トヨタ新型スープラについて最新情報を一挙ご紹介!2018年に入ってからジュネーブ国際自動車ショーで公開された『GR Supra Racing Concept』や7月に英国で行われたグッドウッド フェスティバル オブ スピードで登場した新型スープラの試作車など、スープラに関する明確な情報が少しずつ見えてきています。そんなトヨタ新型スープラに関する最新情報をまとめてみました。
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新型スープラがグッドウッド フェスティバル オブ スピードに登場
トヨタが現在開発しているクルマの中で、一番ホットなのは新型スープラではないでしょうか。
新型スープラを開発中ではないかという噂が立ち始めてから、自動車雑誌や自動車情報サイトではひっきりなしに新型スープラのスパイショットや開発状況スクープなどの発信が続けられています。
そんな新型スープラが実際に走っているシーンが公に公開されたのが、今年の7月12~15日にイングランド ウェストサセックスで行われた『グッドウッド フェスティバル オブ スピード』でした。
今年で25周年になるこのイベントでは、新型スープラ以外にも日産GT-R byイタルデザインの初公開など、多くの自動車スクープニュースが発表されて注目を集めることに。
イベントで新型スープラのステアリングを握ったのは、開発責任者である多田哲哉氏。
メディアからのインタビューでも新型スープラに関する内容を多く語っており、2019年早々に新型スープラの公開と発売をすることも明かしてくれました。
また、グッドウッド フェスティバル オブ スピードでお目見えした新型スープラの後方ナンバープレートには『A90』と書かれており、A80型スープラの血を受け継ぐピュアスポーツであることは確実です。
トヨタのピュアFRスポーツだったスープラとはどんなクルマ?
トヨタ・スープラは、1978年から2002年まで生産されたスポーツカーです。
初代A40型/50型モデルと2代目A60型は、国内でのモデル名を『セリカXX』として販売。一方海外では『Supra(スープラ)』として販売されました。
その後、3代目A70型から日本でもスープラのモデル名が採用され、約26年間も生産された人気モデルです。
また、日本での人気もさることながら欧米で非常に高い人気があり、現役でサーキットのレースやドラッグレース、ドリフト競技で使用しているユーザーは少なくありません。
生産終了から約16年が経過した現在は中古車市場での需要が高く、特に海外での人気は相当なもの。
アメリカでは走行距離55,077マイル(88,637キロ)で程度の良いA80型スープラが76,950ドル、日本円にして848万円の価格がつくほどです。
人気の理由としては、トヨタ製エンジンの名機とされる3.0リッター直列6気筒ターボの2JZエンジンを搭載し、後輪駆動であること。
他に、2ドアクーペのピュアスポーツカーとされつつも、アメリカで高い人気のグランツーリスモのような走行性能と居住性を持つ点ともいわれています。
また、2JZエンジンはカスタムベースとしても高い人気があり、パワーを出しやすくハイパワーチューニングをしても故障しにくい頑丈なエンジンというところが、多くのユーザーから支持されてます。
これだけ人気の高かったクルマだけに、2002年、排ガス規制に対応できないことを理由に生産終了がアナウンスされた時も、スープラがなくなることを惜しむ多くの声が上がり、生産終了後もスープラ復活を望むユーザーの想いがトヨタへ多数寄せられました。
そして、この度トヨタがスープラの復活に踏み切ったのも、多くのファンの声があったからこそ実現したものといえるのです。
トヨタ・新型スープラの最新情報
BMWとの共同開発!姉妹車はBMW・Z4
新型スープラはトヨタとBMWで共同開発されており、トヨタ内でスープラの開発にメインで関わっているのが、ガズーレーシングカンパニー GR開発統括部です。
そして、トヨタとBMWの共同開発では、トヨタが新型スープラ、BMWは新型Z4を登場させる予定で、エンジンやシャシー、駆動系などは共通の姉妹車になりますが、外装デザインや走行性のセッティングなどはメーカーそれぞれの設計が成されます。
ちなみに、トヨタとスバルが共同開発で86およびBRZを登場させたように、新型スープラをBMWと共同開発した理由は、スポーツカーの開発ではあまり採算性が望めないため。
そのため、共同開発で双方の開発費を抑えて、それぞれのメーカーで新しいスポーツカーを発売できるようにしているのです。
そしてもう一つは、BMWが直列6気筒エンジン開発のノウハウを持っている点で、多田氏は直6エンジン+FRというパッケージ以外のスープラは考えられないとし、直6エンジンにこだわる上でBMWとの共同開発に至りました。
エンジンは3リッター直6ターボと2リッター直4ターボ
新型スープラのパワートレインには、排気量3リッターの直列6気筒ターボエンジンと2リッター直列4気筒ターボエンジンの2つが用意されています。
また、パワーに関しては、まだ確定的ではありませんが、2リッター直4ターボエンジンで最高出力262PS、3リッター直6ターボエンジンで最高出力350PS以上になる見込み。
多くのメディアの見解では、BMWが予定している3シリーズのフルモデルチェンジで積まれる新開発の3リッター直6ターボエンジンが新型スープラと新型Z4に搭載され、トランスミッションは8速デュアルクラッチ式ATになると予想されています。
ただ、気になるのはマニュアルトランスミッションがあるかというところ。
従来型のZ4では8速ATと7速ATしかありませんが、現行型のBMW3シリーズには『320i Mスポーツ』と『320i スポーツ』共に6速MT仕様が用意されています。
また、トヨタも2月に行なったプレス向けの発表でToyota New Global Architecture(TNGA)による新しい6速MTを開発したとし、このマニュアルトランスミッションが新型スープラに搭載される可能性も!?
