通常だとドライバーによる画面の凝視による安全性低下を防ぐため、走行中のTV視聴やナビ操作はできないようになっている純正カーナビですが、安全性に影響を与えない同乗者による視聴や操作ができれば、快適性も上がります。それを可能にするのがデータシステム(東京都新宿区)の「TV-KIT」シリーズで、今年6月に発売されたばかりの新型軽EV、日産 SAKURA(サクラ)用が新たに発売されました!

日本でEVが普及する起爆剤?!日産 SAKURA用のTV-KITが登場

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日産 リーフ(2010年、現在は2017年に発売された2代目)、今は販売されていない三菱 i-MiEV(2009年)と、10年以上前から市販されている国産EVや、最近増えてきた輸入EVによって市民権を得てきたBEV(外部からバッテリーへ充電した電気だけで走る電気自動車)。

現在の主力であるリチウムイオンバッテリーが経年劣化による容量低下を起こしやすかったことや、現実的な航続距離(一充電走行距離)を求めた場合、バッテリー容量を増やすほど高価になるのが難点で、なかなか普及しませんでした。

しかし2022年6月、それなりの航続距離を持つバッテリー容量と急速充電を組み合わせればシティコミューターにとどまらない遠出も可能で、補助金込みならガソリン軽自動車と同程度の価格で購入できる軽EV、日産 SAKURA(サクラ)が姉妹車の三菱 eKクロスEVともども登場!

ユーザーが待望していた、「価格や性能が現実的なEV」の登場に注文は殺到し、あっという間にEV普及のために補助金を出す国の予算を食い尽くすほどの受注を集め、話題となりました。

さらなる補助金予算の確保、急増するEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)に対応する充電インフラ整備など、今後の普及にはまだまだ高いハードルが残されているものの、街を走るEVが一気に増えるのは間違いないでしょう。

そうしてEVが「普通のクルマ」になっていけば、快適装備も普通のクルマと同じように整備されていくのは当然で、通常なら走行中は不可能な、同乗者による純正カーナビを使ったTV視聴やナビ操作を可能にする便利バーツ、自動車アフターパーツ総合メーカーのデータシステム(東京都新宿区)の「TV-KIT」、SAKURA用が新たに発売されました。

SAKURA用にまずリリースされたのは、後付スイッチ式の「切り替えタイプ」

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人気車向けアフターパーツでは動きの速いデータシステムの「TV-KIT」シリーズですが、今回リリースされたのはもっと簡単に取り付け可能な「切り替えタイプ」です。

後付けのスイッチで機能をON/OFFさせるタイプで、「EV専用Nissan Connect ナビゲー
ションシステム(地デジ内蔵)装着車 」に対応し、機能ONにすれば、走行中でもカーナビの操作や、TV視聴、その他タッチパネルで操作可能な機能が使えます。

基本的にドライバーによるディスプレイの凝視や、タッチパネルの操作は安全上避けるべきですが、同乗者が操作する分には問題ありませんし、SAKURAのように長距離移動も想定できるEVなら、同乗者の快適性を向上するのにうってつけのアフターパーツです。

なお、後述するように運転支援システム「プロパイロット(ナビリンク機能つき)」との併用には制約があるものの、プロパイロットが一番求められるのは同乗者がいなくて退屈、かつ疲労度も高いドライバー単独ドライブの時ですから、実用上は問題ないと思われます。

SAKURA用TV-KITシリーズの適合車種や品番、価格

今回発売された、日産 SAKURA用TV-KITに適合する型式や、TV-KITの品番、価格は以下の通りです。

適合車種

日産 SAKURA:R4.6~

型式

B6AW(全グレード)
※EV専用Nissan Connect ナビゲーションシステム(地デジ内蔵)装着車

TV-KIT品番

・NTV434(切り替えタイプ)

価格

税込21,780円(税別19,800円)

プロパイロット(ナビリンク機能つき)との併用について

・TV-KITの機能がONの時、ステアリングのプロパイロットスイッチを押してプロパイロット作動灯が点灯(白色)すると、TV-KITの機能はOFFになります。
・ナビがGPS信号を正常受信し、自車位置が現在位置に戻ると、「プロパイロット(ナビリンク機能付き)」が使用いただけます。
・プロパイロット作動中(プロパイロット作動灯が白色点灯もしくは青色点灯)でも、TV-KITの切り替えスイッチをブザーが2回鳴るまで押せば(約3秒)、走行中のTV視聴は可能です。
・TV-KITの機能がONの時はナビゲーションの自車位置が不正確になるため、「プロパイロット(ナビリンク機能付き)」などナビゲーションの機能、自車位置情報に関連する機能は使用できません。

取り付けについて

データシステムの「TV-KIT」シリーズは、車両側の配線を傷つけないようカプラーオンで簡単に取付可能な製品とはいえ、内装を外してナビディスプレイを脱着、背面のコネクターを抜き差しして、ディスプレイや内装を違和感なく元に戻すなど、実際の取り付けにはそれなりのスキルが必要です。

今回のSAKURAなど、高度にシステム化された新世代車、それも新車となると、よほどその種の作業に手慣れているユーザー以外は、TV-KIT販売店に相談するか、最寄りの整備工場などプロへ依頼するのをオススメします。