スバルが最後まで生産していたオリジナル軽自動車は、2012年2月で生産を終了したサンバーでしたが、それに先立つ2011年4月には最後のオリジナル軽乗用車ステラも生産を終了。しかしスバル軽自動車の歴史はまだ終わったわけではありません。2代目ステラはダイハツ ムーヴOEMとはいえ、マイナーチェンジで思いっきり『スバル車』としてデザインで攻めました。
掲載日:2018/10/14
2代目はムーヴちゃん、ダイハツから来たる
2011年5月24日、前日で在庫分の販売も終了したスバル最後のオリジナル軽乗用車、初代ステラに代わる2代目ステラが発売されました。
しかし、これまで数々の軽自動車を送り出してきた富士重工群馬製作所(当時)は、もはや最後の軽商用車サンバーの最後の生産を続けるのみなので、当然2代目ステラはスバル製ではありません。
これまでのディアスワゴンが、そしてプレオが販売終了するごとに、翌日からはダイハツから軽自動車のOEM供給を受けてきたのです。
そして今回2代目プレオとなったのはダイハツ ムーヴ(5代目)で、プレオ(ダイハツ ミラOEM)やルクラ(同タントエグゼOEM)と同様、ダイハツ車としての型式『LA100S/LA110S』の末尾がSからFに代わったのがスバル車の証。
スバルLA100F/LA110F『ステラ』はこうしてスバル車としての第一歩を踏み出しました。
それは、トヨタと提携して経営資源集中のため軽自動車から撤退。
群馬製作所ではトヨタ 86 / スバル BRZの生産をすることを富士重工が決めたからには仕方無し。
たとえスバル独自生産で無くなったとしても、スバル販売店とお付き合いのあるお客様のために、スバル軽自動車の灯は消せないのです。
5代目ムーヴそのままかと思いきや、デザインで勝ち取った『このスバらしき世界』
ダイハツ車に限らず、スバルがOEM供給を受けてきた車種はみんなそうであったように、2代目ステラもまた5代目ムーヴとほとんど変わりません。
若干の装備やカラーリングの相違と、それに伴い価格に若干の変更があった程度で、エンブレムすらダイハツエンブレムの上にスバルエンブレムが貼ってあると言われていたほどです。
(※実際にはフロントグリルやバンパーの形状が少し異なり、完全にムーヴと一緒だったわけではありません。)
それでも『ピクシス』ブランドでダイハツ軽自動車を販売しているトヨタにはムーヴもタントも回ってこないので、スバルはまだ優遇されています。
2012年12月のマイナーチェンジでは、ステラ専用バンパー開口部形状がスバル車のデザインアイデンティティであるヘキサゴンへ、ステラカスタムは加えてハニカムグリルにクリアパーツ仕様&黒いフォグランプカバーなど、デザインの差でスバル軽自動車をアピールできました。
主なスペックと中古車相場
スバル LA100F ステラ カスタムRS 2012年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,620
ホイールベース(mm):2,455
車両重量(kg):850
エンジン仕様・型式:KF 水冷直列3気筒DOHC12バルブ ICターボ
総排気量(cc):658
最高出力:47kw(64ps)/6,400rpm
最大トルク:92N・m(9.4kgm)/4,000rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
中古車相場:15.2万~115万円
まとめ
ダイハツからのOEM供給で再出発したプレオの2代目は、その当初こそデザインでの差異が少なくムーヴのエンブレムを貼りかえただけにも見えましたが、マイナーチェンジで明らかにデザインの異なるバンパーを装着し、スバル車としての個性を発揮することに成功します。
しかし、ダイハツからスバルへOEM供給される軽自動車の中で、これほどデザインの差別化が図られているのはステラのみであり、OEMオンリーとなったスバル軽自動車の中でも、特別な存在なのかもしれません。
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