2019年10月1日から、自動車購入時の税金が見直され、従来の税制度から大きく変わります。一番のトピックは自動車取得税が廃止され、そして環境性能割が導入されること。そんな、新しい税制度についてご紹介します。
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消費税10%に伴い自動車の税制度も変更
令和元年(2019年)10月1日から消費税が10%へ引き上げられることが決まり、同時に自動車税や自動車の購入時に課税される自動車取得税が廃止されます。
そして、自動車取得税の代わりに燃費性能によって税率が変わる『環境性能割』が導入される予定です。
クルマを購入すると、毎年支払う自動車税や車検時に支払う重量税、自賠責保険や、さらにガソリン価格の中に含まれる40~50%ものガソリン税など、維持するには多額の税金を納めなければなりません。
この状態で消費税が2%引き上げられて10%になれば、自動車の維持が今まで以上に負担となるため、今回の新税制が導入されました。
自動車税が値下げ!10月1日以降の自動車税の価格は
10月1日以降、初回新規登録を受けた自家用のクルマは、自動車税の税率が今までより引き下げられます。
しかし、9月30日までに新規登録されたクルマに関しては新しい税率が適応外となり、軽自動車税の税率は変更されません。
2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた自家用の乗用車の自動車税の税率表
排気量 | 引下げ前の税率 | 引下げ後の税率 (引下げ額) |
---|---|---|
1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 (4,500円) |
1,000cc超1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 (4,000円) |
1,500cc超2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 (3,500円) |
2,000cc超2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円 (1,500円) |
2,500cc超3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円 (1,000円) |
3,000cc超3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円 (1,000円) |
3,500cc超4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円 (1,000円) |
4,000cc超4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円 (1,000円) |
4,500cc超6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円 (1,000円) |
6,000cc超 | 111,000円 | 110,000円 (1,000円) |
環境性能割とは
環境性能割とは、自動車所得税と同様にクルマを購入した者に対して課税される税金のことで、税率は、環境負荷軽減に応じて、非課税、1%、2%、3%の4段階で区分けされます。
環境性能割の税率(乗用車の例)
新車で購入した際の環境性能割の計算方法は、以下の通りです。
課税標準基準額+ 付加物の価額= 取得価額 (1,000円未満切捨て)
取得価額 × 環境性能割の税率(非課税、1%、2%、3%)= 環境性能割の税額
また、中古車で購入した場合の計算式も以下のようになります。
課税標準基準額 × 残価率= 取得価額 (1,000円未満切捨て)
取得価額 × 環境性能割の税率(非課税、1%、2%、3%)= 環境性能割の税額
燃費性能等 | 税率 | ||
---|---|---|---|
自家用 | 営業用 | ||
登録車 | 軽自動車 | ||
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 1.0% | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
★★★★かつ2015年度燃費基準+10%達成車 | 3.0% | 2.0% | 1.0% |
上記以外 | 3.0% | 2.0% | 2.0% |
課税標準基準額とは、道府県の税事務所でも用いることが予定されている『環境性能割の課税標準基準額及び税額一覧表(仮名)』に記載された金額のことで、新車価格から値引額を引いた金額となっています。
目安として、おおよそ新車価格の90%程度とお考え下さい。
残価率とは、新車購入時を1.0とし自動車の経過年数から算出された掛け率のことです。
経過年数 | 1年 | 1.5年 | 2年 | 2.5年 | 3年 | 3.5年 |
---|---|---|---|---|---|---|
残価率 | 0.681 | 0.561 | 0.464 | 0.382 | 0.316 | 0.261 |
経過年数 | 4.0年 | 4.5年 | 5.0年 | 5.5年 | 6.0年 | – |
残価率 | 0.215 | 0.177 | 0.146 | 0.121 | 0.100 | – |
環境性能割の臨時的軽減による税率
臨時策として、2019年10月1日から2020年9月30日までに購入した乗用の普通車と軽自動車に対して、税率を1%引き下げる案が盛り込まれています。
登録車(自家用の乗用車) | ||
---|---|---|
対象車 | 通常の税率 | 臨時的軽減後の税率 (2019年10月1日から 2020年9月30日までの間) |
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 1.0% | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 2.0% | 1.0% |
★★★★かつ2015年度燃費基準+10%達成車 | 3.0% | 2.0% |
上記以外 | 3.0% | 2.0% |
軽自動車(自家用の乗用車) | ||
---|---|---|
対象車 | 通常の税率 | 臨時的軽減後の税率 (2019年10月1日から 2020年9月30日までの間) |
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 1.0% | 非課税 |
上記以外 | 2.0% | 1.0% |
9月末までのエコカー減税の軽減率が見直し
2019年4月1日から、2020年度燃費基準を達成しているクルマに対してのエコカー減税軽減率が見直され、軽減の割合が低減されます。
『電気自動車等、★★★★かつ2020年度燃費基準+40%達成車』と『★★★★かつ2020年度燃費基準達成車』は据え置きで、それ以外は25~30%と割合が低くなるのです。
自動車取得税のエコカー減税による軽減割合 (2019年4月~9月) | ||
---|---|---|
燃費性能等 | 変更前(~2019年3月 | 変更後(2019年4~9月) |
電気自動車等 ★★★★かつ2020年度燃費基準+40%達成車 |
非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+30%達成車 | 80%軽減 | 50%軽減 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | 60%軽減 | 50%軽減 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 40%軽減 | 25%軽減 |
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 20%軽減 | 20%軽減 |
上記以外 | 軽減なし | 軽減なし |
2019円3月以降、2年ごとにグリーン化特例の軽減率が変更
今まで、グリーン化特例により新車購入から翌年の自動車税が免税または減税されていた点は、★★★★かつ2020年度燃費基準達成のクルマに対しても、今まで通り軽減措置が取られます。
しかし、2019年3月から2021年3月までの2年間と2021年4月から2023年3月までの2年間で軽減率が異なるため、注意が必要です。
グリーン化特例(軽課)による自家用の乗用車(登録車・軽自動車)に係る軽減割合 | ||||
---|---|---|---|---|
自動車の燃費性能等 | 2019年4月から 2021年3月までの間に 購入した場合 |
2021年4月から 2023年3月までの間に 購入した場合 |
||
登録車 | 軽自動車 | 登録車 | 軽自動車 | |
電気自動車等 | 税率を概ね75%軽減 | 税率を概ね75%軽減 | 税率を概ね75%軽減 | 税率を概ね75%軽減 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+30%達成車 | 税率を概ね75%軽減 | 税率を概ね50%軽減 | 軽減なし | 軽減なし |
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 税率を概ね50%軽減 | 税率を概ね25%軽減 | 軽減なし | 軽減なし |
まとめ
環境性能割が導入されても、自動車取得税の時と大した変化はありませんが、環境性能割の臨時的軽減やグリーン化特例で非課税になる電気自動車やプラグインハイブリッド、ハイブリッドは消費税増税前に購入するのがお買い得。
また9月は増税前の駆け込み購入と高い値引率が見込まれるため、8月には情報収集や下見を行い、9月に入った直後から商談するのがベスト。
増税後も、環境性能割の臨時的軽減が10月以降1年間有効となるため、来年の9月末までには商談することや、2020年度燃費基準達成車を購入することが、お財布に優しいクルマの購入の仕方といえます。
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