毎年5月31日は、自動車税納税の期限日です。大排気量のクルマを所有していると、税金は数万円ともなるので、イタい出費です。そもそも、なぜ自動車税を払わなければならないのでしょうか。また、いったい何に使われるのでしょう。自動車税の納税期限を延滞すると、どうなるかなど、自動車税について、まとめてみました。

出典:写真AC

自動車税とは

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自動車税は、毎年4月1日付でクルマの所有者に課せられる税金のことです。
納税者は車検証上の所有者であり、種類、用途、排気量などの区分により細かく税額が定められています。

また、軽自動車を対象とした『軽自動車税』は用途によってのみ分類され、自家用の乗用軽自動車は、一律10,800円と決まっています。

自動車税の使い道は

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自動車税は、地方自治体に入る道府県税(都道府県の地方税の決算額から東京都が徴収した市町村税相当額を除いた額)となっており、平成28年度道府県税の収入額が18兆1,140億円。

そのなかで、自動車税は8.5%に値する1兆5,349億円でした。

一方、自動車重量税は国税で、平成28年の税収は3,914億円だったため、自動車税は重量税より約5倍も税収が多いことになります。

また、自動車税は使い道を特定しない『普通税』なので、交通道路整備などに限らず、福祉や教育などの行政サービスや都市整備、または公務員の給与など幅広い用途で使われます。

自動車税の税額

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乗用車の自動車税

排気量 自家用 事業用
1,000cc以下 29,500円 7,500円
1,000cc超~1,500cc以下 34,500円 8,500円
1,500cc超~2,000cc以下 39,500円 9,500円
2,000cc超~2,500cc以下 45,000円 13,800円
2,500cc超~3,000cc以下 51,000円 15,700円
3,000cc超~3,500cc以下 58,000円 17,900円
3,500cc超~4,000cc以下 66,500円 20,500円
4,000cc超~4,500cc以下 76,500円 23,600円
4,500cc超~6,000cc以下 88,000円 27,200円
6,000cc超 111,000円 40,700円

貨物車の自動車税

最大積載量 自家用 事業用
1トン以下 8,000円 6,500円
1トン超~2トン以下 11,500円 9,000円
2トン超~3トン以下 16,000円 12,000円
3トン超~4トン以下 20,500円 15,000円
4トン超~5トン以下 25,500円 18,500円
5トン超~6トン以下 22,000円 30,000円
6トン超~7トン以下 35,000円 25,500円
7トン超~8トン以下 40,500円 29,500円
8トン超(加算額) 6,300円 4,700円

けん引車の自動車税

区分 自家用 事業用
けん引車 小型 10,200円 7,500円
普通 20,600円 15,100円
被けん引車 小型 5,300円 3,900円
普通(最大積載量8トン以下) 10,200円 7,500円
普通(最大積載量8トン超加算額) 5,100円 3,800円

バスの自動車税

乗車定員 自家用 事業用 一般乗合用 事業用 一般乗合用以外
30人以下 33,000円 12,000円 26,500円
30人超~40人以下 41,000円 14,500円 32,000円
40人超~50人以下 49,000円 17,500円 38,000円
50人超~60人以下 57,000円 20,000円 44,000円
60人超~70人以下 65,500円 22,500円 50,500円
70人超~80人以下 74,000円 25,500円 57,000円
80人超 83,000円 29,000円 64,000円

軽自動車税の税額

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軽自動車税は平成27年4月1日から新税率が採用され、自家用の乗用軽自動車であれば従来7,200円だったのが、新税率では10,800円になりました。

自家用 事業用
軽自動車(総排気量660cc以下、3輪含む) 乗用 10,800円 6,900円
貨物 5,000円 3,800円

原付やミニカー(4輪)、2輪車も軽自動車税に含まれる税金であり、平成27年4月に税率が変更されてます。

税額
原動機付自転車 50cc以下 2,000円
50cc超90cc以下 2,000円
90cc超125cc以下 2,400円
ミニカー 3,700円
軽2輪(125cc超250cc以下) 3,600
小型2輪(250cc超) 6,000円

エコカーは免税だけど古いクルマは増税、グリーン化税制とは

グリーン化特例のステッカー / © Kodaira City, Tokyo.

