BMW Z4が、約9年ぶりにフルモデルチェンジを果たしました。ちなみに、自動車業界全体から注目を一極集中させるトヨタ新型スープラは、新型Z4とシャシーやエンジンを共有する姉妹車。BMWとして初めてトヨタと共同でクルマを開発し、そこから生み出された新型Z4は、今最も注目を集める新車です。
CONTENTS
姉妹車スープラより一足先に発売されたBMW新型Z4
新型スープラの登場がかなりの注目を集めていますが、もう一台忘れてはならないのが新型BMW Z4。
今回のZ4はBMWとトヨタの合作で、新型スープラとエンジン、シャシーを共有する姉妹車であることから、新型スープラの詳細を語るうえでも目が離せないモデルです。
また、新型Z4の注目はエンジンやシャシーだけではありません。
従来モデルのウリでもあったリトラクタブルハードトップを無くし、Z3や初代Z4のようなソフトトップに戻っているなど、かなり思い切った変更が行われています。
そんな新型Z4はスープラのオープンカー版という解釈もできますが、実はデザインや装備、足回りなどはBMWのオリジナル設計で、BMWのテーマである『駆け抜ける喜び』を思う存分味わえる仕様となっています。
BMW・Z4とは
Z4はZ3の後継モデルとして登場し、初代モデル(E85/E86型)は2003~2008年、2代目モデルは2009~2018年に生産されました。
そして、初代モデルはオープンタイプのロードスター(E85型)とクーペの(E86型)の2モデルを販売。
エンジンは2.0リッター直4、2.2リッター/2.5リッター/3.0リッター直6の4つが用意されています。
また、2代目モデル(E89)も2人乗りオープンカーというコンセプトは変わりませんが、ロードスターとクーペを別々に生産するのではなく、オープンボディにリトラクタブルハードトップを搭載したクーペカブリオレタイプを採用。
ハードトップの開閉は全自動で、約20秒で完了します。
エンジンは2.0リッター直4と2.5リッター/3.0リッター直6が用意され、Z4ベースに製作されたFIA-GT3マシンも登場しました。
BMW新型Z4はソフトトップへと回帰!
2代目モデルでは、リトラクタブルハードトップを搭載したことで、オープンカーとクーペの利点を両方味わうことができましたが、いくつかの問題を抱えていました。
美しいスタイルの代償に、重たいルーフの開閉それぞれの状態で、ハンドリング感覚が異なってしまったのです。
ルーフを閉じると重たいノーズが車体上部に位置するので、重心位置が上がって軽快感が乏しくなってしまいます。
一方、屋根を開けるとFRらしい軽快さが復活するも、リア荷重が増えるのでDSC(スタビリティコントロール)の作動機会が減少する事に。
そんな屋根の開閉については、Z4の取扱説明書に『クルマを停止した状態で開閉してください』と記載されており、信号待ちでルーフを開閉したいのであれば、青にかわるタイミングを伺いながら20秒という時間を考えて行わなければなりませんでした。
そこで、3代目モデルではE85のようなソフトトップのロードスターへ回帰。
重く嵩張るルーフを諦めてソフトトップに戻すことで、ルーフの開閉どちらの状態でも走行性能を犠牲にすることはなくなります。
また、ルーフの開閉は全自動で約10秒と早く、50km/hまでであれば開閉操作が可能となりました。
ボディは従来よりワイド化!理想の前後重量比50:50を実現
新型Z4のボディサイズはE89と比べて、全長で85mm、全幅で74mm、全高で13mm延長し、逆にホイールベースでは26mm短くなりました。
また、トレッド幅はE89よりワイド化が顕著で、フロントが98mm延長された1,609mm。
リヤが57mm延長された1,616mmとなり、直線・コーナーでの安定性を向上させています。
さらに前後重量配分が、ルーフを開けた状態で50:50と理想的な配分を実現。
これはエンジンが直4、直6でも変わりなく、ソフトトップにしたことでルーフを閉めた状態でも前後重量配分は大きく変化しません。
シャーシはオープンボディでも車体剛性の高さを発揮し、フロントのサブフレームとコントロールアームのマウントはリジッド化。
リアにも高剛性サブフレームを採用するなど、スポーツ性を高めるためのシャーシセッティングには抜かりなし。
ダイレクト感の高い、キビキビとしたハンドリングが脳裏に浮かびます。
機能性が増したインテリアとラゲッジルーム281ℓを確保
内装は、ソフトトップにしたことでシート背後に手荷物置き場が登場。
しかもルーフ開閉にかかわらずラゲッジルームの容量を281ℓ確保。
先代の180ℓよりも50%以上広くなっています。
また、センターコンソールは運転席側に傾けられ、ドライバーを中心にした内装設計はまさにスポーツカーの雰囲気。