トランスミッションについては、まだまだ未確定な部分ではありますが、A80型スープラと同じく6速MT搭載に期待したいところです。
ハイテクLSDでニュートラルステアを実現
多田氏が明かした新型スープラの性能について注目したいのが、超ハイテクLSDの搭載です。
このLSDはターンインから立ち上がりまで、常にニュートラルなステアリング特性を実現。
多田氏いわく、このハンドリングは3,000万円クラスのスーパースポーツと同等とのこと。
果たしてどんなLSDなのか、気になります。
生産はマグナ・シュタイアが担当
Magna Steyr could build the new Supra and BMW Z4: Report https://t.co/8mLaOH3Ey8 pic.twitter.com/ngo8TG0jsQ
— Jalopnik (@Jalopnik) 2018年3月20日
新型スープラの生産は、マグナ シュタイアが担当することが決まっています。
マグナ シュタイアとは、我々日本人にとって聞きなれない名前ですが、オーストリア・オーバーヴァルタースドルフに本社を置く自動車製造業者です。
年間生産台数は20万台にも及び、世界中にある自動車委託生産会社の中では最大とされれており、オーストリア グラーツにある主要工場と他数箇所に生産工場を持っています。
また、4WD車両の開発・生産に優れていて、メルセデスベンツEクラス4マチックやメルセデスベンツGクラス、ジープ グランドチェロキーなどの生産を担当。
高性能スポーツカーではアストンマーチン ラピードの最終組み立ても行なっていました。
そしてBMWでは、X3の初期段階で企画・開発に参画し、自動車開発においても大きな役割を担います。
BMW X3以降は、Miniカントリーマン、Miniペースマン、BMW5シリーズの組み立てを担当。
新型スープラと新型Z4も2018年末からの生産を予定しており、トヨタはマグナ シュタイアに初めて生産を委ねることになるのです。
リミッターカット無しのストックカーでニュル7分台!
En Nürburgring descubrimos el interior del futuro @Toyota_Esp Supra: https://t.co/vPgfJSnVpY pic.twitter.com/Wz0awCwMin
— Motor16 (@motor16) 2018年4月12日
開発段階からニュルブルクリンク オールドコースでテスト走行を重ね、カモフラージュ柄にカラーリングがされた新型スープラが走行するシーンのスパイショットが多く出回っていました。
そんな新型スープラの量産車での走行は、リミッターカットをしていない状態でも余裕で7分台に入るタイムで走行できるといいます。
まだ正式なタイムアタックは行われていないのですが、もしリミッターカットして全開タイムアタックをするなら、どんなタイムを打ち出してくるのでしょうか。
想像しただけでも興奮が止まりません。
トヨタ・新型スープラのモータースポーツでの活躍予測
トヨタは2019年よりNASCAR(ナスカー)エクスフィニティ シリーズに新型スープラで参戦を開始することを発表しました。
エクスフィニティ シリーズへの参戦は、2019年2月のデイトナビーチで行われる開幕戦からの参戦を計画し、NASCAR仕様のスープラは米国トヨタ レーシング デベロップメント(TRD)と、南カリフォルニアに拠点を置くCalty Design Research, Inc.が開発とデザインを担当。
他にどのレースに参戦するかは明らかになっていませんが、有力なのは2020年からのスーパーGTのGT500クラスで、2020年は、DTMと車両規定を統一される“クラス1”技術規則がGT500車両に導入される年なので、それに合わせてトヨタはこれまでのレクサスLCから新型スープラに変更するのではないかという予想が一部でなされています。
また、FIA-GT3やGT4のレーシングマシン製造も考えられますが、車両レギュレーションに流動性があるため、現在は動向を見極めている段階のようです。
そして、フランストヨタからはル・マン24時間レースのLMGTEクラスに新型スープラを参戦させてほしいという要望があるなど、世界各国からレースへの参戦依頼がトヨタに押し寄せています。
そんな新型スープラは、開発者いわくレース車両にフルカスタムできるように設計しているそうです。
そのため、後付けのデフクーラーを装着できるスペースが確保されていたり、ミッションケースにドレンボルトの穴をあらかじめ開けているなど、メカニックが新型スープラでレース車両の製作・メンテナンスをしやすいようになっています。
今年3月に行われたジュネーブ国際自動車ショーでは、新型スープラをベースに開発された『GR Supra Racing Concept』が発表され、既に新型スープラをレースに投入させる準備は整っているようにも思えます。
もしかすれば、既にレース用キットパーツも開発済みかもしれません。
新型スープラはワークスだけでなくプライベーターでも扱いやすいレースベース車両となっており、他メーカーのスーパーカーより価格を抑えることができれば、世界中のレーシングチームやジェントルマンレーサーが無視できない存在になり得るのです。
まとめ
新形スープラの発売は2019年前半に行うことをトヨタが正式に発表し、不確定ではありますが、2019年1月14~27日に開催される予定のデトロイトモーターショー2019か、3月7日~17日に開催される予定のジュネーブモーターショーで量産モデルが世界初公開されることが予想されます。
チーフエンジニアの多田氏は、純粋なガソリンエンジンのピュアスポーツカーは新型スープラが最後のトヨタ車になるのではないかと語っており、トヨタの歴史でスープラが大きなターニングポイントになるかもしれません。
通常、新型車の開発期間は3年とされていますが、新形スープラは約6年かけて開発が行われ、最後になるかもしれないガソリンエンジンのピュアスポーツカーがまもなく我々の前にお目見えするのです!
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