日本では低公害および低排出のクルマに対し、グリーン化税制とよばれる優遇措置が導入されています。

これは環境性能に優れたエコカーに対し、新車登録の翌年度分の自動車税を減税してくれる仕組みですが、逆に古いクルマに対しては環境への負担が大きいクルマとして、自動車税および軽自動車税が増税されます。

減税対象車

グリーン化税制の優遇措置を受けられる条件は、『2005年排ガス規制75%低減または2018年排ガス規制50%低減を達成』のクルマで、新車登録の翌年度分に適用されます。

燃費基準の達成度合 減税率
自動車税 2020年度基準+10%達成 概ね50%減税
2020年度基準+30%達成 概ね75%減税
次世代自動車 概ね75%減税
軽自動車税 乗用車 2020年度基準+10%達成 概ね25%減税
2020年度基準+30%達成 概ね50%減税
次世代自動車 概ね75%減税
貨物車 2015年度基準+15%達成 概ね25%減税
2015年度基準+35%達成 概ね50%減税
次世代自動車 概ね75%減税

増税対象車

増税対象車は新車登録から13年が経過した車両であり、自動車税と軽自動車税が15~20%増税。

例外として、古いクルマといっても電気自動車やハイブリッドカー、天然ガス自動車であれば、13年経過したクルマでも増税対象になりません。

経過年数 増税率
自動車税 ガソリン車、LPG車:13年超
ディーゼル車:11年超
概ね15%重課
軽自動車税 13年超 概ね20%重課

自動車税の支払い方法は

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自動車税は、銀行や郵便局などの金融機関やコンビニなどで支払うことができます。

銀行や郵便局の場合は通知書と現金で支払うだけでなく、口座から自動で引き落とする方法もあり、納税通知書とキャッシュカードもしくは通帳で事前に手続きをする必要があります。

コンビニで支払う場合は現金支払いだけでなく、電子マネーで支払うことも可能。

また、自動車税の場合は都道府県の税事務所、軽自動車税は市区町村の税事務所で支払うこともできますが、支払いは現金のみです。

自動車税の支払いを忘れてた!!5月31日を過ぎると延滞金が発生

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5月31日を過ぎてから、自動車税を払っていないことを思い出す方もいると思います。

自動車税の支払期限が過ぎてしまうと1日目から延滞金が発生します。

適用年度 納税期限~1ヶ月 1ヶ月以降
平成30年度 2.6% 8.9%
平成29年度 2.7% 9.0%
平成27~28年度 2.8% 9.1%

例として、1~3ヵ月の間で滞納してしまった場合、2,000ccのクルマと軽自動車では以下の滞納金が発生します。

延滞期間 延滞金計算式 延滞金
1ヶ月間 2,000ccの普通車:39,500 × 30 × 0.026 ÷ 365 = 84.41
軽自動車:10,800 × 30 × 0.026 ÷ 365 =23.07
2,000ccの普通車:84円
軽自動車:23円
2ヶ月間 2,000ccの普通車:39,500 × 62 × 0.089 ÷ 365 = 597.15
軽自動車:10,800 × 62 × 0.089 ÷ 365 =163.27
2,000ccの普通車:597円
軽自動車:163円
3ヵ月間 2,000ccの普通車:84 + 597 = 681
軽自動車:23 + 163=186
2,000ccの普通車:681円
軽自動車:186円

2019年10月から自動車税額が改正

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2019年10月1日から消費税が10%になると同時に、自動車税も2019年10月1日以降、新車を新規登録した車両に対しては新たな税率が適用されます。

ただし、2019年9月30日までに新規登録したものについては、今まで通り!新車を購入するなら今かもしれません。

排気量 2019年10月1日以降に新規登録したもの
1,000cc以下 25,000円
1,000cc超~1,500cc以下 30,500円
1,500cc超~2,000cc以下 36,000円
2,000cc超~2,500cc以下 43,500円
2,500cc超~3,000cc以下 50,000円
3,000cc超~3,500cc以下 57,000円
3,500cc超~4,000cc以下 66,500円
4,000cc超~4,500cc以下 75,500円
4,500cc超~6,000cc以下 87,000円
6,000cc超 110,000円

まとめ

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E7%A8%8E

グリーン化税制や税制改正により自動車税の価格は流動的に変わっており、自動車税や重量税を抑えるためには、ハイブリッドやPHV、EVといったエコカーや軽自動車に買い替えることがおすすめです。

といっても、新車購入は多額に費用が掛かるため、お金に余裕のある方しか優遇を受けられないのは、腑に落ちません。

また、日本における自動車の税金は他国に比べて高すぎるという声は多く聞こえてきます。

さらに、古いクルマは増税対象になるため、昔から大切にクルマを乗り続けている方や旧車ファンにとっては出費がかさんで辛いところ。

自動車税の税率は、もっとドライバー全員に公平で維持しやすい税制を導入してほしいです。

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