海外には、通常では考えられないようなチューニングをする人々が多く居ます。中でも、見た目はノーマルで凄い性能の車は「Sleeper」というスラングで呼ばれ、500ps超えの「トヨタ スターレット」や「S2000」などがこれに該当します。そんな中、ドイツでVWの「ゴルフ2」を1200ps超えにした方が居ました。
VW ゴルフ2 19Eについて
本題に入る前に、まずは「ゴルフ2」についておさらいしておきましょう。
ゴルフ2は1983年にVW(フォルクスワーゲン)が発売したハッチバックであり、名前の由来は「メキシコ湾の流れ」を意味する「Der Golfstrom(デア・ゴルフシュトローム)」です。
ゴルフ2は、その2代目にあたり、全部で10のグレードが存在していました。
エンジンはCi とGLi、 GTIというグレードが直列4気筒1.8リッターSOHCを搭載し、GTI16Vが直列4気筒1.8リッターDOHC。
CとCL、CLD turboとGTDはそれぞれ直列4気筒1.6リッターディーゼルとディーゼルターボを載せており、駆動方式はFFです。
2度のマイナーチェンジでは、フロントドアウィンドウとドアミラー、エンブレム、バンパーが変更されました。
最初のマイナーチェンジでは、備えられていた固定式三角窓を廃し、ドアミラーの位置を移動させて、右ハンドル仕様のワイパーを専用のものに変更。
同時にフロントのエンブレムも、「Volkswagen」から「VW」へと変更されました。
続く2度目でバンパーの形状を変えて、車体下部までをすっぽりと覆う現代的なデザインに変わっています。
またこの2代目から、それまで日本に入っていなかったGTIの正規輸入が始まり、16Vエンジンを搭載したGTI16Vも追加で上陸。
しかしGTI16Vに付いていた4灯グリルのうち、中央寄りの2灯が左右のものと比べて少し上に配置されていたため、日本国内の保安基準に適合せず、それらは輸入モデルだと点灯しない仕様になっていました。
またこのゴルフ2は派生車種が数多く存在し、それぞれ4WDの「ゴルフシンクロ」、最低地上高を上げ、クロスオーバーSUVの先駆けとも言われる「ゴルフカントリー」、セダンタイプの「ジェッタ」、スポーツクーペの「シロッコ」と「コラード」が存在。
他にも、WRC用にG60スーパーチャージドエンジンを載せた「ゴルフ Rallye」と「ゴルフ G60 Limited」があります。
また、ゴルフ2は輸入車ながらも現在、多くの愛好家達によって根強い人気を保っており、誕生の地であるドイツ国内では、「30年以上前の製造で無改造、かつ文化的価値のある車」に付けられる「Hナンバー」制度によって、保護される対象です。
1233psにチューンされたゴルフ2
ところがそんな旧車に優しい制度があるドイツでも、ゴルフ2に過激なチューンを施し、「Sleeper」に変えてしまった会社がありました。
それはBOBA Motoringという企業であり、彼らはゴルフ2をチューンして、なんと最高出力1233psを発揮できるようにしてしまったのです。
この動画を見ても分かるように、外見はほぼノーマルですが、0-100km/h加速は2.53秒、ゼロヨンは8.69秒という驚異的な性能を誇る車になっています。
レースモードにした時のスピードメーターの跳ね上がり具合から、この車の加速性能の高さが分かって頂けるのではないでしょうか。
内部に搭載されているのは2.0リッター直列4気筒16Vターボエンジンで、ブースト圧はなんと4.5kgf/cm2というとんでもない数値!
普段は220psですが、レースモードに設定すると1000psほど上乗せされるという仕組みで、トランスミッションも専用のものへと交換されています。
見た目は普通でありながら、凄まじい性能の車。
それこそ、海外で人気の「Sleeper」なのです。
まとめ
海外で「Sleeper」と呼ばれる車は他にも存在し、それらは全て「羊の皮を被った狼」と言える驚異的な性能を見せてくれます。
もちろん日本にも、そのような車は存在しており、かつて1980〜1990年代に発売された「三菱 タウンボックス」や「初代アルトワークス」などの軽自動車が、これに該当します。
他にも「初代マツダスピード アクセラ」や「トヨタ ブレイド」なども「Sleeper」に含まれるのではないでしょうか。
ゴルフ2も、チューン次第でとんでもない性能を持った車へ化けるということが、このドイツの事例を見ると分かって頂けたと思います。
Motorzではメールマガジンを配信しています。
編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?
配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!