヨタ最初で最後の5ナンバーサイズ280馬力スポーツセダン』でしたが、前期と異なり4速ATしか設定の無いのが惜しいところです。

 

主要スペックと中古車相場

 

トヨタ X80系クレスタ(3代目)  / 出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60006182/

 

トヨタ GX81 クレスタ スーパールーセントG 1988年式

全長×全幅×全高(mm):4,690×1,695×1,375

ホイールベース(mm):2,680

車両重量(kg):1,480

エンジン仕様・型式:1G-GZE 水冷直列6気筒DOHC24バルブ スーパーチャージャー

総排気量(cc):1,988

最高出力:170ps/6,000rpm

最大トルク:23.0kgm/3,600rpm

トランスミッション:4AT

駆動方式:FR

中古車相場:39.9万~175万円(各型含む)

 

まとめ

 

この3代目を最後にマークII3兄弟は5ナンバーボディを終了。

モデルチェンジで標準ボディが3ナンバー化していったために、この代がもっともスマートかつ軽量パワフルなクレスタとなります。

今見ると、ルーフの低さやガーニッシュを挟んで赤く横一線のテールランプから『骨太でちょっと大きいカリーナED』のようでもありますが、それだけ軽快感もあって走りのイメージが強く、改造ベースとしても長らく人気を誇りました。

特にガッチリとシャコタン化されたエアロを組んだ姿と、高級感ある『クレスタ』のネームバリューから、街道レーサー仕様やVIP仕様としてはマークIIやチェイサーよりメジャーな存在かもしれません。

GT系も280馬力の1JZ-GTEを搭載した後期型など『5ナンバーサイズでFRのスポーツセダン』なので、考えようによっては後のアルテッツァなどよりよほど魅力的に思う方もいるのではないでしょうか。

 

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