アルトやアルトワークス、ミラ、カプチーノ、AZ-1などの軽スポーツカー専門店で、車検対応パーツの開発と1200点にも及ぶオリジナルパーツ群、さらにスポーツ派に圧倒的に支持されるその豊富なノウハウで多くの信頼を集めている京都府京都市の「Navic(ナビック)」。同社が製作したダイハツ・エッセは、全て保安基準に適合してはいますが、見るからにレーシーで「走るのが好きなサーキット志向の人が乗る特別なクルマなんだろう…」と、つい思ってしまいそうな完成度です。しかし、実はこのエッセ、ベース車両を含めて「低価格で楽しく走ろう!」という吉田代表のコンセプトの元、製作されたモータースポーツ仕様です。
Photo : Yukio YOSHIMI Text : Takayuki KIMURA
通勤からサーキットまで!
5ドアで使い勝手もよく、セカンドカーでありながら通勤にも使用できる。
そしてさらには、週末のサーキット練習会にも参加できるオールラウンダーな仕上がりとなっているナビックのエッセ。
ベース車両には、エッセのラインナップの中でも最も安価な『エッセECO』を使用しています。
この車両を総額50~60万円で、サーキットでも遊びつくせる仕様に仕立られるなら、まさにモータースポーツの入り口には最適なクルマと言えるのではないでしょうか。
「軽自動車でスポーツ走行することは、週末のお父さんのゴルフみたいなものなんですよね。
普通車に高額な費用を掛けてモータースポーツを楽しむのもいいですが、このクラスなら少々壊れても部品さえ生きていればハコ替えしてまた簡単に遊べます。
それで面白ければ、また少しお金をかけてもいいでしょう。
“お手頃な車両でモータースポーツをしよう!”がコンセプトなんですよ。」
と、ナビック代表の吉田氏は話します。
最安価で最高のパフォーマンスを発揮するエッセ
ナビックエッセは、鈴鹿のフルコースを3分程度くらいで走る実力派です。
タイム的にはF1の倍ほどで、決して速いとは言えませんが、1コーナーやデグナー、130Rもアクセル全開で楽しめます。
しかも価格は、F1何百分の一でしょう。
とは言ってもF1を比較対象とするのは、あまりにも極端ではありますが、超魅力的なお値打ち車両であることに間違いはありません。
エンジン、ミッション、コンピューターはノーマルで、チューニングの基本は吸排気系と足回りのみというシンプルな仕様となっています。
ロールゲージが装着されている為、2名乗車の4ナンバー車枠はそのままに最大積載量は100kgで、税金も激安です。
助手席は純正シートのままなのも、普段遣いを考えてのこと。
外装は基本ノーマルで、パラシュート効果を低減し、エアを効果的に抜くために純正リアバンパーをダクト化しています。
ナビック製車高調が装着された足回りは、アッパーマウントとキャンバーボルトによりフロントのキャンバー角を4度にセッティング。
スプリングもナビックオリジナルで、F:12kg/mm+トラクションスプリング/R:8kg/mmという仕様です。
ブレーキには、ディクセルのパッドを装着し、ホイールスペーサーは20mmでフェンダーのツラに合わせワイドトレッド化も果たしています。
ディープコーンのMOMO製ステアリングにウルトラのタコメーター、HKSのサーキットカウンターやブリッドのフルバケットシート、さらに4点式シートベルトはTRS製です。
そして、レッツオのシフトノブやペダル、6点式のロールバーはサイトウロールケージ製。
リアのピラーバーはナビックオリジナルと、およそサーキットを楽しむための装備は全て揃っています。
軽自動車で楽しむこと
ナビックは、軽自動車でモータースポーツを楽しむことに、かなり力を入れて取り組んでいます。
そんな、軽ならではの魅力を、吉田代表は”フナ釣り”に例えて話してくれました。
「バス釣りがドリフトだとすれば、軽自動車でサーキットを走る仕様はフナ釣りのような魅力です。最近は40歳代の人の参加も多いですよ。フナに始まりフナに終わるじゃないですが、コストを掛けずに、でもその奥の深さは本当に楽しめる。それが軽自動車で楽しむスポーツ走行の魅力です。」
ナビックが主催する練習会は、1日走り放題で11,000円。
なんと、23歳以下は6,000円という格安設定です。
走行時間も、1周55秒のコースで多い人なら120周は走れる計算となっているので、正直これで物足りない人はほぼいないと思います。
そのため、「コストを掛けずにモータースポーツを楽しんでみたい!」という方には絶対オススメの、ナビックのパーツとそのフォロー体制は本当に魅力的!
吉田「好きな人は、このエッセをきっかけにS耐まで走っています。ウチはモーターランド鈴鹿や鈴鹿ツインサーキット、タカスサーキットなどのミニサーキットを中心に走行会を開催していて、初心者が中心なのでぜひ一緒に遊びましょう!」
Motorzではメールマガジンを配信しています。
編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?
配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!