マセラティのSUVモデル レヴァンテ(Levante)にハイパフィーマンスモデルの『トロフェオ』と『GTS』が新登場。レヴァンテが登場してから2年が経過し、今回初めてV8エンジン搭載モデルを登場させました。最上級グレード トロフェオの最高速度はなんと300km/h越え!まさにSUV版のスーパーカーというべきモデルです。
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フェラーリ製V8エンジンを搭載しマセラティ・レヴァンテ・トロフェオ/GTS発売
今や高級車ブランドにとってSUVのラインナップは必須になってきました。
ロールスロイス カリナン、ベントレー ベンテイガなど、SUVとは疎遠だったブランドからも次々と新型SUVが発売されています。
マセラティもそんなブランドのひとつで、2年前からマセラティ初となるSUV『レヴァンテ』を発売。
今では、マセラティが販売するクルマの半分を占めるほど人気モデルとなっています。
これまでSUVに見向きもしなかった自動車メーカーにとっても、SUVの開発は無視できない時代!!
それを受け、マセラティはレヴァンテのブランド力をさらに向上させるべく、フェラーリ製V8エンジンを搭載した『GTS』と最上級グレード『トロフェオ』を登場させました。
しかも、トロフェオにいたっては最高速で304km/h、0-100km/h加速で3.9秒というスーパーカー並みの速さ!!
世界最速SUVとされるランボルギーニ ウルスに匹敵する最高速と加速性能を実現し、今後もレヴァンテの販売数拡大に大きく貢献するモデルとなりそうです。
マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ/GTSとライバル車を比較
メーカー・モデル名 | 最高速度 | 0-100 km/h |
---|---|---|
ランボルギーニ・ウルス | 305km/h | 3,6秒 |
マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ | 304km/h | 3.9秒 |
マセラティ・レヴァンテ・GTS | 292km/h | 4.2秒 |
ベントレー・ベンテイガV8 | 290km/h | 4.5秒 |
ポルシェ・カイエンターボ | 286km/h | 4.1秒 |
ロールスロイス・カナリン | 250km/h | 5.2 秒 |
マセラティ・レヴァンテとは
世界的にSUVが支持される中、マセラティも自社初となるSUVの開発に着手。
2016年3月に開催されたジュネーブモーターショーで発表し、同年4月よりデリバリーを開始したのがレヴァンテです。
シャーシはマセラティ ギブリのものをベースに、オンロード/オフロード両方での走行性能を高めるために車体剛性を高め、低重心かつ前後50:50の理想的な重量配分を実現。
さらに5+1段階で車高の変更が可能なエアスプリングサスペンションを搭載し、SUVでありながらセダンのような高速クルーズ時の快適性を持っています。
エンジンはフェラーリのマラネッロ工場で製造する3.0リッターV6ツインターボとイタリアのVMモトーリ社が製造する3.0リッターV6ディーゼルターボを用意。
日本では『レヴァンテ』『レヴァンテ S』『レヴァンテ ディーゼル』の3モデルがラインナップされています。
それに加えて今回紹介する『レヴァンテ トロフェオ』と『レヴァンテ GTS』が2018年11月から日本での販売を開始し、現在は5モデルがラインナップされています。
トロフェオとGTSの違いは
トロフェオとGTSを見比べたときの違いはボディ部分にはほとんどなく、唯一の違いは標準で装備されるホイールがトロフェオは21インチ、GTSは20インチといったところ。
あとはスペック上の違いのみで、出力・トルク・車重・最高速・0-100km/h加速の数値がトロフェオのほうが上。
トロフェオ/GTSと他のモデルを見比べた時の違いは、トロフェオ/GTSにはカーボン製のフロント ロアスプリッターやサイドスカートが与えられ、マネッティ マレリ社と共同開発したフルマトリックスLEDヘッドランプが搭載されているところ。
このヘッドランプはハイビームでも対向車は照らさず、自動的に影を作り出す優れものです。
エンジンは、クアトロポルテGTSの3.8リッターV8ツインターボエンジンをトロフェオ/GTS用にチューニングしたものを搭載。
クアトロポルテと異なりレヴァンテではAWD化されるため、クランクケースやクランクシャフトアセンブリーの改良が施されています。
驚かされるのはクアトロポルテGTSと同じエンジンでありながら、トロフェオの方が最高出力60PS、最大トルク20N・mとかなり性能がアップしている事。
マセラティのフラグシップセダンよりパワフルなSUVという事実は、それだけマセラティがトロフェオにかける思いが強いという事を表しているのではないでしょうか。
トロフェオには新しい走行モード『コルサ』が追加、サーキットだって走行できる
トロフェオのみ、『コルサ』という走行モードが追加されました。
今までのレヴァンテには、ドライビングモードに『ノーマル』、『I.C.E(いわゆるエコーモード)』、『スポーツ』の3つがあり、それぞれのモードによってエンジンやサスペンション、シフトチェンジのタイミング、4輪駆動システムなどが自動調整されていたのですが、新たに追加されたコルサは、今までのスポーツモードよりアグレッシブルな走行が可能に!!
