モータースポーツにおいて、ドライバー保護のために必要なロールケージ。普段乗っているクルマでサーキットを走行、さらにはレースに出場する方であれば、是非とも装着しておいてほしいアイテムです。しかし、ロールケージは、車検に適合するのでしょうか。

レース出場には必須アイテム!ロールケージの重要性とは

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ロールケージはクラッシュした際に、ドライバーを守るための重要なアイテムです。

例えば、他車との激しい追突でクルマが横転や大破をした場合、ロールケージがあることで室内の変形を最小限に抑え、ドライバーを危機から救うことができます。

また、強靭な金属製パイプを車内の側面に骨格のようにして取り付けるため、車体剛性が格段にアップし、走行時の車体安定性の向上や、加速やコーナリングで強いGがかかってボディが歪んでしまうことを防いでくれるのです。

そのため、ほとんどの公式レースでは、ロールケージの装着を必須とするレギュレーションが規定されており、愛車でモータースポーツを始めようという方の必須装備といっても過言ではありません。

ロールケージとは

Photo by pumbathehog

ロールケージは、事故による横転や車体の破損から乗員スペースを守るためのパーツで、ロールケージの他に『ロールゲージ』、『ロールバー』と呼ばれることもあります。

『ロールケージ』と『ロールゲージ』どちらが正しい?

Roll(ロール)とは、「回転、横転」を意味します。

そして、ロールケージの”ケ”に濁点をつけた”ゲ”に置き換え「ロールゲージ」と呼ばれることがありますが、基本的に意味は同じ。

日本語表記のみの違いですが、注意点として発音が違うと別の意味になる場合もあります。

日本語表記 英語表記 発音記号 意味
ケージ cage kéɪdʒ 鳥かご、おり、(起重機の)運転室、骨組み、枠組み
ゲージ gauge géɪdʒ 規格、基準、計量器

そのため、ロールゲージは直訳すると「横転規格」と変な日本語の意味になってしまうため、「ロールケージ」と呼ぶ方が好ましいといえます。

ロールケージとロールバーの違いとは

ロールケージを「ロールバー」と呼ぶ場合もありますが、ロールケージとロールバーでは若干意味が違ってきます。

ロールバーは、一本のパイプのみで構成され、全体が大きく”コの字型”になっているものや、シートの上部に添わせるようにアーチ型になっているものも。

オープンカーは、横転した際のドライバーの保護を目的に、純正で取り付けられているモデルもあります。

それでも、クローズドボディのロールケージをロールバーと呼んでも、大まか意味は通ります。

○○点式の違いとは

クスコ・SAFETY21 ロールケージ / (c) CUSCO Japan co.,ltd.

出典:http://www.carbing.co.jp/japan/products/rollbar/main.shtml

ロールケージを選ぶ際に、「○○点式」という表記があります。

売られているのは4点から12点までさまざまで、車内の側面を何本のパイプで構成するかを表しています。

たとえば、左右のAピラーとBピラーに沿って4本のパイプがあれば『4点式ロールバー』、AピラーとBピラーとCピラーにそって6本のバーがあれば『6点式ロールバー』です。

では7点式はどういうものかというと、メーカーにもよりますが、Cピラーに沿っている2本のパイプにリア斜行バーが1本取り付けてある形式を示します。

さらに、8点以上となればAピラーとBピラーに沿っている2本をつなぐようにフロントサイドバーが追加されているなど、パイプの取り回しはメーカーそれぞれ異なりますが、多ければ多いほど頑丈と考えて問題はありません。

車検適合のためにロールバーパッド装着が必要

KTS ロールバーパット / © 1996-2019, Amazon.com, Inc.

ロールバーを取り付けること自体は合法で、車検に通すこともできます。

しかし、乗員保護の点からロールバーの金属部分がむき出しになっている状態では車検に通りません。

そのためバー全体を覆うロールバーパッドを取り付ける必要が!

ロールバーを製作している有名メーカーではロールバーパッドも一緒に販売されていますが、ロールバーとロールバーパッドのメーカーが異なっても、ハイプの太さに合ったものなら取り付けが可能です。

リアシートを無くすなら記載変更届けが必要

Photo by pumbathehog

ロールケージを取り付けると、本来なら4・5人乗れたはずなのに後部座が乗れなくなって、2名乗車にしなければならない場合もあります。

リアバーに斜行バーが入っているものであれば、高い確率でリアシートを外さないと取り付けができません。

もともと2名乗車のクルマであれば問題はありませんが、ロールケージ取り付けで乗車定員が変わってしまうと、車検証の記載変更届けを出して、車検証に書かれている乗員を2名にしなげれば車検には通りません。

ロールケージの取り付けは極力プロに依頼

出典:写真AC

ロールケージの取り付けは、非常に難易度が高い作業です。

というのも、取り付ける際、シートはもちろんインパネや内張り、一部のアンダーコートを剥がす必要があり、ロールバーをネジで固定させるためにはフレームに穴を開けなければなりません。

さらに、しっかりと取り付けるためにはロールケージとフレームを溶接で接合させることもあります。

また、ロールバーを取り付けるとインパネやリアシート部分が干渉してしまうため、そういったところは加工が必要になってきます。

そのため素人がロールバーを取り付けようとしても上手くいくはずもなく、正しく取り付けないとロールバーとしての機能も半減してしまうのです。

必要工具が十分揃っており自らカスタムするのが得意な方などは、自ら取り付けても問題はないと思われますが、経験がないのであればプロのショップに取り付けを依頼してください。

まとめ

ロールケージはドライバーの命に関わるパーツであるため、少し高価であっても信頼のおけるメーカーの製品を購入することをおすすめします。

取り付ければ安全性が向上するだけでなく、ボディ剛性もアップするなど機能的な効果は大きく、ロールケージの装着がレースデビューの道を切り開いてくれるでしょう。

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