トヨタとソフトバンクは、共同出資して新会社『MONET Technologoes』を設立。モネは、トヨタとソフトバンクだけでなく国産自動車メーカーのほとんどが続々と出資し、100年に1度とされる自動車業界変革期に対応するための自動車メーカー大連合となっています。

© 1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

トヨタとソフトバンクが設立!KDDIは置き去りに?

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日本の自動車産業をリードするトヨタ、通信事業の最大手であるソフトバンク、この2社がタッグを組み、MONET Technologoes(モネ)を設立しました。

トヨタはソフトバンクのライバルとなるauを展開するKDDIと関係は深く、KDDI株を11.53%保有する大株主。

それがソフトバンクと共同出資で新会社を設立したというのだから、自動車業界と通信業界においては大きなトピックたです。

モネが目指すのは独自のMaaS(マース)プラットフォームを生み出す事です。

MaaSとは

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MaaSとは『Mobility as a Service』の略で、バスや電車など公共交通機関やタクシーのような交通サービスなどを一括してクラウド化し、シームレスにつなぐ、移動の新たな概念です。

2015年に開催されたITS世界会議とスウェーデンのチャルマース大学の研究者は、MaaSについて以下のように定義しています。

ITS世界会議での定義

いろいろな種類の交通サービスを、需要に応じて利用できる、一つの移動サービスに統合することである。

引用:国土交通政策研究所報第69 号2018 年夏季

チャルマース大学の定義

レベル4,政策の統合(データ分析による政策)
レベル3,サービス提供の統合(公共交通に加えてレンタカー等も統合)
レベル2,予約、決済の統合(1トリップの検索、予約、支払)
レベル1,情報の統合(複数モードの交通提案、価格情報)

引用:国土交通政策研究所報第69 号2018 年夏季

例として公共交通機関を利用したいユーザーが、スマートフォンのアプリを用いて目的地までのルートや交通手段を検索・利用でき、タクシーを使用する際の呼び出しや目的地まで使用した交通機関の運賃すべてをスマホ上でキャッシュレス決済できます。

チャルマース大学はMaaSの進行具合を4段階でレベル化し、モネが目指すところも最終的にレベル4になるでしょう。

このようなスマートフォンを利用したMaaSはフィンランドで『Whim』というアプリで実現しており、普及すれば自家用車が不要になるとされています。

トヨタが自動車メーカーからオール・モビリティ・カンパニーへ

トヨタ・e-Palette Concept / © 1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

これまで、トヨタは法人(B2B)マーケットを想定したEV『e-Palette Concept』を発表。

EV普及のために、先鋭的な計画を次々と打ち出し、乗用車・商用車メーカーから自動車社会全体の乗り物を企画・運営するオール・モビリティ・カンパニーへの変革を目指しています。

そこで重要なのは、MaaSの普及とCASE車両の開発です。

CASEとは

CASE(ケース)とはConnected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語です。

今、自動車業界の100年に1度と言われる大変革期を迎えており、CASEは大変革のなかでの社会変化・技術変化の動きや、開発の目標を総称して表しています。

CASE時代を迎えるうえでMaaSの構築は最重要項目

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世界のモータリゼーションのCASE化が進めば、通信の構築とMaaSを通してサービスを提供する企業が共通した規格のもとでシステムを開発しなければなりません。

また、タクシーと電車や路線バスなど、公共交通機関すべてが自動運転化されれば、自動運転のプログラムとMaaSをつなげて開発しなければならなくなります。

そのため、CASEが構築されるまえにMaaSのプラットフォームを構築することは最重事項なのです。

5Gが大きなカギ!

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レベル5並の自動運転化を実現させるためには、通信技術が大きなカギを握ります。

そこで第5世代移動通信システム『5G』が重要になり、大量のデータをやり取りするにあたり、今以上のトラフィック量を確保できる通信技術が必要となります。

現在5Gを用いて、10Gbpsを超えるような超高速通信や低遅延化、IoT/IoEの普及による多数の端末との接続に対応するための研究が進められています。

ソフトバンクは5Gの実証実験を行い、実用化のためにノウハウを蓄積しているところです。

また、米ランドシェア最大手のウーバーや中国の滴滴出行(ディディチューシン)にも出資しており、今後は双方の技術提携も視野にいれています。

トヨタがパートナーにKDDIではなくソフトバンクを選んだのは、ソフトバンクの技術力とブランドシェア大手とのつながりが強い会社だったこと、そして天才ビジネスマン・孫正義氏の存在が心強いからです。

国産メーカー各社がモネに出資

出典:写真AC

モネに出資しているのはトヨタとソフトバンクだけではありません。

日産と三菱を除いた自動車メーカーが続々と出資し、モネのMaaS開発に参画しようとしています。

なかでも日野自動車とホンダはそれぞれ2億8,560万円を出資し、モネへの出資比率の約10%。いすゞ、スバル、スズキ、ダイハツ、マツダ各社は5,710万円出資し、出資比率約2%を占め、トヨタとソフトバンクが共同経営する会社でありつつも、日本メーカーのほとんどがモネのMaaSプラットフォームに期待しているのです。

日産・三菱はモネに参画するかを慎重に検討しており、仏ルノーの傘下にある外資系企業であることから独自のMaaSプラットフォームを展開するか、それともモネに企画に参画するか注目が集まります。

まとめ

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MaaSと自動運転車が実用化されると、移動手段や物流だけでなく、医療、飲食、行政などの用途にも使え、国内モビリティは今とは全く異なるものになります。

ドライバーの人手不足や地方に住む買物難民、地域医療における問題も解消されるかもしれません。

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