インターフェイスのオペレーションは『BMWオペレーティングシステム7.0』と呼ばれる最新型に進化し、メーターはフラットな液晶モニターにタコメーターやスピードメーターを表示。
二つのメーター間には、ナビゲーションの表示がなされています。
そして、センターコンソールのモニターは10.25インチまで拡大化され、タッチパネル式の操作で『NAVI』『CAR(車両)』『MEDIA』『APPS』『COM』の5つが自在に操作可能です。
新型スープラにも搭載されるエンジンは340馬力を発揮
新型Z4で誰もが注目するのが、新型スープラにも搭載されているエンジン。
B58系3リッター直6直噴ターボエンジンは最高出力340PSを発揮し、これは歴代Z3/Z4で最もパワフルです。
ちなみに、このエンジンを搭載するのは『M40i』というグレードで、10mmローダウンの専用サスペンションと可変ダンピングシステム、Mスポーツディファレンシャル、Mスポーツブレーキなどを組み合わせたモデル。
最高速度は自主規制で250km/hにとどめられていますが、0-100km/h加速は4.5秒を記録し、ニュルブルクリンクサーキットオールドコースで7分55秒というラップタイムをマークしています。
また、M40i以外にはチューニングの違う2.0リッタ-直4直噴ターボを搭載した『20i』と『30i』をランナップ。
最高出力は、20iが197PS、30iが258PSです。
BMW新型Z4のスペック
Z4 M40i | Z4 sDrive30i | Z4 sDrive20i | ||
---|---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 4,324×1,864×1,304 | 4,324×1,864×1,304 | 4,324×1,864×1,304 | |
ホイールベース(mm) | 2,470 | 2,470 | 2,470 | |
乾燥重量(kg) | 1,535 | 1,415 | 1,405 | |
乗車定員(名) | 2 | 2 | 2 | |
エンジン種類 | 直列6気筒 | 直列4気筒 | 直列4気筒 | |
排気量(cc) | 2,988 | 1,998 | 1,998 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 250[340]/5,000~6,500 | 190[258]/5,000~6,500 | 145[197]/4,500~6,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 500[50.9]/1,600~4,500 | 400[40.7]/1,550~4,400 | 320[32.6]/1,450~4,200 | |
トランスミッション | 8速ステップトロニック・トランスミッション | 8速ステップトロニック・トランスミッション | 8速ステップトロニック・トランスミッション | |
タイヤサイズ | 前 | 255/40ZR18 | 225/50R17 | 225/50R17 |
後 | 275/40ZR18 | 255/45R17 | 255/45R17 | |
複合モード燃費(リッター/km) 【 】内はkm/リッター |
7.4~7.1/100 【13.5~14.0】 |
6.1~6.0/100 【16.3~16.6】 |
6.1~6.0/100 【16.3~16.6】 |
まとめ
新型Z4の日本導入時期は2019年春を予定しており、国内販売価格はまだ公式には発表されていません。
しかし、新型Z4をカスタムベースとして考えてみれば、トヨタと共同開発で姉妹車の新型スープラにパーツが流用できるため、使えるカスタムパーツは今までのモデルより格段に多くなるはず!!
さらに、BMW車両のカスタムやレーシングカーといえば、M2、M4、M6といったスポーツクーペモデルがメインにですが、新型スープラと姉妹車となった新型Z4ベースでもかなり速いレーシングカーが作れるに違いありません。
そんなことを考えていると、今からレースシーンで活躍する新型Z4の雄姿を想像してしまうのは、筆者だけではないはず。
新型Z4はサーキットで活躍するクルマになるのか、それとも一般道を軽快に走行するツーリングカーのままで終わってしまうのか。
新型Z4の活躍に期待したいところです。
[amazonjs asin=”B00YBD9TAY” locale=”JP” title=”ソニー Xperia Z4 Tablet SGP712 ストレージ32GB ブラック”]
Motorzではメールマガジンを配信しています。
編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?
配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!