クルマにいずれ訪れる廃車時期。クルマを廃車にして、買い替えが必要な状態とは一体どんな時なのでしょうか。クルマを安全に運転する為にも、ドライバーはクルマが使えなくなる時期を見極められなければなりません。そこで、クルマの寿命の見極め方や、買い替えのタイミングについて解説していきます。

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クルマの寿命とは?廃車の見極め方と時期はドライバーが知っておくべき!

クルマを買い替えるのは、どんなタイミングでしょうか?

新しいモデルが気になるクルマ好きならば、3~5年ぐらいで乗り換える方も少なくはありませんが、クルマを移動だけのツールとして割り切っていたり、今のクルマに愛着を持っている方であれば、マイカーを乗りつぶすまで使い続ける事もあるでしょう。

しかし、維持費と買い替えの費用を比べながら、廃車時期のタイミングを決めるのは難しいものです。

また、クルマの寿命は、新車購入から10年または走行距離10万kmなどとよく言われますが、故障した部品を交換して2年ごとの車検に通し続ければ、大きな事故をしない限りは、半永久的に乗り続けることも可能。

そのため、クルマの使用年数や買い替え時期は、生活スタイルの変化、お財布事情、故障頻度、年月、車検、査定額、ドライバーの気分といったさまざまな要素があるのです。

また、クルマの購入は高額な買い物になるため、最適な買い替え時期を見定め、十分に吟味しながら行わなければなりません。

事故したら修理それとも廃車?

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事故をしたら廃車にするというのはよく聞かれることで、修復不可になるほどの事故であれば廃車となる事がほとんどです。

修理可能であっても高額な修理費になってしまったり、買取の際に修復歴有の扱いとなれば査定額がグッと低くなることもあるため、事故でクルマを修理して乗り続けることには、消極的になってしまうもの。

また、自動車保険の車両保険に加入するという手もありますが、車両保険というのは、事故での車両保障となるため、故障は保険対象外になることを十分踏まえましょう。

廃車にする基準は

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大きな事故もなく、1台のクルマに長年乗り続けた場合、クルマの寿命は何を基準に考えればいいのかと言われれば、明確な基準はありません。

2018年度の平均使用年数は乗用の普通車で13.24年、軽自動車で14.73年です。

1989年当時は普通車で9.09年だったため、30年の時を経て、約4年もクルマの耐久性が向上していることになります。

また、2018年3月末における日本でクルマの平均車齢(ナンバープレートを付けている自動車が初度登録してからの経過年の平均)は、普通車で8.6年、軽自動車で8.5年です。

巷では『15~20万km走行可能』や『国産車なら20万kmはイケる』といった声も聞かれますが、これらの意見も間違ってはいません。

しかし、各々のドライバーで廃車にする基準は異なっており、それぞれの目安で廃車にするかどうか判断しているのが実情です。

故障頻度

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クルマが10年以上は乗れるようになったとはいえ、古くなれば故障頻度が増し、高額な修理費を請求されれば買い替えを検討せざるをえなくなります。

修理コストが車両の償却コストより高かったら寿命という考えはあながち間違っておらず、20万や30万円クラスの修理費が必要になれば、考えられるのはミッションやエンジンといった主要部品の故障です。

エンジンやミッションは、メンテナンスをしていれば30万km/15年程度は大きな故障はなく走れるとされているので、故障内容がリコール対象だったり、耐久性が信頼できない海外メーカーのクルマでなければ、それはひとつの寿命と考えていいでしょう。

30万円近くの修理をして乗ったとしても、それだけ主要部品が劣化していれば他の部品も近いうちに故障する恐れがあるため、結局は新しいクルマに買い替えたほうが良かったという後悔につながる可能性が高いのです。

走行年数・走行距離

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先に述べたように、エンジンやミッションは走行距離30万km/走行年数15年が寿命とされていますが、すべてのクルマに当てはまるわけではありません。

なぜなら、何度かのマイナートラブルや消耗品交換をしなければ、30万kmには達しないと思われますし、特にシールなどゴム類の部品は経年劣化でオイル漏れの原因となります。

車検時にオイル漏れが見つかれば車検は不合格になるため、エンジンオイルやエレメント以外にも、ゴム類のパーツの交換はクルマを長持ちさせる重要なメンテナンス項目です。

また、ハイブリッド車であれば、バッテリーやモーターの寿命も加味しなければならず、トヨタ プリウスは30万kmでバッテリー交換が必要です。

とはいえ30万km/15年を目指して乗り続けても、それまでのメンテナンス費用や現行モデルに比べ圧倒的に燃費が悪いなど、維持費が高く感じれば、廃車時期といえます。

車検時期

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車検時期は、クルマを廃車にするか判断する時期です。

車検費用を見積もってみれば、重量税、自賠責保険などすべてコミコミで50万円などとなり、買い替えを考えるでしょう。

また、登録から13年目以上または18年目以上で車検時に支払う重量税が高くなることや、新車登録から6回目の継続車検(13年目)で車両の至るところを直さなければ車検に通らないなど、費用があまりにも高額になる場合は、ひとつの買い替え時期です。

自動車税/重量税

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クルマにおける税金は地球環境を保護する観点から、低排出ガスの新しいモデルは減税され、一方で一定年数を経過した古いクルマは増税する制度がとられています。

ガソリン車では新車登録から13年が経過したクルマに対し、概ね15%も多い負担が課され、重量税に関しては小型/普通車の場合、13年経過で39%、18年経過で54%も多い負担が課せられるのです。

となれば、新車購入から13年、さらに18年経ったクルマは余計に税金を納めなければならず、逆に新しいクルマを購入すれば税金が軽減される、おいしい特典を得ることができるので、これを考えれば、13年というタイミングはクルマの買い替え時期のひとつの目安と言えます。

廃車する時期は3月

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クルマの廃車手続きをすれば、自動車税を請求されることはなくなりますが、廃車をした時期によっては、余計に税金を支払ったことになります。

自動車税は3月31日締めで4月1日から3月31日までの期間の税金を一括で支払います。

そのため、自動車税を支払ってから3月31日までに期間が残っていれば、手続きを行う事で還付されるのです。

しかし、還付金は1か月単位のため、月初めに廃車手続きすれば、その月の末日までの日数分、無駄に税金を支払うことになってしまいます。

そのため、廃車を考える場合は、買い替えを月末に予定し、廃車手続きを月末ギリギリに完了させれば、支払った税金分きっちりクルマを利用したことになるのです。

ちなみに、軽自動車税の場合は普通車の自動車税のように月割りで課税・還付する制度がないため、もし軽自動車税納付期限の5月末までに支払ってから直後に廃車手続きをしても、6月から翌年3月までの軽自動車税の金額を余分に支払うことになります。

軽自動車の廃車は、還付されないことを考えて、3月に行うのが良いでしょう。

まとめ

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クルマは10年以上乗ることができても、クルマの寿命はドライバーの乗り方で変わってきます。

自動車の故障を抑え、耐久年数を少しでも長くするには、急加速・急ブレーキ・急ハンドルを控え、クルマに負担が少ないドライビングを心がけること。

そして、定期的なメンテナンスと整備をきちんと行うことで、国産車だけでなく外車も長く付き合えます。

あとは、税金や故障での修理費などの維持費が増額することや、走行時にエンジンやミッションなどのトラブルなどで急に止まってこともあり、維持が難しいと考えれば、廃車時期のサインといえるでしょう。

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