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BMWは2018年10月4日に開催されたパリモーターショーで、新型3シリーズを発表。今年3月より全世界同時デリバリーが開始されます。先代のF30型から更にスポーティーなセッティングに味付けされ、ライバルの追従は許さないと言わんばかりの完璧な仕上がりで、大注目の一台です。

出典:https://www.press.bmwgroup.com/japan/article/detail/T0287825JA/the-all-new-bmw-3-series-sedan
これぞスポーツセダンのお手本!新型BMW3シリーズ発売

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去年10月に発表されたG20型 BMW3シリーズが、2019年3月9日から日本でも発売される予定です。
そんなG20型は、これまでのF30型から更にボディを大きくし、新型プラットフォームに新開発のストローク依存型ダンパーを標準装備したことで、スポーツ性能と静粛性が格段に向上。
BMW初の『インテリジェント・パーソナル・アシスタント』を装備し、学習機能を備えたAIがドライバーの言葉を認識し、快適な室内空間を設定してくれます。
歴代3シリーズを振り返ってみても、フルモデルチェンジのたびに、多くのファンを驚せる新技術と圧倒的な完成度で注目を集めてきましたが、今回のG20型もライバル車より一歩先を行くスポーツセダンであることを改めて痛感させられました。
BMW3シリーズとは

歴代BMW 3シリーズ / 出典:https://www.press.bmwgroup.com/japan/photo/detail/P0009646/50-years-of-automobile-production-at-bmw-plant-munich:-sporty-compacts-bmw-3-series-e30-bmw-3-series-e21-bmw-3-series-compact-e46/5-bmw-2002-bmw-3-series-e36-12/2002
BMW3シリーズはDセグメントサイズの4ドアセダンです。
セダン以外にステーションワゴンタイプの『ツーリングワゴン』や、4ドアクーペスタイルの『グランツーリズ』がラインナップされ、過去には2ドアクーペも存在していましたが、現在は3シリーズクーペは『4シリーズ』として販売されています。
また、登場した1975年から現在に至るまで、全世界で約1,500万台もの販売実績を誇るモデルで、モデルチェンジをするたびに先端技術を搭載するミドルスポーツセダンの先駆者の地位を独占し続け、世界中のセダンのベンチマークとなってきました。
そして、現行型のF30はガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、PHV(プラグインハイブリッド)が搭載されたモデルが用意されており、発売予定のG20にはガソリンとディーゼルの2つを設定。
さらに6月には、PHVも登場予定です。
また、G20型のガソリンエンジンには2リッター直4で出力・トルクが異なる2グレードを用意。
一方ディーゼルには、こちらも2リッター直4に出力・トルクが異なる2グレードとハイパワーのグレードにはFR以外に4WDのxDriveが用意されています。
さらに3リッター直6モデルも存在し、ディーゼルモデルのラインナップの方が充実する形。
トランスミッションはZF製8速ATが搭載されていますが、2リッター直4ディーゼル搭載のFRモデルには6速MTが搭載され、こちらにはオプションで8速ATが用意されています。
BMW新型3シリーズのスペック

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BMW 320i | BMW 330i | BMW 318d | |
---|---|---|---|
エンジン種類 | 直列4気筒 | 直列4気筒 | 直列4気筒ディーゼル |
排気量(cc) | 1,998 | 1,998 | 1,995 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 135[184]/5,000~6,500 | 190[258]/5,000~6,500 | 110[150]/4,000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 300[30.5]/1,350~4,000 | 400[40.7]/1,550~4,400 | 320[32.6]/1,500~3,000 |
トランスミッション | 8速ステップトロニック・トランスミッション | 8速ステップトロニック・トランスミッション | 6速マニュアル |
0-100km/h加速性能(秒) | 7.2 | 5.8 | 8.5 |
最高速度(km/h) | 235 | 250 | 226 |
燃費(リッター/km) ※カタログスペック、[ ]内はkm/L値 |
7.4~7.1/100 [16.6~17.5] | 6.1~5.8/100 [16.3~17.2] | 4.5~4.2/100 [22.2~23.8] |
BMW 320d | BMW 320d xDrive | BMW 330d | |
---|---|---|---|
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼル | 直列4気筒ディーゼル | 直列6気筒ディーゼル |
排気量(cc) | 1,995 | 1,995 | 2,993 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 140[190]/4,000 | 140[190]/4,000 | 195[265]/4,000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 400[40.7]/1,750~2,500 | 400[40.7]/1,750~2,500 | 580[59.1]/1,600~3,000 |
トランスミッション | 6速マニュアル | 8速ステップトロニック・トランスミッション | 8速ステップトロニック・トランスミッション |
0-100km/h加速性能(秒) | 7.1 | 6.9 | 5.5 |
最高速度(km/h) | 240 | 233 | 250 |
燃費(リッター/km) ※カタログスペック、[ ]内はkm/L値 |
4.7~4.4/100 [21.2~22.7] | 4.8~4.5/100 [20.8~22.2] | 5.2~4.8/100 [19.2~20.8] |
ひとまわりワイド化されたボディ

