初代以来、5ナンバーサイズを続けてきたスバルの傑作スポーツセダン / ツーリングワゴン、レガシィ。2003年発売の4代目からは主要市場である北米を明確に重視する姿勢と現地生産の開始、そして世界標準への適応を目指して日本の5ナンバーサイズにこだわらない姿に脱皮しました。他にも変更箇所は多数あり、この4代目からは事実上新世代に移行したと言えるモデルとなりました。

 

4代目スバル レガシィツーリングワゴン / © 1998-2018 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

 

 

日本のレガシィから世界のレガシィへ、4代目で大きく脱皮

 

4代目スバル レガシィB4とレガシィ アウトバック / 出典:https://www.subaru.co.jp/ir/presen/motorshow2003/p15.html

 

スバル レガシィは初代からWRCへのフル参戦や、10万km耐久走行平均速度の国際記録樹立など日本国内にとどまらず、世界にその『ただの4WDに留まらない』高性能を大きくアピールしてきました。

その一方で、日本の5ナンバーサイズ上限となる『全幅1,695mm』を頑なに堅持しており、日本市場でこそジャストサイズ、日本で使いやすいのにプレミアム感が高いと好評を得ていましたが、国際戦略車としては果たしてそれは正解なのか、という問題がつきまといます。

そもそもスバルは今も昔も海外、特に北米市場への依存度が大きい自動車メーカーなので、日本のユーザーに喜ばれてもそれがスバルにとって良いことかといえば、また話は別。

そのため、最低地上高を上げた海外で人気のSUVルック(日本名ランカスター、海外名アウトバック)や、3リッター6気筒水平対向エンジンなど、必ずしも日本でのジャストサイズを目指さない傾向が2代目以降は目立ちます。

そして2003年5月に発売された4代目ではついに、全車全幅1,700mmを超える3ナンバーボディを手に入れる事に。

この時をもって、レガシィは真の世界戦略車として新たな道を歩み始めたと言えました。

 

3ナンバー化は悪いことばかりでは無い?数々の改良点

 

4代目スバル レガシィ / 出典:https://www.subaru.co.jp/ir/presen/motorshow2003/p32.html

 

現在では全幅1,800mmを超える車が日本の公道を多数走っていることからもわかる通り、駐車場やよく通る道など、よほどの物理的制約やドライバースキルの問題が無い限り、3ナンバーボディという理由だけで不便を感じることは日本ですらそうそうありません。

むしろレガシィのように複雑なメカニズムを搭載した上で高品質を保ち、安全性能や走行性能も高いレベルで成立させないといけない車種にとっては、5ナンバーサイズにこだわって詰め込むことのデメリットも少なくはありませんでした。

そうした制約から解放された4代目は、クラッシャブルゾーンの余裕ができたことで、新しい高張力鋼板や軽合金パーツの使用と合わせてボディサイズの拡大とは裏腹に安全性を犠牲にせず約100kgもの軽量化を達成。

また、エンジン全幅の広いボクサー(水平対向)エンジンとの干渉を避けていたフロントタイヤもワイドトレッド化により切れ角は向上し、ホイールベースがわずかに伸びたにも関わらず最小旋回半径も先代より小さくなって取り回ししやすくなりました。

さらにエンジンルームにできた余裕で各種配管や補機類のレイアウトも楽になり、セカンダリータービンへの切り替え時にトルクの谷が目立ったシーケンシャルツインターボはツインスクロールシングルターボへ換装され、ATも5速に進化しています。

ただし、その余裕を生かした改良で痛し痒しだったのは等長エキマニ純正採用による排気干渉の撤廃と、それによる『ドコドコ音(ボクサーサウンド)』が消えたことで、確かに静粛性や高品質という意味での進歩でしたが、旧来のボクサーファンには少々寂しい改良でした。

しかし、それゆえなのか国内では通常無い海外仕様エンジンゆえかはわかりませんが、SUVルック版レガシィ アウトバック(先代までのランカスターから、海外版と同じサブネームに改称)の限定グレード『2.5XT』でのみ、不等長エキマニを残してボクサーサウンドを響かせています。

 

究極のグランドツーリングカー、STI S402

 

STI S402 / © SUBARU TECNICA INTERNATIONAL ALL RIGHT RESERVED.

 

4代目でも先代同様、STIのコンプリートカーが台数限定で発売されています。

2006年8月に発売された特別仕様車(限定600台)『tuned by STI』は、4代目から採用の新型AT『SI-DRIVE』専用ECUチューンや専用サスペンション、ブレンボブレーキなどファインチューンと高級内装の採用にとどまりましたが、先代S401に引き続くS402はよりハード。

基本的に海外モデル専用で、日本市場では限定車『レガシィランカスター2.5XT』にしか搭載されない2.5Lボクサー4ターボを吸排気など独自にチューニングした上で搭載し、ランカスター2.5XTと異なる等長等爆エキゾーストと専用ツインスクロールターボで285馬力を発揮するほか、2リッターターボEJ20より低回転からフラットな40.0kgfの大トルクを稼ぎ出します。

また、サスペンションやブレーキの強化、ボディ補強はもちろんのこと20mm拡幅したフロントフェンダーで通常の215幅17インチより太くインチアップされた235/40R18タイヤを装着し、高速安定性や操縦性を向上しました。

その狙いは『究極のグランドツーリングカー』で、B4のみだった先代S401と異なり、S402ではツーリングワゴンにも設定されています。

 

主要スペックと中古車相場

 

4代目スバル レガシィB4  / © 1998-2018 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

 

スバル BP5 レガシィツーリングワゴン 2.0GTスペックB 2003年式

全長×全幅×全高(mm):4,680×1,730×1,475

ホイールベース(mm):2,670

車両重量(kg):1,450

エンジン仕様・型式:EJ20 水冷水平対向4気筒DOHC16バルブ ICターボ

総排気量(cc):1,994

最高出力:280ps/6,400rpm

最大トルク:35.0kgm/2,400rpm

トランスミッション:5MT

駆動方式:4WD

中古車相場:1万~349.8万円(B4、アウトバック、S402含む)

 

まとめ

記事中にあるように、数々の新機軸と3ナンバー化による大きな進歩、高性能モデルの投入が行われた4代目ですが、2008年の年次改良ではついに安全運転支援システム『アイサイト』搭載モデル(ランカスター2.5XT、3.0Rアイサイト、2.0GTアイサイト)が登場しました。

それは先代のランカスターADAに原型が搭載されて以来、日立オートモーティブズとの共同開発で熟成を重ねたステレオカメラ式の運転支援システムで、初期型Ver.1とはADAでは警報に留まっていた車間距離や障害物接近に対して、初めて衝突被害軽減ブレーキやAT誤発進抑制などが追加されたモデル。

また、世界初のステレオカメラのみによる全車速追従機能付きクルーズコントロールなども備えています。

これらの技術は以後のスバル車の安全性の高さと、それに対するポリシーを示す『アイサイト』技術の第1歩となっていき、モデル末期とはいえ4代目レガシィが先代までと異なる新世代スバル車であることを表す、象徴的な装備の1つになりました。

 

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