新型ヤリスが東京モーターショー2019で公開され、世界中から大きな注目を集めています。ヤリスはトヨタにおけるコンパクトカークラスのフラグシップモデルであり、今回は9年ぶりのフルモデルチェンジとなります。新型ヤリスは新世代コンパクトカーとして、Bセグメントクラスをリードするクルマになれるはずです。

© 1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

ヴィッツからヤリスへ!グローバルスタンダードを目指すトヨタ新型ヤリス

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トヨタは、新型ヤリスを2020年2月中旬に日本で発売すると発表しました。

かねてから、トヨタはヴィッツをグローバルネームの『ヤリス』に変更することと東京モーターショー2019のタイミングで4代目ヤリスが発表されることが噂されており、その期待に応えたかたちとなります。

ヤリスの主要マーケットは、Bセグメント車両の人気が高い日本や欧州で、なかでも3代目モデルは9年間もフルモデルチェンジされずに販売され続けたロングセラーモデルです。

同じBセグメントの欧州車両は、独フォルクスワーゲン ポロが2018年3月、仏プジョー 208が2019年3月にそれぞれモデルチェンジを行い、ライバルたちは目覚ましい勢いで進化を遂げています。

そこで今回、新型ヤリスも最新技術や装備を充実させ、欧州ライバル車に負けないクルマに進化しました。

トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)とは

3代目 トヨタ・ヴィッツ /© 1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

トヨタ ヴィッツはスターレットの後継モデルとして1999年に登場し、日本国外でのモデル名はヤリスとして販売されました。

エンジンは1.0リッター、1.3リッターのものをダイハツが開発・製造。

1.5リッターエンジンはトヨタが開発・製造を行い、欧州仕様ではディーゼルエンジン仕様も販売されています。

2005年のフルモデルチェンジに伴い、2代目モデルでは1.0リッターエンジンを3気筒化。

2011年のフルモデルチェンジで登場した3代目モデルには、ハイブリッド仕様が追加されました。

すべてが一新!新型ヤリスの性能はコンパクトカー最高水準

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新型ヤリスはエンジン、プラットフォーム、ハイブリッドユニット等、すべて白紙から開発されたトヨタの意欲作です。

トヨタが進める商品技術戦略『TNGA』により、プラットフォームはコンパクトカー用のGA-Bを採用し、車体のねじり剛性は従来比30%増、車重はハイブリッド車両で50kgの軽量化を実現。重心高は、15mm下げられています。

直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン&Direct Shift-CVT / © 1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

エンジンはTNGAの思想に基づいた『直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン』を新開発し、排気量にかかわらず全グレードのエンジンを3気筒化。

それに伴い、3代目モデルで設定されていた1.3リッターエンジンは今回で廃止されました。

直列3気筒1.0Lエンジンは、排気再循環率やエンジン気筒内に吸い込む吸気によって発生するタンブル流(縦渦)を高めたこと、そしてフリクション低減やエンジン単体質量の6.0kg削減などの改良が図られ、新型のワイドレンジ小容量CVTが組み合わされています。

直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジンは、シリンダーのロングストローク化やバルブ挟角の拡大をおこない、ギア比をワイドにした新開発Direct Shift-CVTを組み合わせて低燃費と高出力化を実現しました。

ハイブリッド車両の直列3気筒1.5Lエンジンはハイブリッド用に専用設計され、モーターやバッテリーも一新。

駆動用バッテリーは充電量の拡大により回生効率を向上させ、放電量の拡大によるモーターアシストの強化により従来型よりモーター出力を30%向上させ、伝達損失を30%軽減させています。

ちなみにハイブリッド仕様の駆動方式にはFFだけでなく、新型の電気式4WDシステムも設定されました。

グレード体系

グレード エンジン トランスミッション 駆動
X 1KR(1.0L) Super CVT-i FF
X “M package”
G
X M15A(1.5L ダイナミックフォースエンジン) DIrect Shift-CVT FFまたは4WD
G
Z
X 6速MT FF
G
Z
HYBRID X リダクション機能付のTHSⅡ
(M15A 1.5L ダイナミックフォースエンジン)
FFまたはE-Four(電気式4WD)
HYBRID G
HYBRID Z

高級車並の充実した装備

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新型ヤリスには最新の予防安全パッケージ『Toyota Safety Sense』を標準装備。

予防安全アシスト 機能
プリクラッシュセーフティ 歩行者検知(昼間・夜間)および自転車運転者検知(昼間)を行い、衝突回避支援または被害軽減に寄与
。トヨタ初の低速時の事故予防をサポートする『低速時加速抑制』を追加装備
レーダークルーズコントロール 前方車両の追従走行を支援
レーントレーシングアシスト[LTA] 同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する
オートマチックハイビーム[AHB] ハイビームとロービームを自動で切り替える
ロードサインアシスト[RSA] カメラで認識した道路標識をディスプレイに表示する

Advanced Park イメージ図 / © 1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

さらに、二次衝突による被害を軽減させる『セカンダリーコリジョンブレーキ』、クルマが自動でハンドル・アクセル操作を行い駐車する、トヨタ初の『Advanced Park』も搭載されています。

純正カスタムパーツTRDとモデリスタも見逃せない

トヨタ新型ヤリス GR PARTS(TRD) 装着車 / (c) TOYOTA CUSTOMIZING & DEVELOPMENT Co., Ltd.

トヨタ新型ヤリス・モデリスタ カスタム / © TOYOTA CUSTOMIZING & DEVELOPMENT Co., Ltd.

トヨタ系カスタムパーツブランドTRDとモデリスタから、新型ヤリス用のカスタムパーツの発売が発表されています。

パーツは新型ヤリスと同時に発売されるとみられ、詳細はまだアナウンスされませんが、TRDらしいスポーティーな雰囲気、モデリスタらしいラグジュアリー感を出した外観になると思われます。

また、GRシリーズとなる『ヤリスGR SPORT』『ヤリスGR』『ヤリスGRMN』の登場にも期待したいところです。

まとめ

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トヨタは2025年までに販売チャンネルごとの専売車種をなくし、トヨタディーラー全店を統合。

さらには日本専用車を減らし、ラインナップする全モデルを世界で統合させることを計画しています。

慣れ親しんだ車名『ヴィッツ』をヤリスに変更したのも、世界統合を狙ったものです。

これまでの体制から大統合革命を敢行する上で、新型ヤリスはそれを先導するモデルといえます。

世界中のユーザー誰もが納得できるクルマに生まれ変わった新型ヤリスの発売日が、今から待ち遠しいのは筆者だけではないはずです。

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