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G20型は、F20型よりひとまわりボディ・サイズが拡大され、全長が85mm増しの4,709mmに。
全幅は16mm増しの1,827mm、ホイールベースが41mm増しの2,851mmになりました。
また、トレッドはフロントで43mm、リアで21mm拡大しています。
F90型(5代目)からF30型に変わった際にも、全長とホイールベースはほぼ同寸法で延長されましたが、全幅と前後トレッドがここまでワイド化されることはなく、車体の安定性やコーナーリング性能を向上させるためのサイズリメイクがなされました。
これは5シリーズから採用されたCLAR(クラスター アーキテクチャー)と呼ばれるプラットフォームを採用したことが寄与しており、これほどワイドボディ化されたにもかかわらず車両重量は約55kgも軽量化されています。
デザインはキドニーグリルが大型化され、ヘッドランプはキドニーグリル真横に達するほど延長。
盛り上がったフェンダー周りや肥大化したフロントフェイスを見ると、一層スポーティーでアグレッシブルな存在感を強調しています。
また、空力性能はcd値で0.26から0.23まで空気抵抗を減少させており、JC08モード燃費値は発表されていませんが、F20型と比べればかなりの燃費性能向上が期待できます。
3シリーズ史上初ストローク依存ダンパーを標準搭載

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G20のサスペンションは、標準で『ストローク依存ダンパー』と呼ばれるものが搭載され、オプションでMスポーツに採用される『アダプティブMサスペンション』の搭載が可能となっています。
ストローク依存ダンパーを装着したことで、路面の突起やダイナミックにカーブを走行する際の振動を打ち消し、ボディを安定化。
スポーティな走りでも抜群の安定感と旋回性能を発揮し、信頼感のあるハンドリングを実現しています。
また、リアダンパーは走行状況に応じて油圧を無段階に調整でき、重い荷物を積載したときでもその都度理想的な油圧減衰作用を提供。
さらに、アダプティブMサスペンションは従来のMスポーツサスペンションに電子制御ダンパーを組み合わせたもので、硬めのベアリング、追加のボディ補強、スプリングレートの高いサスペンションとスタビライザーによって、引き締められたサスペンションセッティングを実現。
スプリングが素早く伸縮する際の減衰力は約20%向上し、スポーツ性を重視したセッティングがなされています。
『Hey、BMW』でインテリジェント・パーソナル・アシスタントが作動

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去年10月18日に発表された新型メルセデス・ベンツAクラスでは、音声操作で操作できる対話型インフォテイメントシステム『MBUX』が話題となりました。
BMWではこれまで、モニター前で手を動かす『BMWジェスチャー・コントロール』を開発し現行モデルに搭載してきましたが、今回はメルセデスベンツ同様に音声認識システムを開発。
G20にはBMWで初めて、音声操作可能な『BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント』が搭載されました。
『Hey!BMW』といえばデジタルキャラクターが反応し、ドライバーが言葉にした操作内容をクルマが自動で設定してくれます。
しかも、ドライバーの日常的な習慣や習性を学習し、ドライバーが意図しなくても好みの設定を提案してくれる優れもの。
具体的には、ドライバーの頻繁に設定しているシートヒーターや空調温度/風量、ナビゲーションシステムの設定を学習し、『ヘイッBMW、寒いね』と言えば、好みの空調温度やシートヒーターを調整し、『自宅へ帰ろう』と言えば、自動で帰り道のナビ設定をしくれるのです。
もちろん、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントには登録されていない言葉や操作内容も多数存在すると思いますが、BMWは今後どんなコマンドにも対応し、どんな質問にも答えられるよう開発を進めていく予定で、これからのアップデートが楽しみなシステムです。
まとめ

出典:https://www.press.bmwgroup.com/japan/article/detail/T0287825JA/the-all-new-bmw-3-series-sedan
世界中のスポーツセダンがベンチマークとするBMWの3シリーズですが、実をいうと、日本の3シリーズの販売台数は全体のわずか3%のみ。
全世界の販売数ではXシリーズが全体の1/3というのだから、3シリーズがそこまで稼ぎ頭ということはなさそうです。
しかし、これほどBMWが3シリーズの開発に力を入れたのは、追従するように進化し続けるライバル車にあります。
最大のライバルとされるメルセデスベンツCクラスは、3シリーズと同様にスポーツ性を高めた方向性にセッティングされるようになり、アウディA4は去年6月に改良されつつも、既に次期モデルの開発が着々と進んでいると噂されています。
次期アウディA4のプロトタイプが公道テストをしている姿も何度かスクープされているため、A4のフルモデルチェンジも近々行われるでしょう。
さらに、アルファロメオ・ジュリアやジャガーXEなど新たなライバル車も登場し、Dセグメントのプレミアムセダンクラスは戦国時代に突入した模様。
そんな世界中の高級車メーカーのエンジニアが4ドアセダンを開発する上でベンチマークとしているのが3シリーズ。
BMW開発陣も、それは承知の上でしょう。
しかし、すでに完成し尽くされた3シリーズに、さらなる付加価値をつけて進化させるのは難しいことで、F30型から同水準の価格でさらに良い車というのは、開発者を悩ませたはず!
それでも、G20型を知れば知るほどF30型よりも進化したのは明らかで、これから日本に上陸してユーザーにどんな満足感を感じさせてくれるのか。
G20型の購入予定者が羨ましく思えてなりません。
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