全高が標準より35mmダウンと、ローンチコントロールも備わります。
もちろん、アクセルレスポンスのダイレクト感やギアチェンジの速度は格段に上がっており、大きなグランプリサーキットでないとトロフェオのポテンシャルは引き出しきれないかもしれません。
それほど凄いパワーをもったSUVが、レヴァンテ トロフェオなのです。
トランスミッションはアルファロメオのジュリアやステルヴィオと同型の、ZF製トルクコンバータ付き8速オートマチックを搭載しています。
マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ/GTSのスペック&価格
レヴァンテ・トロフェオ | レヴァンテ・GTS | ||
---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 5,020×1,968×1,698 | 5,020×1,968×1,698 | |
ホイールベース(mm) | 3,004 | 3,004 | |
車両重量(kg) | 2,170 | 2,300 | |
乗車定員(人) | 5 | 5 | |
エンジン種類 | V型8気筒DOHCツインターボ | V型8気筒DOHCツインターボ | |
排気量(cc) | 3,799 | 3,799 | |
内径×行程(mm) | 86.5×80.8 | 86.5×80.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 441[590]/6,250 | 405[550]/6,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 730[74.4]/2,500~5,000 | 730[74.4]/2,500~5,000 | |
トランスミッション | 8速AT | 8速AT | |
駆動方式 | AWD | AWD | |
タイヤサイズ | 前 | 265/40R21 | 265/40R20 |
後 | 295/35R21 | 295/40R20 | |
0-100km/h加速 (s) | 3.9 | 4.2 | |
最高速度(km/h) | 304 | 292 | |
燃料消費率[複合] (l/km) | 13.5/100【リッターあたり7.4km】 | 13.5/100【リッターあたり7.4km】 | |
メーカー希望小売価格【消費税込】(万円) | 1,990 | 1,800 |
まとめ
マセラティがレヴァンテ トロフェオ/GTSを発売したことは大いに喜ばしいことですが、もう一つ気になるのが、マセラティと深い関係にあるフェラーリがSUVを作るかどうか。
レヴァンテは開発段階からフェラーリのエンジニアも参加しており、エンジンはディーゼルを除けば全てフェラーリが生産しています。
もちろん、昨今のSUVブームにフェラーリが知らないフリをし続けるとは到底考えにくく、かなり前からフェラーリ本社工場にフェラーリ製SUVのプロトタイプが出入りしていたとの目撃談もあります。
また、フェラーリ関係者がトロフェオの開発に携わっている事からも、フェラーリとしてその開発技術をフィードバックさせたSUVを生み出してくるはず!
一部ではエコを意識した新開発PHVを搭載したSUVを生み出し、そのPHVユニットをレヴァンテにも搭載するなんて話も噂されていますが、信ぴょう性は薄いと思われます。
それでも、今回登場したレヴァンテ トロフェオ/GTSの発売は、フェラーリ製SUV登場への予兆ではないでしょうか。
トロフェオの最高速がわずか1km/hの差でランボルギーニ ウルスに及ばなかったのは、フェラーリ製新型SUVに託したからかもしれません。
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